WINEPブログ内で「 汚染土壌 」を含む記事

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2016-03-31 07:46 | カテゴリ:未分類

18日に本格運用 第一原発の焼却設備 東電廃炉作業の廃棄物減容化            

  2016・03・16福島民報 )

 東京電力は15日、福島第一原発の廃炉作業に伴い増え続けている廃棄物を減らす「雑固体廃棄物焼却設備」の本格運用を18日に始めると発表した。東電は、焼却で廃棄物の体積を20分の1程度まで減らせ、保管場の確保が課題だった使用済み防護服などの減容化につながるとしている。
 焼却設備は昨年11月に敷地内に完成した。事故前からあった設備が震災の影響で使えなくなり新設した。
 第一原発では現在、1日約7千人の作業員が働いている。廃棄物として保管されている防護服などの衣類は昨年末時点で約7万立方メートルに上っており、減容化できなければ将来的に保管場所がなくなり、新たに整備せざるを得ない恐れがあった。
 東電は2月初旬から3月初旬にかけて、実際に廃炉作業で使った防護服や手袋などを燃やす試験焼却を実施した。約42トンを処理し、排ガスなどに含まれる放射性物質の量は検出下限値未満だった。
 試験焼却をめぐっては、焼却で発生する高温の排ガスを冷やす冷却器で水滴漏れが確認され、焼却を一時中断した。
 第一原発の廃棄物には防護服などのほか、設備の解体で発生したがれき類が約17万立方メートル、伐採された木材が約9万立方メートルある。
 いずれも放射性物質で汚染されているため構外に運び出せず、敷地内で保管している。木材なども焼却し、コンクリートや金属類は細かく砕くなどして体積を小さくした上で保管する。

        

防護服などの第1原発・廃棄物焼却、18日から本格運用開始

20160316 0855分 (福島民友)          
 東京電力は15日、福島第1原発の廃炉作業に伴い増え続ける防護服などの廃棄物を燃やすための「雑固体廃棄物焼却設備」の本格運用を18日に開始すると発表した。試験焼却で排ガスの放射性物質濃度が全て検出限界値未満であることが確認されたことなどから、本格運用に着手する。

 東電によると、焼却設備には放射性物質が付着したちりの飛散を防ぐバグフィルターなどが設置されている。排気筒に設置された二つのガスモニタで、汚染された廃棄物を燃やした際の放射線量を測定したところ、一つは1.76~2.76cps(1秒当たりの放射線計測数)、もう一つは1.85~3.04cpsで、ともに焼却停止時と同等の値だった。

 試験焼却では42トンの廃棄物を燃やし、0.8トン(ドラム缶16本分)の焼却灰が発生した。焼却灰の入ったドラム缶の表面線量率は毎時7~160マイクロシーベルトで、放射性物質に汚染された廃棄物専用の固体廃棄物貯蔵庫で保管される。

               

  以上、福島民報と福島民友の記事を併記した。お互いに数値的に欠陥を補うような記事になっている。

記事のなかで、わかりやすくするために一秒間計数値(cps)から一分間計数値(60秒) (cpm)に換算すると、焼却場の2つの排ガスモニターは105.6165.6 cpmであり、111182.4 cpmで、これが焼却停止時の放射線量(バックグラウンド値)と同じだったというのだから、東電敷地内での焼却場周辺の放射線量は風向きによってまだ相当変動しているということがわかる。これを要するに、こんなにバックグラウンドが高いと、排ガスの放射能の濃度は誤差の範囲に収まってしまうということであろう。住民が住まない東電の敷地内だから堂々とやれることだ。通常のバックグラウンドは数十cpm以下である。
     

  一方、焼却灰(これには焼却飛灰をトラップした高濃度汚染バグフィルターも含まれていると思われるが)を入れたドラム缶の素材と厚みが記事には記されていないが、その外側からは毎時7160マイクロシーベルトも放射線が検出されている。これは相当高い数値である。おそらく中身は数千万ベクレル/kgであろう。
         

  この高濃度汚染灰を有するドラム缶の埋設も住民がいない東電の敷地内だから堂々とできることだ。

    

  翻って、福島県内の高濃度汚染林地の空間線量は毎時10-100マイクロシーベルトある。だから、この伝でいけば、高濃度汚染の国有林や自治体が有する林地で焼却場を設けて大々的に減容化を促進することは、当初からやるべきことであった。上気の記事に紹介されている東電の提供する資料からは 最終的に 0.8トン/42トン=1/60 の減容化率となる。ドラム缶の容積が加わるので結局 1/20 ということになるのかも知れない(だが細かい計算の詳細は記事だけからはわからない。このように世の中の新聞記事が提供する数値はいつも計算の根拠資料として非常に使いにくい)。
  
      
       

  WINEPブログでは以下のように、早くから何度も焼却による減容化の必要性を繰り返し主張してきたのだが、2016年現在でも2-3カ所を除いて焼却による減容化はなかなか現実化していない。それは、除染作業を請け負う大手建設会社(つまりゼネコン)が放射能汚染土壌の表土を5-10センチに剥いで、フレコンバッグに積み上げておく作業のほうが、お金が儲かるだからとしか考えられない。
     
  彼らがいかにもくそまじめにやっていることは「除染作業」ではなく「移染作業」であるといまや日本人ならではだれもが認識していることである。「土を掘れば経済が活性化する」という、この除染作業は昔大学の授業で習った「ケインズ経済学」のシンプルな原理を地で行っているとしか思えない。しかしこれは途方もない税金の垂れ流しである。早くまじめに減容化の流れを作れといいたい。

                 
 
·  2015/11/21 : NHKスペシャル シリーズ東日本大震災 追跡原発事故のゴミ
·  2014/06/30 :
意外に早く「放射能汚染土壌の減容化技術」は達成するかもしれない

·  2014/01/26 : この選別の原理はなんですかね?

·  2013/06/24 : 研究者は環境放射能の除染廃棄物の減容化研究をもっと真剣にやるべきだ

2012/08/29 : 再論:ロータリーキルンによる放射性セシウム汚染土壌の減容化について

2012/03/24 : 環境省による減容化実験の公募採択課題について

·  2012/02/22 : 今度こそ本物であってほしい

2012/01/20 : 「灰は危険」とばかり言わずにそこから「教訓」を導き出すべきだ

·  2012/01/03 : 大成建設はやる気らしい

·  2011/09/03 : 提案17:放射性セシウム濃厚汚染表土は汚染現場で焼却処理すべきである

          
(森敏)
付記:みなさま、今回の記事と直接関係はありませんが、タンポポの奇形観察をお忘れなく。
2016/03/10 :
タンポポの奇形をお見逃しなく :観察次第ご連絡ください (クリックどうぞ)
 

 

 

 

 


2015-11-18 07:13 | カテゴリ:未分類

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 南西 全面セイタカアワダチソウ群落。遠方左にセイタカアワダチソウ群落にススキが侵入し始めている。
 
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西 全面セイタカアワダチソウの群落。
   
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 北西 全面セイタカアワダチソウの群落。

  
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   全面セイタカアワダチソウの群落。

            
      原発事故の翌年は、飯舘村の農家は水田耕作が再開できるものとを期待して雑草を刈り込んでいたのだが、土壌の放射線量が高すぎて、国に耕作を全面禁止された。その後、この耕作放棄田には、セイタカアワダチソウやタンポポやオオマツヨイグサの群落が急速に蔓延した。しかし、最近はめっきり少なくなっている。除染でそういう種子が土と共に全部えぐり取られたからだと思われる。

        

現在、飯舘村では急速な除染が進み水田が「除染土壌入りの黒い1トンのフレコンバック」の仮置き場(集積場)になっているか、除染されて山土で客土された水田も耕作放置されたままになっている。そのせっかく客土された水田も農家の帰村がなされていないので、耕作されないでマツバイやカヤツリグサが侵入して土壌除染の年度が古い水田から順次雑草で見えなくなっている。すでに、ヨシ・アシがはびこっているところがある。
             
  その一方で浪江町など、いまだに住民が全く帰還していないで、ほぼ耕地の全面積が手つかずのママの水田や牧草地では、「人の手が加わった植生」から「自然の植生」への変遷(サクセッション)が見事に表現され、現在進行形である。浪江町の現状は、植物生態学者にとって、格好の植物遷移の研究のフィールドになっているのである。
 

         
  上に示す4枚の写真は、橋の袂から180度にわたって撮った全面がセイタカアワダチソウの水田である。すでにススキが侵入し始めている。これ以外にも山間部の常時湿田である田圃はオノエヤナギやイヌコリヤナギが3メートルを超える水田跡地の群落が散見される。これらの植物は比較的耐湿性であるので他の植生を駆逐して跋扈(ばっこ)しているのだと思われる。すでに樹下には太陽光線が当たらないので一年生の雑草を駆逐してしまっている。何もしないとそのままで安定した植物相でいくのだろう。
           
  昨年2014年と今年2015年には飯舘村ばかりでなく浪江町でもタンポポの調査を行った。飯舘村では除染が猛烈な勢いで行われ始めたので、水田や牧草地が山土で客土されてタンポポが急速に消滅し、調査にならなくなった。そこでより福島第一原発に近い浪江町にまで触手を伸ばして調査をしたところ、浪江町ではなぜかタンポポが非常にすくなかった。浪江町では水田の除染がほとんど手づかずであるにもかかわらずである。なぜだろうと考え続けているのだが、その疑問が徐々に解け始めている。
         
   タンポポはそもそも明るい空間を好む。原発暴発当初の2011年3月11日-20日は農家は地震や津浪で避難はしたが、水田自体は前年度に稲刈りをして、春先の田植えに備えて、一部では田んぼをすでに耕起していたところがあったのである。また、一部では田んぼの裏作にムギを植えており、まだムギを収穫していなかった。だから2011年当初の水田の植生は田んぼごとに区区であった。放射能汚染土壌での耕作は禁止され稲作は行われなかった。しかし、2011年の秋には農家は放射能汚染水田でも一応美観の為にも猛烈にびこった一年生の雑草刈りを行ったところが多い。そういう水田では、2012年には開放空間を好むタンポポ、セイタカアワダチソウ、おおまつよいぐさなどがいっせいに繁殖したのである。そのあとの年次からは、ヨモギ、ブタクサ、ヨシ、ススキなどが徐々に侵入してきた。すなわち2014年の時点では浪江町では明るい太陽のもとでしか生えないタンポポはすでに駆逐されつつあったのだと思われる。
           
  こいうところでも、もういちど雑草を刈り取り、さら地にして放置すると、またタンポポが繁殖してくるのだと思う。上図のような平場の水田では、いままさにセイタカアワダチソウからススキやヨシなどのイネ科の植生に代わりつつある。ヤナギなどの灌木は一本当たりの種子の数が一年生の雑草に比べて圧倒的に少なく、山から飛んでこなければいけないので、こういう平場では徐々に侵入してくるのだろうと思われる。

     
  以上のような理由で、われわれが2012年から追及している「タンポポの帯化」奇形 の発生率が飯舘村よりも浪江町のほうが高いのではないかという予想を証明する手がかりが、いまだにえられていない。
    
  生態調査は一筋縄ではいかない事を実感させられている。
   
    
(森敏) 
 
付記:タンポポの群落の写真は過去にたくさん撮っているが、WINEPブログでは 

タンポポの多様な奇形花房発見!! :植物に対する放射線の影響(II)

を参照ください。
2015-07-24 22:23 | カテゴリ:未分類
   飯舘村比曽地区には広大な放射能汚染土壌の仮置き場が形成されつつある(図1)。側面にかけられていたはしごを上がって上から見てみると、実に壮観で、とても一枚のカメラの視野には納まらない(図2)。まさに現代版「賽の河原」を地で行っている。

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図1.仮置き場の側面図(黒い一袋が1立方メートルを5段に積み上げている)
 


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図2.汚染土壌仮置き場の上からの眺めの一部。右側にさらに広がっている。

 
  
  一方で川俣町では太陽光パネルが道路脇の傾斜地に壮大な面積で敷き詰められていた(図3)。汚染田畑の除染後、農業をやっても採算が取れないし、若い農家が帰って来る気力が失われつつあるので、太陽光発電や、そのエネルギーを使った植物工場などの試みが行われつつある。いずれも、事業の立ち上げに公的資金の支援がなければとても農家や農協の自力でのこういう新しい試みは不可能である。
  
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図3.太陽光パネル
     
  早くもこの再生可能エネルギーの試みは、下記の記事に見るように、浪江町では東北電力、と言うよりは政府の原発再稼働方針のために頓挫したようだ。が、この川俣町の場合は是非成功させてもらいたいものだ。どれだけの雇用を生み出せているのか知らないが。壮大なる廃墟にならないことを祈りたい。

                   

浪江町の太陽光発電事業白紙に 売電量減、費用増で

 東京電力福島第一原発事故で全町避難している浪江町が「復興まちづくり計画」に盛り込んでいた農地への太陽光発電設備設置事業が白紙になった。22日、二本松市の町役場二本松事務所で開いた町議会全員協議会で馬場有町長が明らかにした。
 町によると、事業は棚塩、請戸両地区の農地計約150ヘクタールの地上約4メートルに太陽光発電パネルを設置し、下部はそのまま農地として活用する計画だった。スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー(東京)が事業主体だが、町は地権者への同意取得に協力するなど連携して取り組んでいた。
 売電先の東北電力の買い取り可能量が当初の予定から大幅に減ったことをはじめ、地盤が軟弱で設置費用が予定を上回ることが発覚したため、ス社側が「採算性が見込めない」と判断。町と協議し、事業断念が決まったという。
 借地の同意を得ていた事業予定地の地権者には8月上旬、町と事業者が謝罪した上で経緯を説明する。
 全員協議会で馬場町長は「見通しが甘かった」と非を認め、予定地については町農業再生プログラムに基づいた農地保全などに取り組む考えを示した。議員からは「政策判断のミスだ」「復興計画の見直しをするべき」などと指摘する声が上がった。

2015/07/23 09:00 カテゴリー:福島民報)
   
(森敏)

   

2015-06-11 17:42 | カテゴリ:未分類
 
 
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 (図1)多数の松カサを付けて枯れた松の木(品種不明)
 
 
 
 
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(図2)松カサを増やしながら枯れ始めた松の木(写真が横になっております)

 

  松や杉が赤枯れする現象は、飯舘村や浪江町でいまでも散見される。枯れ始めた松の木にリボンを巻き付けるなりしてマークして、原発事故以来直ちに定点観測態勢に入っていれば、その赤枯れの傾向がつかめるかも知れないが、林野庁はそういうことをやっているだろうか?小生が情報を積極的に取りに行っていないからかもしれないが、そういう研究報告を聞かない。

 

  2012年に渡利地区の林に入ったときは原発事故以前にマツノザイセンチュウにやられたと思われる松の立ち木にマーカーが付けられていたし、一部は切り倒されて丁寧に集積されていた。原発事故後は福島ではこの「森林保全」などという課題は吹っ飛んでしまって、林野庁は全てをあきらめているのかも知れないが、松と杉の放射線感受性の違いなどが本当かどうかなど、今でなければ出来ない生態学的な観察課題に挑戦すべきだと思う。それこそ話題のドローンなどを、定期的に飛ばして、上空から樹木の枯れ具合を毎年定点観測をしたらいかがかと思う。小生も素人ながらいつも気にしているのだが、どうしても地上からの見上げる樹木の観察には全体の状況を把握できないので、観察に限界がある。

 

  以前にこのWINEPブログで書いたことがあるが、松は杉よりも細胞の核が大きいので、染色体を通過する放射線による被曝過程が長いので、それだけ放射線にやられやすい、とチェリノブイリ事故の研究者により解釈されている。チェリノブイリでは松林は 赤い林(red forest)と呼ばれるぐらい松の木に対するダメージが大きかったようである。(この赤い林は動画で残されている)

 

  今回図1に見るように、浪江町で完全に赤枯れしている松を見つけた(といっても道路脇なのでだれでもわかるのだが)。この枯れ松は異常な数の松カサを付けたままの立ち枯れである。ざっと数えて一本の樹に2万個以上の松カサを付けている。この斜面は南側が広い放棄水田跡地の開放空間の端なので原発からの放射性プルームがもろにぶち当たったところではないかと思われる。図2に見るように、もう一本の松の木も枯れ始めていた。こちらの方も松カサを増やしながら徐々に枯れて行きつつあるようである。後ろの山の杉林も南面の小枝がすこし枯れ始めていた。
 
  松が枯れるときは子孫を残すために最大のエネルギーを使って次世代の松カサの数を増やし、そこの種子に栄養を転流しているかのようである。その種子が放射能汚染土壌で発芽するのかどうかは分からないが、実に涙ぐましい努力だと思う。ちなみにここの松の木の下の土壌表層の放射線量は毎時12マイクロシーベルトであった。当初の高濃度の短半減期(8日)の放射性ヨーソ (I-131)、と半減期の長い放射性セシウム(Cs-137 30年、Cs-134 2年)の強い傷害を受けたのちも、継続するこれらの放射性セシウムの影響で徐々に弱っていったのではないだろうか。他の除染していない樹木も全て多かれ少なかれ、おなじ放射線被曝下にあるので劇的な微分的変化としては、素人目には見えないが、状況は今も現在進行形である。
     
(森敏)
追記:後で現地写真を詳細にしらべていたら以下のような若いスギにも異常な枯れ方が進行していることが分かった。写真には写っていないが、この背景にある高木の旧い年代の杉はことごとく先端から雌果を付けて枯れ始めている。
 
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2015-04-20 21:26 | カテゴリ:未分類

  以下に示すのは2014年11月に採取した福島県浪江町の道路わきの背の高さが30センチ弱のヨモギ(図1)とそのオートラジオグラフ(図2、図3)である。土壌表層の放射線量は毎時15マイクロシーベルトを示した。

  実際のところ現地に生えている植物を根を切らずにまるごと採取するのはなかなか難しい。土壌が強度に放射能汚染しているので、植物を採取するときに、土壌で植物体を再汚染させないように掘り取らねばならないからである。

  秋枯れし始めたヨモギを10本ばかり丁寧にスコップで周りから深くすくいとるように掘るのに挑戦したが、ことごとく細根を破損した。しかしその中でも、いくつかの根の先端を無傷で採取できた株があったので、土を丁寧に振るい落としてオートラジオグラフをとってみた。

  ヨモギが生えている根の基部2-3ミリの深さの土壌にしか放射性セシウムは存在していないので、その土壌と接触している根の部位から吸収した放射性性セシウムが、地上部へばかりでなく、根の先端方向にも積極的に移行しているのかどうかを、きちんとオートラジオグラフで可視化して確かめたかったのである。
 
  結果は図3の拡大図に示すように予想通り2本の根の先端が相対的に濃く映っていた。放射能汚染土壌部位と接触する根基部から吸収されたセシウムが、確かに地上部の葉(図2)ばかりでなく、根の先端(図3)にも移行していたのである。セシウムはカリウムと同様に根の先端細胞分裂組織に積極的に取り込まれているのである。
 
  研究者は、こんな一見つまらない些細なことにも興味を覚える人種なのである。


 
   


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図1. 現地で根から掘り出したヨモギ
 

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図2.上記ヨモギのオートラジオグラフ. 根の基部の強く黒く感光している部位は、付着した汚染土壌が取り切れていないためである。地上部の葉の黒点は外部被ばくで、道路わきなので車などによる汚染土壌の舞い上がりによるものと思われる。




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図3.上記オートグラフの根の先端部分を拡大したもの。先端が強く標識されている。
 
 
(森敏)
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