2010-12-24 17:51 | カテゴリ:未分類


 

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何故ほとんどの椿(つばき)の花は地面に
上向きに落下しているのか?

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円錐を用いた落下実験をしてみた。
立てているのは黄色い目盛りが付いた物差し。
立っているのは寺田寅彦の像。
     
    
寺田寅彦による実験コーナー

           

  高知城の敷地にある高知県立文学館というところに、寺田寅彦記念室があり、そこでは子ども達に実験を体験するコーナーが設けられている。その一つに「椿の落下実験」がある。

    

  小生もこの簡単な実験をやってみた。画用紙で作った円錐の椿の花に似せた物を、いろいろな高さから、落とすのである。90センチの物差しが立てており、その横には寺田寅彦先生の像が立っており、実験者を見ているかのような感じである。

    

  円錐体の口を下向きに落とすと90センチの高さだと円錐体は何回やっても見事に反転して上向きに地面に落ちた。60センチぐらいからだと、70%ぐらいが上向きに落ちた。なかなか面白い実験である。展示コーナーの壁にはその落下の連続写真が掲載されている。

      

  寺田寅彦は病没前2年間には身辺の物理現象にも興味を持って、実験対象としている。そのことは「墨流し」「藤の実のはじけ」「生命の縞模様と道路の割れ目との関係」など彼の随筆の各所に出てくる。今でも彼の随筆を読んで、その柔らかい発想にとりつかれない理系の学生はいないだろう。
   
      

  小生が大学に入学して、なけなしの金をはたいて、真っ先にこの随筆集(岩波書店全12巻だったかな)を買って読みふけったことは、以前にも書いたことがある。実はその若い頃彼の随筆文を読んでいて、すでに非常に焦りを感じたことがある。それは、
   
「年を取ってから“これは実に新しい発想だ!”と思って、よろんでいたら、実はそのことはほとんど20歳代に発想していたことであったことが、ノートにメモで書き付けてあったことから分かった」という類の文章が書かれていたことである。

        

  そういうわけで、小生は若いときに、思い切り自由な発想をし(たつもりになっ)て、積極的に実験ノートにメモを書き付けていたのだが、40才頃からその習慣は消え去り、今は膨大なその実験ノートも処分してしまった。発想したほとんどがくずかご行きの夢物語であり、その100分の一も研究実績として成就していないと思う。

     
                  

(森敏)

             

付記1:東大の物理学教室の出身者は、まだならぜひ時間を割いて、高知まで足を運んで、この寺田寅彦という大先輩の邸宅や展示室を鑑賞してもらいたいと思います。きっとなにか、感じるところがあると思います。すでに行かれた方もおられるかと思いますが。

秘密

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