2010-11-24 18:49 | カテゴリ:未分類

珪素は骨をつくり、ホウ素はボケを防ぐ

     
        

    このWINEPはブログ欄とともに、ホームページの欄も開設している。ホームページの方は専門的な記事が多いのだが、最近の面白いWINEPホームページ情報を、このWINEPブログでも紹介したい。

       

    先日(11月22日)の日本学術会議の会議室で行われた学術会議主催農学委員会土壌科学分科会のシンポジウム「私たちの日々 - 土に囲まれて」で、上記のタイトルにあるように、「珪素 (Si) は骨をつくり、ホウ素 (B) はボケを防ぐ」 というアメリカでの非常に重要な研究を、渡辺和彦東京農大客員教授が紹介した。ここではそれを簡単に紹介したい。

       

    土のミネラル成分(N,Ca,P,S,K,Na,Cl,Mg,Fe,F,Zn, Mn,Cu,Se, I, Mo, Ni, Cr, Co)などが植物・動物・人間という食物連鎖の過程で、人体に取り込まれて、体の様々な構成分になり、特定の酵素の活性化作用をしていることは常識で、人の栄養学の教科書にも載っている。これらのミネラルを人の必須元素という。
  
  しかし近年(1979年以降)まで、珪素(Si)やホウ素(B)が人体に対してどのような作用をしているのかは、さほど明確ではなかった。ホウ素(B)に関しては、必須元素とさえ認定されていなかった。

        

   珪素(Si)もホウ素(B)も植物から摂取することが最も効率的である。大まかに言うと珪素(Si)は植物には約1000 ppm、ホウ素(B)は約20 ppm 含まれている。人では 珪素(Si) 28.5 ppm ホウ素(B) 0.143 ppm というわずかの量である。 にもかかわらず、これらの元素が人で欠乏すると甚大な影響が出るということが分かってきたのである。

    すなわち、最近になって、アメリカでの長期隔離環境での人体実験や、多人数を長期に追跡調査した疫学調査により、珪素 (Si) は骨をつくり、ホウ素 (B) はボケを防ぐということが分かってきたのである。
     
   
人体への珪素の作用について
     

    男性や閉経前の女性では食品から摂取された珪素(Si)による骨密度増加効果が顕著である。食品から摂取された珪素(Si)は、約2時間後に血中濃度がピークになり、6時間後には排泄される。また、緑豆、玄米、白米に含まれる珪素(Si)は、可溶化されやすい(すなわち消化吸収されやすい)。ビール(黒、淡色ともに)や下級清酒には珪素(Si)含量が多い。食品では 玄米>ワカメ>大豆>ホウレンソウ>精白米>乾燥シイタケ が珪素(Si)含量が多い順である。

    

    ケイ酸(SiO2)の植物細胞への吸収と排出の膜輸送蛋白(トランスポーター)は世界で最初に岡山大学の馬建鋒教授のグループがそれらの遺伝子のクローニングに成功した。人ではまだクローニングされていない。(いずれクローニングされるだろう)

 
 
人体へのホウ素の作用について
      

    一方、ホウ素(B)は、血清中の男性ホルモンや女性ホルモンの値を増加し、破骨細胞の働きを押さえるので、骨密度の低下を押さえる(すなわち骨を丈夫に保つ)。又、理由は分からないがホウ素(B)は高齢者の脳を活性化する。 同時にアルツハイマー病発生の危険度が低下する。 食品では、大豆>乾燥シイタケ>ワカメ>リンゴ・ホウレンソウが ホウ素含量が多い順である。

     

    ホウ酸(B(OH)3)の植物細胞への吸収と排出の膜輸送蛋白(トランスポーター)は世界で最初に東京大学の藤原徹教授のグループがそれらの遺伝子のクローニングに成功した。その後、人でもクローニングされた。


  
    
結論
       

    このように、ケイ素(Si)とホウ素(B)の必須性が明らかになったので、今後は公的な「食品成分表」へ、珪素やホウ素の含有量を表示する必要があるだろう。
   

       いずれも、高齢化社会にとって最も重要な加齢症状(骨密度低下、ボケ)に対して、これまであまり重要視されて来なかった2つの元素の位置づけが、きちんと行われたということになる。

       

    珪素 (Si) は骨をつくり、ホウ素 (B) はボケを防ぐ

         

    と覚えておいてもらいたい。大学での食品栄養の授業では、ぜひこの最新の知見を紹介してもらいたい。

            

(森敏)

 

          

秘密

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