2017-01-15 14:09 | カテゴリ:未分類

男の子がなりたい職業、「学者」2位に急上昇 連続ノーベル賞効果か 第一生命調査

 第一生命保険が6日発表した「大人になったらなりたいもの」のアンケート結果によると、男の子で「学者、博士」が2位となり、前回の8位から大幅に上昇した。第一生命は「日本人のノーベル賞連続受賞の影響があるのではないか」と分析している。

 男の子の1位は7年連続で「サッカー選手」、3位は「警察官、刑事」だった。前回18位の「水泳選手」が8位に浮上した。2016年夏に開かれたリオデジャネイロ五輪で日本人選手が活躍した影響とみられる。

 女の子は「食べ物屋さん」が20年連続の1位となり、人気を維持した。2位は「保育園・幼稚園の先生」、3位は「学校・習い事の先生」と続いた。また「ダンスの先生、ダンサー、バレリーナ」が10位と、09年以来のトップ10入りとなった。

 アンケートは第一生命が1989年から毎年実施しており、今回は16年7~9月に実施。全国の幼児や   小学生ら1100人の回答を集計、分析した。
 
 
 
      このニュースはすべての全国紙に掲載されているようだ。実にノーベル賞の効果は大きいと思う。子供は将来の生活のことなんか考える必要がないから、純粋に「理想の人物像」を具体的にノーベル賞受賞者 やサッカー選手に自らを同化して考えることができるのだろう。
 
  
    自分のことを顧みても、なんと言っても1949年の日本人初の湯川秀樹博士によるノーベル物理学賞受賞の影響は強烈だった。当時小生は満8才で、高知市旭第一小学校から芦屋市宮川小学校に転校したころであった。研究内容などはなんにもわからなかったのだが、世界で賞賛される栄誉みたいなものがまぶしくて仕方がなかった。5年生の時の国語の教科書には湯川スミ夫人によるノーベル賞受賞記念式典のときの印象記が載っていたと強く記憶している。
 

                

その後大学に至るまでや大学に入ってからも湯川の随筆や対談など多くの出版物では、彼の物理の専門書は歯が立たなくても、それ以外はほとんど全部読んだ。特に「創造性」や「独創性」や「直感」に関する彼の哲学的発言には、他の内外のどの科学技術論者よりも最も強く影響を受けたと思う。
    

おかげで、将来何になりたいかなど特に考えることもなく「研究者」以外になりたいと思ったことはない。もちろん「自分が研究者に向いているだろうか」とか「研究者になるためにはどういう生活をしなければならないか」などの点については、在学中や助手になりたての時は真剣に悩んだ。
      

先日から強烈な風邪を引いているのでぼんやりとテレビを見ていたら、昨日の 超絶 凄ワザ! というNHKの番組で、「油が水ですぐ取れるまな板がほしい」という命題を出した小学生が、番組の最後に司会者から「君は将来何になりたいですか?」と問われて「研究者になりたいです」と明言していたのにはいささか感動した。子ども達にも一昔前のロマンチックな科学者像が再現してきはじめたのかもしれない。これは第一生命の調査通りにノーベル賞効果だと思ったことである。
   

  科学への投資は、将来の人材育成への投資でもあることは明らかである。過去20年間にわたって1%シーリングで国立大学の研究予算を減らし続けてどん底に落とし込み、逆に防衛予算を飛躍的に増やし、フィリピン、インドネシァ、ベトナムなどに桁違いの海外援助資金で国家予算をじゃぶじゃぶ散財し続けている安倍政権のやり方は、人材育成の面から国を内部崩壊させつつある。

    
   
      
 
(森敏)
2017-01-01 00:00 | カテゴリ:未分類

明けましておめでとうございます。 
     
  新春からえんぎでもないが、小生は最近もの忘れが非常に多くなってきた。顔は思い出してもその人の名前がどんどん頭から消えていく。高齢者が誰もが考えるように、特に脳の老化の進行を抑えたいと切実に思っている。親類にアルツハイマーで死亡した人物もいるので、なおさらである。単なるボケは一時的な記憶喪失であろうが、特にアルツは家族にばかりでなく、周囲の方々に、小生本人が自覚しないうちに、多大なる不快な思いをさせていることになるので、小生にとっては実に喫緊の課題である。

 

        と思って、最近送ってこられた日本農芸化学会の発刊する「化学と生物」をぱらぱらとめくっていたら、食品成分による脳老化改善・認知症予防の可能性 という総説が飛び込んできた。昔懐かしい生化学で習ったカルノシンやアンセリンなどという化合物の新しい機能として、認知症を遅らせる機能が発見されつつあるようで、実に慶賀の至りだと思う。

 

        以下ご参考までにあちこちから転載します。後期高齢者は必読かと。
   
1.
カルノシン と アンセリン の構造式 (:イミダゾールジペプチドと総称される)
     

カルノシン、アンセリンjpeg

 

2.

動物筋肉に多く含まれているカルノシンやアンセリンは、20世紀前半に発見されたジペプチドであるが、その研究は動物組織における分布や代謝に関するものが多かった。近年、これらは、様々な生体調節機能を有することが明らかとなってきた。わが国では、これからの高齢社会に向けて、カルノシンとアンセリンは、ヒトの健康維持に寄与する天然の機能性素材の1つとして非常に注目されている。(カルノシン・アンセリン研究会)

 

 

3.カルノシン

ヒトなどの哺乳類では、筋肉神経組織に高濃度に存在している。アヒルなどの一部の動物において N-メチルカルノシン (アンセリン)あるいはバレニンが多く見られる。生体内において酸化的ラジカル種のラジカルスカベンジャーとして働き、酸化的ストレスから保護しているといわれている。(Wikipedia)

 

 

4.アンセリン

哺乳類[1]骨格筋、および鳥類で見られるジペプチドであるヒスチジン基のイミダゾール環の酸解離定数pKa)は7.04であり、これが生理的pH水素イオン指数)の緩衝効果をもたらす[2](Wikipedia)

     

5.

「鶏肉には、高機能成分であるイミダゾールジペプチドがとても多く含まれている。特に、鶏胸肉には含有量が多く、100gあたり1gを越えるイミダゾールジペプチドが含まれている。このイミダゾールジペプチドには、筋肉の疲労を和らげる効果があることが知られていたが、筆者らが行った研究から脳老化に対しても改善効果があることがわかった。鶏胸肉は、高タンパク質で低脂肪であることから、生活習慣病が気になる高齢者にも、適した食材であると思われる。日々の食生活の中で、ほどよい頻度で鶏胸肉を摂取して頂くことを通じて、脳老化の改善が可能になると考えており、このことを証明する研究に、今後取り組みたいと思う。」{食品成分による脳老化改善・認知症予防の可能性}「化学と生物」2016年12月号)久恒辰博・東大新領域創成研究科准教授 の総説

 

 

  以上のように脳の老化の改善に、鶏の胸肉 が奨励されている。鳥肉は、ぱさぱさしてあまり小生の好みではないのだが、早速付近の安売り店で1kg購入してきたら、「こんなどこの産地かわからないものは料理しません」と家人にはけちょんけちょんだった。小生が大学に在職中にはイスラム圏からの留学生を引き受けたが、彼らは宗教上の理由と鶏肉が安価であることから、ほとんど毎食鶏肉を食べていた。統計を見たことはないのだが、案外モスレム圏の人たちにはアルツハイマーは少ないのかもしれない。是非疫学調査をして仮説を実証してもらいたいものだ。
     
  確かに、最近頻繁に鶏の胸肉を試食してみると、手羽肉と比べて胸肉は独特の粘っこいテクスチャーで、牛肉や豚肉のように、一度にあまりたくさん食べられるものではないようだ。その独特の風味こそがカルノシンやアンセリンによるものかもしれないが。胸肉をおいしくいただく調理法をホームページで勉強しなくっちゃ。しばらくは我慢して、舌が慣れるように、今年は人体実験してみようと思っている。何しろ酉年だから。

   

    


(森敏)
 
付記: そんなことテレビでガンガン紹介しているよ、と言われそうですが、小生自身はこの久恒辰博准教授の総説を読んでもっともらしいと思ったので、遅ればせながら紹介しました。


 
2016-12-28 10:03 | カテゴリ:未分類

 

(年末の朗報です)
 

http://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/jutenshien/geijutsusai/h28/pdf/h28_geijutsusai_kettei.pdf

 

平成28年度(第71回)文化庁芸術祭

テレビドキュメンタリー部門優秀賞受賞

 

日本放送協会 NHKスペシャル
 

「被曝 の森 ~原発事故5年目の記録」

  

授賞理由:
福島第一原発事故により大量の放射性物質が放出され,周辺地域は立入りが制限されている。無人の町で今,何が起きているのか,原発事故を忘れかけている5年目の貴重な現場からの報告。イノシシが町を占拠し,野生動物が住宅街で大繁殖している。目を覆うばかりの現実から目をそらさず,国内外の研究者たちの調査に密着し,最新の技術を駆使して丹念に描かれた労作。時間をかけて現実を直視し続ける貴重な記録だ。


ーーーーーーー
これには小生たちも含めて多くの現場研究者が協力しているので、良かったと思います。
NHKには来年からも引き続き原発事故の影響の追跡調査に気合を入れていただきたいと思います。

(森敏)

2016-12-08 14:14 | カテゴリ:未分類
  小生は年のせいで(:今年末から後期高齢者なかまに突入した)、放射能汚染現地調査の途中では、結構頻繁に水分を補給している。そうしないと、足の筋肉への血流が悪くなるためか、時々足がしびれるからである。だから、必然的に頻繁に尿意をもようすので、自動車を降りて道ばたから少し林内に入って、尾籠(びろう)な話で恐縮だが、立ちションベンをする羽目になる。そのときは、必然的にあたりの植生をじっと眺めることになる。もちろんかなりの放射能を浴びながら。そういうときにも結構あたらしい発見がある。
  
     
       飯舘村の 「あいの沢」 は、本来はキャンプ場であったのだが、いまは人っ子一人いない。昨年夏にここでやっと除染作業が行われた。除染といっても道路と道の両側の20メートル幅の山林の下草や土を深さ15センチばかりをとりのぞくのだから、どうしても地下茎で連なっている一部のシダ類などは、のぞき切れていない所がある。そこまで徹底的にやると作業に時間がかかって、だから除染作業員の労賃がかかるので、しかたがないからだろう。一応地表面が毎時0.23マイクロシーベルトにまで低下することを目指しているようではあるが。
  
  昨年の春、例によって小便をすべく林内に入った。数メートル入った林の中の空間線量は毎時4.5マイクロシーベルトであった。そこでは芽を出し始めたばかりの丈の低いワラビが群生していた。
      
  ワラビのいくつかを根から切り取って研究室に持ち帰って、ガイガーカウンターで測定してみると、意外に葉のベータ放射線量が高いので、それをオートラジオグラフに取ってみた(図2)。また、組織を各部位にわけて放射能を測定した(表1)。
 

 
スライド4 
 
 図1.春先の若いワラビの写真

 
スライド5 
図2.図1の若いワラビのオートラジオグラフ
   
 
 


  表1 ワラビの各部位の放射能(ベクレル/Kg乾物重)
 ワラビjpeg  



       図2で定性的に,表1で定量的に明らかなように、シダも未展開葉では若干放射性セシウム含量が高い。しかし、次の図3のように葉が全面展開したものでは、図4、図5で見るように、枝の最先端の葉は少し他より放射能が高いようだが(図5のネガテイブ画像で特に理解されると思う)、比較的放射能は全葉に均一に分布しているように見える。また、一見、左側の茎のみの部分が強く感光しているように見えるが、これは茎が葉に比べて数倍の厚みがあるので、放射能が重なって感光しているためである。


  
 
スライド1 
 図3.浪江町で採取したシダ
 
スライド2 
 
 図4.図3のシダのオートラジオグラフ ポジ画像
 
 
スライド3 
 図5.図3のートラジオグラフ。ネガ画像
 
 
  
地下茎の多年生のシダ類(ワラビはシダ類の一種)はタケノコと同じように地下系が土壌の表層直下数センチあたりを縦横にうねっていて、根がそのあたりまでに大部分が集積している「土壌の可給態の放射能」を吸収して地下系を通じてあちこちの新芽に直ちに分配輸送されるので、いつまでも地上部の放射能が高く推移する可能性が高いのである。


  

 
(森敏)
 
付記1:タケノコについては以下のブログを参照ください。
 
 2016/05/20 :
まだタケノコは要警戒: 給食のタケノコご飯から基準超のセシウム

 
付記2:シダ類の同定には 「フィールド版 写真でわかるシダ図鑑  池田怜伸 著」 トンボ出版 を参考にした。


 
 
 
  
2016-11-22 22:29 | カテゴリ:未分類
 
少し論文調になりますが、赤松が奇形になる理由について、以下に説明いたします。
    
  浪江町の津島高校分校は今は誰もいませんが、2011年3月11日東日本大震災の後に起こった、東電福島第一原発事故のあと、浪江町よりも南の市町村の人たちが、避難してきて何日間か宿泊したところです。浪江町の住民は彼らを炊き出しで支援し、自分たちもそこでかなりの被ばくをしたはずです。
     
  ここの校庭は、当時の状況を現状から考察するに、更地にして新しく山土で均平にされて余り年月がたっていなかったと思われます。3月15日にはその更地に近い山土の校庭にかなりの放射能が降雨とともに降り注いで、空間線量は毎時20マイクロシーベルト以上になったのではないかと思われます。現在毎時5マイクロシーベルト前後です。
    
  当時何も生えていなかったその校庭には現在東側の山から次第に赤松が侵入してきて、旺盛な生育を示しております。この山土は酸性で貧栄養なので、松やススキしか生えないようです。(図1)

  

   
   
スライド1 
  (図 1) 東側の斜面から赤松が優先的にランダムに侵入してきている校庭

     

    この山肌の斜面はほとんどアカマツが優先種であり、その松の10-20%ばかりが主茎になんらかの奇形を呈しています。先端部が大きく二股や3つ股に分かれて伸長しているのです。普通は一本だけがすくっと伸びるのですが。(図2、図3、図4)
  
  
 


スライド2 
(図 2) 赤松の群生地と化した東側の斜面

  
  


goyoumatsu jpeg 

(図 3) 主茎が3つ又になっている (中央部分の3本)

   

  

スライド3 
 
(図 4) 分枝が異常に多く太い枝が3本見える。普通は5-6本。
 
    
   そこで、図3の3本の奇形主茎のうち、一本を切り取ってラジオオートグラフを撮ってみました(図5)。すでに先端部は8本の幼芽をつけています。これらが次の枝や松かさになっていくのです(図7)。
    

   

スライド1 
 


(図 5) 3本の奇形枝の1本を採取した。
   
     





スライド1 
 
 


(図 6) 図5のオートラジオグラフのポジテイブ像(左)と、ネガテイブ画像(右)。 先端の葉芽の画像が圧倒的に強く放射線で感光していることがわかる。
 
   

  

スライド4 

 


  (図 7) 先端部分の拡大図  すでに8つの新芽が付いている。

      
   


 スライド5

 
 
(図 8)   図6(右)のネガテイブ画像の拡大図。葉芽が鮮明に濃く映っている。
  
     

    図6、や図8 で定性的に明らかなように、マツの幼芽はほかの組織に比べて圧倒的に放射生セシウムが濃縮しやすい場所と考えられます。事実、この枝の組織をばらしてNaIスペクトロメーターで放射性セシウムを測ると、以下のような数値となりました。新芽は1キログラム乾物重あたり13万ベクレル以上(!!)を含んでおり、これはほかの葉や幹の10倍以上の濃度です (表1)。
             
  この高く濃縮した放射能による内部被ばくと、毎時数マイクロシーベルトの外部被ばくで、ここの赤松はいまだに新芽の細胞の奇形分化が進行していると考えられます。


    
 


     表1 赤松の枝の部位別放射能 (Bq/kg乾物重) 
 
   
五葉松の放射能jpegブログ用 
 
    


   

(森敏)


 
付記1: ネガテイブ画像は加賀谷雅道カメラマン制作によるものです。NaIスペクトロメーターによる測定は広瀬農・助教(東大農学生命科学研究科)の協力によるものです。
 

付記2: 関連記事を以下のWINEPブログに載せています。クリックしてご参照ください。

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