2014-05-12 21:10 | カテゴリ:未分類

去る20142月に、北関東地方周辺などで記録的な降雪や雪害が起こった。27日から9日、次いで11日、14日から16日にかけてと降雪が続き、関東平野で数十センチ、内陸部では1メートルを超す積雪となり、多くの森林の樹木が倒れた。その結果東電福島第一原発からの放射能で被爆していた樹皮から放射能が物理的に解離したり、放射能被ばく土壌が動きそれらが湖沼に流れ込んだ可能性が高い。以下の事変は、まだまだ自然条件の激変(かく乱要因)によって、環境の残留放射能が予測不能な動きをするので、3年たったからと言って生物体内の放射能汚染が十分低下し定常化したと考えるべきではないことを強く示している。 

 今後もダムや堰やため池などに豪雨天変地異によって濁流が流れ込むことがありうることを十分に警戒しておく必要がある。その意味においてため池の除染は個々の条件を慎重に検討すべき難題である。

  


  

 

北茨城のヤマメ セシウム基準超え 県が販売自粛要請

(東京新聞2014.3.21.)

 

県は20日、北茨城市の花園川水沼ダム上流で16日に採取したヤマメが、基準値(一キロ当たり100ベクレル)を超える同110ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。 県は大北川漁協(北茨城市)に、水沼ダム上流で採れたヤマメの出荷、販売を自粛するよう要請した。4月1日の渓流釣り解禁を検査用の採取のため、ヤマメは流通していない。この地点のヤマメは昨年3月から出荷、販売の自粛が解除されていた。

   

赤城大沼ワカサギ再び持ち帰り禁止 群馬県が要請 

(東京新聞2014年3月21日)

 

放射性セシウムが検出されていた赤城大沼(前橋市)のワカサギの持ち帰りを14日に解禁した群馬県は21日、再び持ち帰らないよう釣り客などに求めた。期間は21日から氷上穴釣りのシーズンが終わる31日まで。 県によると、ワカサギのセシウム濃度は今年に入り、一キロ当たり100ベクレルの食品の基準値を8週連続で下回った。しかし、20日に水産庁から、最近の検査でも80ベクレルを超えており、持ち帰り解禁には50ベクレルを安定的に下回る必要があるとの指導を受けた。県は「安全性は損なわれていない。事前に水産庁に相談せず、地元に迷惑をかけた」と謝罪。赤城大沼漁業協同組合の青木泰孝組合長は「安全を第一として我慢したい」と話した。

 
 
 

(森敏)

付記:この東京新聞の2本の記事は読者からの紹介で、転載するものです。
2014-03-30 16:34 | カテゴリ:未分類

原子力政策の弊害を指摘 学会事故調が最終報告

 日本原子力学会(堀池寛会長)の「春の年会」は26日、東京・東京都市大で開幕し、同学会の原発事故調査委員会(学会事故調)の最終報告書が説明された。東京電力福島第1原発事故の背景について「過酷事故が起こり得ないという(誤った)予断が、地元への説明や訴訟対策、安全規制の一貫性といった(原子力政策を進めるための)理由で正当化されてきた」として、安全神話に立脚した原子力政策そのものの弊害を指摘した。
 原発事故対策について、欧米は事故が起きた場合の住民避難など被害を最小限に食い止める原子力防災の考え(深層防護)が一般的なのに対し、日本は事故が起きないようにする対策にとどまっていたと指摘。原子力災害を特別視せず、台風などの自然災害などと合わせた統合的な防災対策が必要と提言した。
(2014年3月27日 福島民友ニュース)

 
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泉田裕彦 新潟県知事は
「福島第一原発事故の根本的な技術的な解明ができていない上に、今後の事故発生時の住民避難対策ができていない。なのに、なぜ柏崎刈谷原発が東電の再稼働候補なのだ」
と東電や国の動きに対して激しく反発している.
 

原発暴発3年たって結論が出された原子力学会の事故調の報告書が、全面的に原子力学会会員に支持されているのならば、泉田新潟県知事の抵抗に対して、大いに原子力学会は支援のエールを送るべきではないだろうか? 現在進行形の原子力行政に対して組織として積極的に発言すべきではないのか? 自分たちの組織の自己弁護ばかり述べるばかりが能ではないだろう。政府による原子力政策は時々刻々進行しているのだから。
 

原子力基本法と共に共棲している原子力学会は3年たってやっとこの結論に達したということだ。「原発暴発時の実行可能性のある住民避難対策の必要性」に関しては、早くから政府事故調(平成24年7月23日に最終報告を提出している)の委員であった柳田邦男氏が叫び続けていることである。
 

原子力基本法は今だにもたもたして本質的な改訂が行われていない。原子力学会はいろんな意味で戦前の巨大技術の結晶「戦艦大和」的な組織体だ。融通の聞かない戦艦ヤマトは時代に遅れて、死出の旅に出てレダー探知などの近代技術を駆使した空爆で撃沈れさたが、重厚長大の原子力発電は地震津波という天災で自爆自沈した。
  

この原子力発電を推進してきた原子力学会は、
「原発事故時の住民避難対策を確立して住民被害を最小限に食い止める体制の整備さえできれば、原子力規制委員会の条件をクリアした原発再稼働は否定すべきでない」という立場を崩していないのかもしれない。原子力学会は自沈(自壊)を恐れて組織の再生に賭けているのだろうが、組織の中から当該組織自身を自己否定することは不可能だということだ。

 

原子力学会のホームページには中間報告書は開示されているが最終報告書がなぜかまだ開示されていない。原子力学会の報告会では冊子体で配布されたらしいが。
 
    
(管窺)
 

追記:その後福島民報にこんな論説が出ました。以下転載です。核心を突いていると思います。(森敏)
 

 【原発再稼働】本県の教訓生かせ(4月5日)
 
原子力規制委員会は原発の再稼働で、九州電力川内[せんだい]1、2号機(鹿児島県)の審査を優先して進めると決めた。3日には地震、津波対策の状況を確認する現地調査を終えた。川内原発が最初に審査に合格し、新規制基準に基づく再稼働第一号となる公算が大きい。電力需要が高まる夏までに運転の可能性もある。
 基本となる地震や津波など立地の問題は一応、基準を満たしたという。ただ、東京電力福島第一原発のような過酷事故の備えは不十分との指摘もある。住民が安全に避難できるか疑問だ。本県の教訓をしっかり生かすべきだ。
 原発の新規制基準は、原発事故の反省を踏まえて従来の規制基準を大幅に厳格化し、昨年7月に施行した。過酷事故対策や航空機による衝突などテロ対策が加わり、地震・津波対策を強化した。川内を含む6原発の再稼働に向けた審査が先行している。審査が終われば原発が次々に動きだす可能性もある。
 昨年12月現在、原発30キロ圏21道府県の135市町村のうち、策定を義務づけられている住民避難計画ができたのは、4割の53市町村だけだ。専門家の試算では、原発で事故が起きた場合、圏内の住民がマイカーやバスで圏外に避難するのに8時間から2日半ほどかかる。
 共同通信社のアンケートでは、30キロ圏の道府県と市町村156自治体のうち、規制委が審査を終えれば原発の再稼働を「容認する」と答えたのは、条件付きを含めても約2割の37自治体にとどまった。地元は不安なのだ。
 元政府事故調委員長の畑村洋太郎氏は、避難困難な事例に事故当時の富岡町の渋滞を挙げ「(避難)計画の正当性が確認されてから再稼働の議論をすべき」と指摘する。
 国会事故調委員長だった黒川清氏は、国際原子力機関(IAEA)が提唱する「五層の多重防護」について「(国内の原発で)やっていない所はたくさんある。3年たっても何も変わっていない」と批判する。元民間事故調委員長の北沢宏一氏は「原発事故の確率を減らすだけでなく、事故の拡大防止もしっかり検討すべき」とする。
 安倍晋三首相は原発の新規制基準で「世界最高水準の安全性」を何度も強調するが、新たな「安全神話」に聞こえる。事故拡大防止策を規制委任せにし、避難計画策定を自治体に丸投げしてはいけない。安全の掛け声だけでは、人は守れない。県民が「あの日」から味わった恐怖や不安を、二度と誰にも、体験させたくない。(小池 公祐)

2014/04/05 08:48 カテゴリー:論説

2013-10-15 09:35 | カテゴリ:未分類

焼却灰からセシウム分離 県とIAEA 来年中にも実証実験

 県と国際原子力機構(IAEA)は平成26年中にも、ごみ処理施設などで出る焼却灰から放射性セシウムを分離する実証実験に入る。県内では現在、約13万トンに上る焼却灰の受け入れ先が決まらず、今後も増える見通し。自治体などは保管場所確保に苦慮しており、昨年締結した両者の国際協力プロジェクトの一環として取り組む。セシウムを焼却ガスに取り込み、灰に残さない焼却法を確立する。実現すれば、埋め立てや工業用資材としての再利用が進むと期待される。
 県とIAEAが検討する処理工程は【図】の通り。可燃ごみなど廃棄物を焼却する際に温度調整し、セシウムが動きやすい状態とする。さらに、薬剤でセシウムを化学反応させ、焼却により発生するガスに濃縮して含ませる。ガスはフィルターで捕捉され、冷めて燃え残りとなる。炉内の焼却灰にセシウムはほとんど含まれない。
 IAEAは放射性物質の研究を積み重ねており、県内のごみ処理施設で実施することは十分、可能とみている。県は今月末、担当者をウィーンのIAEA本部に派遣し具体的な協議に入る予定だ。26年中にも県内のごみ処理施設で実証実験に入り、成果が出れば本格実施に移行する。
 この焼却法では、全体量の7割が焼却灰に、3割がセシウムを含む燃え残りとなる。
 放射性物質汚染対処特措法の規定で、セシウムが1キロ当たり8000ベクレル以下の焼却灰は、埋め立て処分やアスファルト材などへの再利用が可能だ。8000ベクレル超~10万ベクレル以下は富岡町の管理型処分場に運び込む計画となっている。
 県は市町村と連携し、焼却灰の安全性を訴え、埋め立てや再利用を加速させる。燃え残りはセシウム濃度が8000ベクレルを超えるとみられ、中間貯蔵施設か富岡町の管理型処分場に搬入することを想定している。
 県によると、県内の自治体や衛生処理組合などの約20のごみ焼却施設では8月末現在、13万2000トンの焼却灰が処分できず、施設内などに保管されている。
 内訳は8000ベクレル以下が4万7000トン、8000ベクレル超~10万ベクレル以下が8万5000トン。
 放射線の影響を懸念し、建設資材として引き取る業者は極めて少ない。一方、富岡町は搬入に同意しておらず、比較的放射線量が高い県北や県中地区のごみ処理施設を中心に焼却灰がたまり続けている。
 県とIAEAは、こうした現状を打開しようと、今後の焼却処分の過程で発生する焼却灰からセシウムを取り除く技術を開発する。
 廃棄物処理が専門の高岡昌輝京都大大学院地球環境学堂教授は「分離操作が実現できれば、灰の処理はしやすくなる」とした上で、「わずかにセシウムが含まれる灰の処分に向け、住民理解を進めることも重要」と指摘している。
  ◇    ◇
 これまでに、ごみ処理施設にたまった13万2000トンからセシウムを分離する方法は見いだされておらず、県生活環境部は「国も処分に協力してほしい」としている。

2013/10/14 08:56 福島民報 )

 
 

 
以上の記事は、福島県として放射性焼却灰の減容化に向けての非常に重要な動きなんだが、いかんせん、記事の記述内容が、科学的に不正確で、言っていることに矛盾があり、細かいところでは正確に理解できない。(2つの赤字を比べてください)

そこで、ここで提案されている除染技法を自己流に、好意的に解釈すると、これは従来のごみ処理施設から出て埋せつ基準値オーバーのために大量に保管されている放射性焼却灰を、燃焼助剤として塩化カルシウムや廃塩化ビニルを用いて、超高温(1300度以上)で熱し、ほぼ100%揮散した放射性セシウムを排気口に設置したバグフィルターで捕捉して、ほぼ100%回収するというものだと思われる。この手法は以前にも口を酸っぱくしてこのブログでも何回か紹介されている。基本的に一番最初に「太平洋セメント」が開発している技法である。 まだスケールアップに至っていないようだが。
 
2013/06/24 : 研究者は環境放射能の除染廃棄物の減容化研究をもっと真剣にやるべきだ

IAEAがこの技術を持っているとは思われないが、福島県はIAEAの権威を借りて、住民の理解を得たいのだろうと思う。日本で開発されつつある技術にもかかわらず、なぜかIAEAの権威を使いたがるのも、少し情けないことである。 
  
 
事故の当初から、IAEAのメンバーは何度も、福島を訪れているが、具体的に廃炉技術や除染技術で貢献できたとういう話を聞いたことがない。IAEAとしても福島でよく勉強しておきたいのだろう。なぜか日本のマスコミはIAEAを持ち上げるので、国民も信頼しているようだ。

IAEAは核査察には権威があるが、廃炉や除染にはあまり役に立つとは思えない。基本的立場が原発推進なんだから。天野事務局長の話を虚心に聞くと、言葉の端々に、「世界の原発稼働の安全安心のために廃炉技術や除染技術の開発が必要である」と強調していることがわかるだろう。
  
この太平洋セメントが開発した技法は、他のゼネコンの技術開発が遅れているので、ほかのゼネコンの実力が向上して共同歩調をそろえるまで、経産省(か環境省)がゴーサインをなかなかださないでいるといううわさを聞いている(あくまでうわさだが)。 ごみ処理施設は膨大な焼却灰の減容化に困っているのだが、農地や宅地をゼネコンとしては、ちんたらと除染しておいたほうが、黙って長期にわたって膨大な棚ボタ式に除染のための復興予算が年間何千億円も入ってくるので、ゼネコンの本心としてはそんなに減容化を急がなくてもいいのである。
 

(管窺)

追記:たとえば以下に示すイランの核開発査察などに関しては、IAEAは権威を確保している。

IAEAがイラン重水施設を査察 合意を一部履行
(12/08 16:19)

 【テヘラン共同】国際原子力機関(IAEA)は8日、イラン西部アラクで建設中の実験用重水炉に使う重水の生産施設を査察した。同施設への査察は2011年8月以来。イランとIAEAが11月に合意した内容の初めての履行で、IAEAはイランの核兵器開発疑惑の全容解明に向けた一歩にしたい考えだ。

 今回の査察は、IAEAの天野之弥事務局長が11月11日にイランの首都テヘランを訪問し、サレヒ副大統領兼原子力庁長官との間で合意した。

 

2013-09-20 08:05 | カテゴリ:未分類

    以下の原子力規制委員会の提案は、小生が201157日に東大の生産技術研究所の浦環教授に提案したものと同じである。それが2年たってやっと技術的に実現可能な段階に来たということである。水中放射能検出器が作成されたからである。測定はやるなら東電福島第一原発周辺海域から早くやるべきです。複数の船で並行してやれば、すぐにでも詳細なデータが得られるだろう。

 

 

福島沖1千平方キロの海底調査 規制委、汚染状況把握へ

2013918 1814

 原子力規制委員会は18日、東京電力福島第1原発事故による海底の汚染状況を把握するため、福島県沖の約1千平方キロで海底の放射性セシウム濃度の測定調査を始めた。周辺海域ではこれまで研究機関などが地点ごとの調査を実施したことはあるが、規制委はセシウムの拡散状況を面的に分析することで、魚介類の安全性を判断する際の基礎データとする狙いがある。


(森敏)

付記:この間の経緯は以下の通りです。
2013-09-01 08:56 | カテゴリ:未分類

下記のNHKの記事にある東北大学の石井慶造教授は、2011年3月の東電福島第一原発暴発直後から、東北大学のRIセンターのGe半導体測定器を現地自治体に貸与したり、水田の作土の撹拌上澄み除去による放射性セシウム除染法を提案したり、なかなか精力的に活躍されている。

 

今回の石井教授らによる「魚体の放射性セシウムの連続自動計測装置」の開発は、測定現場を見ていないので問題点などが完全に解決されているかどうかが小生には定かではないが、完成すれば画期的だと思う。現在福島県で稲作農民に行われて大いに活躍している「米俵のベルトコンベアー方式の連続セシウム測定法」と同じく、これが漁業者に普及すれば、魚を食べる消費者にとっては安心安全を保証されるだろう。
  食品の費目ごとのこういう連続測定装置の普及が国民的には今後も絶対に必要である。(たとえば、下記の記事のように日立造船は「あんぽ柿への連続測定装置」の開発をしている)

 

  現在、とんでもない冷却原子炉汚染水の漏水による沿岸の放射能汚染が止まらないが、東電福島第一原発近傍の沿岸各所を立体空間的に区分けして、それぞれから大量にとってきた魚を、この石井教授らが開発している検出器で1週間ごとぐらいの頻度で検定すれば、魚の汚染の実態がかなり詳細に明らかになるだろう。

 

  しかし、留意しなければならないことは、この手法でも魚の放射性セシウムは測れても、ベータ線核種である放射性ストロンチウムやトリチウムは測れないことである。お米の場合は放射性セシウムのチェックで十分だが、WINEPブログで何度も述べてきたように、セシウムばかりでなくストロンチウムも原子炉冷却水として(いわゆる冷却水ではなく原子炉の中を通ってウランと接触してセシウム-137、セシウム-134、と等量のストロンチウム-89 、ストロンチウム-90を溶かして)、それが原子炉の割れ目からざざ漏れになって出てきているはずだからである。沿岸に拡散したストロンチウムは魚の骨に沈着しているはずであるが、いまだに、そのデータがあまり出てこないのが不思議である。この観点からすれば、頭ごと食べる稚魚は今でも安全性が確認されているとは言えないのではないか



魚の放射性セシウム濃度測定に新装置(NHK,831420分)

水揚げされた魚の放射性セシウムの濃度を検査する際に、魚を砕かずに一度に大量に検査できる新しい装置が宮城県石巻市の魚市場に完成し、来月上旬から運用が始まる見通しです。

新しい装置は長さおよそ12メートルのベルトコンベヤーに魚を乗せたまま、120個の検出器で放射性セシウムの濃度を自動的に測定するもので、30日に開発に当たった東北大学工学研究科の石井慶造教授が石巻市の魚市場で装置を披露しました。
これまでの検査では、同じ種類の一定の量の魚をミキサーで砕いて装置に入れる必要があり、検査で使った魚は出荷できませんでしたが、新しい装置では魚を砕かずに検査でき、異常がなければ、そのまま出荷できるということです。
また1時間に最大で1400匹の魚を検査する能力があり、1種類の魚で40分程度かかっていた検査のスピードが格段に向上するということです。
魚市場では従来の検査に加え、来月上旬から新たな装置を運用し、独自の検査を行うことにしています。
石巻魚市場の須能邦雄社長は「直接、消費者の口に入る魚を測定することができるので、今まで以上に安全の証明ができる。まずは日本国内で不安を払拭(ふっしょく)して世界に日本の魚をアピールしたい」と話しています。  
 

 非破壊式検査機16台想定 県、あんぽ柿出荷へ導入

解体せずに、あんぽ柿の放射性物質を調べる非破壊式検査機器の開発に取り組む県は、平成25年度、16台前後の導入を想定している。27日の県議会農林水産委で示した。
 測定器は伊達地方のJAの集荷場などに配置し、全量を調べる。箱詰めされた状態で検査し、1箱当たり2分程度の測定時間で放射性セシウム濃度が分かる見通し。現在、県の支援を受けた企業が開発を進めており、購入費は約8億円を見込んでいる。検査に伴う人件費などは東京電力に損害賠償として請求する。
 県は7月下旬に全農家の原料柿を調査し、セシウムが低い地域の柿のみを使う。セシウムは加工時に4~5倍程度に濃縮されるため、県などは加工後に食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えないよう、原料柿の使用基準をセシウム10ベクレル以下とする方向で調整している。
 25年度の出荷目標は約800トンに設定した。22年度実績の半分で、測定器16台で対応できるという。

2013/06/28 11:10 福島民報

 


(森敏)
追記1:読者から親切に、魚の放射性ストロンチウムの測定データを紹介されたので、ここに紹介いたします。アクセスしてください。

 http://konstantin.cocolog-nifty.com/blog/files/Sr_suisei.pdf

追記2:石井教授が以下のブログ記事(緑亭通信150401)でぼろくそに住民から非難されています。石井先生はどこで変節したんでしょうね(ご自分では「私は変わっていませんよ」という声が聞こえてきそうですが)。工学者が人体の安全性に関して社会に発信することは土台無理があります。己の分をわきまえないと。 (2015年4月2日記)

原子力市民委員会の汚染地域ヒアリングで

宮城県丸森町を訪問しました。

宮城県最南端の町で、福島原発から約50キロ、

福島県並みの放射能汚染を被ったにもかかわらず、

福島県並みの賠償が受けられていない町です。

朝日新聞の「プロメテウスの罠」で報道されたのは、

丸森町でもさらに最南端の筆甫地区でした。

福島県側の汚染を調査していた政府委託の調査チームが

知らないうちに県境を越えて筆甫地区に入り込んでしまい、

村人からここは宮城県だと教えられて、

測定をやめて引き返していったという逸話のある地域です。

その筆甫地区は丸森町内でも最も厳しく汚染された地域です。

弘前大学のチームが福島調査の帰路に寄ってくれて

測ってくれた空間線量は6.4μSv/h3/19)だったそうですから

福島でも高線量地域に相当する汚染です。

ところが、宮城県が発表した空間線量は汚染が少なかった丸森町役場付近のもの、

文科省も福島県だけ測って、宮城県を測りませんでした。

筆甫の人々は町役場に何度も放射線の測定を要望しましたが聞き入れられず

4月になって自前でようやくウクライナ製のGM管タイプの

線量計を買って測りはじめましたが、

宮城県は「測る必要なし」と言い、丸森町長さえ

「測定値に惑わされるな」という態度で、

測ることがはばかられる雰囲気だったそうです。

(役場が測った空間線量率が公表されるようになったのは7月になってからだそうです。)

また、東北大学工学部教授の石井慶造(放射線工学)が420日に来て、

「キノコも食べて良い」などと講演したそうです。

福島県では山下俊一らが暗躍しましたが、

宮城県ではこういう御用学者が跋扈したのです。

国、東電、知事、役場、御用学者から無視され、威嚇され、騙されながら

筆甫の人々は闘ってきました。

例えば、丸森町内の空間線量率汚染マップを作成しました。

ベラルーシ製の食品放射能測定器(ATOMTEX)を集めたカンパで購入して

20125月から測定を始めましたが、

役場は国産の放射能測定器(ALOKA)を買っているのに初めのうちはデータを公開しませんでした。

(この頃、名古屋のCラボに、

丸森町の玄米の測定値がおかしいからクロスチェックしてほしいとの依頼があり、

測ってみると、約2分の1という誤ったデータを出していたことがわかりました。

Cラボが同じ機種を持っていることをどこかで聞いて依頼してきたようでした。)

 

201111月、汚染地域住民に対して支払われる賠償金支払い対象から宮城県は外されました。

20121月に東電を呼んで、町役場や町議会が加わって賠償要求した結果

福島県内の半額が支払われることになったそうです。

筆甫の人々はこれを不満として、

20135月、ADR(原子力損害賠償紛争解決センター)に住民の90%が集団で訴えて、

20146月にようやく全額が支払われることになりました。

 

訪問したのは、筆甫まちづくりセンターです。

ここは震災前は筆甫地区が限界集落から脱出するための地域戦略の中心でした。

Iターン」家族が13組移住してきて、小学校の児童が増え、

山菜やイノシシ肉などを扱う農村カフェなどを立ち上げて都会からの客を呼び込み、

順調な経過をたどっていたのに、

311福島原発事故で全てが暗転したのです。

せっかく移住してきた人々の多くが村を去りました。

800人だった集落の人口が、680人になってしまいました。

 

賠償金はようやく出るようになりましたが、

林業の賠償は出荷実績がないということでされていません。

自家用の薪への賠償も行われていません。

(住民は、汚染した薪を焚くことが出来ないので、

汚染していない薪を購入しなければなりません)

支援地域指定はされていないので、健康検査は行われません。

代わって町役場が甲状腺検査を行っているのですが、

その精度が心配されているし、また、避難者についてはこの検査が

行われていません。

 

次に、筆甫に次いで汚染レベルの高い耕野地区を尋ねました。

大河・阿武隈川を見下ろす絶景の集落です。

40人の農業生産者が参加して、ショップ「あがらいん伊達屋」で

野菜や特産のタケノコを販売して、都会からの客を呼び込んでいました。

ここも、Iターン家族が6家族いました。

外国人移住者がつないだザンビアとの農業技術支援で

養蜂技術の指導でアフリカに行く人もいました。

耕野小学校の児童が増えて9名になりました。

グリーンツーリズムを学ぶために、

大分県の安心院に研修にも行っていました。

福島県の飯館村がお手本だったそうです。

(その飯館村も手ひどく汚染されてしまいました)

筆甫と並んで、丸森町のなかで限界集落突破の明るい展望が出つつある

有望な集落でした。その希望が福島原発事故で砕かれました。

タケノコの出荷が停止され、タケノコ掘りツァーも行えなくなり、

ショップの売り上げも激減しました。

ここにも東北大学の石井慶造がやってきて、

この集落の空間線量率が放射線管理区域の基準を超えていることを訴えた住民に対して、

「あれはプロの研究者のための作業環境基準であって、一般人のためのものではない」

と答えたそうです。なんたる奴でしょうか。

県南子どもネットワークが宮城い県に対して健康調査に実施を求めましたが

拒否され、筆甫地区と同様に、丸森町が町の予算で独自に

甲状腺検査とホールボディーカウンターによる体内放射能測定を行っているそうです。

 

福島原発事故がもたらした放射能は、

これら丸森町の人々がようやく築き上げつつあった希望を

木端微塵に打ち砕いたのです。

放射能による実害の他に、丸森町の人々はお金では買えない大切なものを失ったのです。

これに対して、東電も国も償おうとはしていません。

それどころか、事故も汚染も終わったことのような態度で、

原発再稼働と輸出に向かって暴走しています。

多くの人々の事故から受けた衝撃も徐々に風化を始めています。

 



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