2008-04-21 07:43 | カテゴリ:未分類

kawaitei

スローライフは忙しい

 

会社を定年で退職して、郷里に高齢の両親と同居できる大きな家を建てて、自給自足の農業をしながら、地域の絵画の同好会の人たちと交わって、自宅の400坪もある広い庭(写真は居間からの眺め)で演奏会やパーテイーをやって、楽しく過ごしている、という友人を訪れた。渥美半島の突端である。

 

ご両親は94歳の母と98歳の父である。その母は現在すべての地域交流を嫁(つまり友人の奥さん)に任せて、おもにデイサービスにでかける夫の世話をしている。奥さんの話では、この地域社会にとけ込むまでは非常に苦労をしたと言うことである。「地縁血縁社会なので、いろいろな会合で集まる奥さんがたが皆顔が似ていて、おまけに農業で日焼けしているので、だれがどのお名前なのかを覚えるのがいちばん大変でした」

 

「1ヶ月に2回はお寺の親類のお墓9つにお花を生けに行かねばなりませんので、9つの花束をつくらなければならなりません。そのためもあって庭に何カ所もいろいろな草花を植えていますが、それはほとんど私が世話をしています。ですから、毎日下向いてしゃがんでひたすら雑草取りに専念しています。庭が広すぎて、一通り刈り終わったと思ったらまた最初の場所に草が生えている、と言うことを繰り返しています。お花が好きだからやれるのですがそうでなかったら、耐えられないと思います。勿論夫のミニトマトやメロンのハウス栽培にはつきあっています。なんといっても税金というものがどこまでも追い打ちをかけてきますので、やはり現金収入が必要ですから」と言うことである。

 

奥さんが、今朝取ってきたミニトマトを絞って作ってくれたコップ一杯の生ジュースは、この世のものとも思えないうまみとコクのある味であった。レモンと塩を少々加えただけだという。これだけの汁を絞り出すのには相当の残査が出たものと思われた。

 

友人は大学時代はどちらかというと控えめな性格だったのだが、奥さんにいわせると、「こちらに来て人が変わった」ように積極的になった。何でもかんでも地域の活動を引き受けてしまうので、彼のカレンダーは土日を含めてびっしりと行事が書き込まれていた。まさに水を得た魚のように地域社会で楽しそうに泳いでいる、と言うことである。昔の小中高の同窓生と交流を復活して今や地域での重鎮として活躍しているようである。

 

三河湾に沈む夕日を友人夫婦と一緒にホテルのレストランで別れの食事会をしてもらっているときに、彼の携帯電話が鳴り響いた。「明日は、今年のいちご観光農園の最後の日なので、関係者を呼んで残りのいちごを全部収穫してジャムにでもしてもらうために、朝の10時に来てもらいたい」という知人からの呼びかけだと言うことであった。スローライフにも携帯電話は大活躍である。

 

こういう忙しくも充実したU-ターン生活もあるのだ。

 

  ふるさとが田舎にあり田畑のある人は定年後は帰郷して第2の人生を歩むべきだと痛感した。幼いときの人間関係は、あまり損得関係の汚れがないので、その温かな人間関係で日々を過ごすことができるのはハッピーである。ささやかに地域活性化にも貢献できるだろう。

 

但し、大前提しとして、奥さんの同意が不可欠であることはいうまでもない。そこが一番むつかしいところなのだろうが。

 

(森敏)

追記1:

渥美半島は温暖でハウス栽培が盛んである(写真下)。メロンが栽培されていたが、最近は市場で浜松産に押されて、トマトなどに転作を余儀なくされているという。

風車が4基回っていた(写真では3基しか映っていないが)。海岸線の中部火力発電所の付近には数基の風車が回っていた。どことなくのどかでよい風景だった。

 haususaibaigunn

fuusyanofuukei

 

追記2:一年後、ここの風車が騒音(低周波)公害であるという記事が新聞に載った。全く思っても見なかった。人は見かけに寄らぬものというか、遠望ではこの美しい景観も、身近では健康に敵対する場合がある、という教訓である。

 

秘密

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