2010-05-14 14:01 | カテゴリ:未分類

武谷ピニロピさん

      

    朝日新聞の夕刊の「人脈記」に武谷ピニロピ(現在90歳)というロシア人が紹介されている。

     

  この記事を見て少し驚いた。

     

  彼女は物理学者であった武谷三男(たけたにみつお)氏の妻だということである。武谷三男のどんな文章にも彼自身のロシア人妻のことは書かれていないと記憶する。全く知らなかった。当時の唯物論研究会の連中なら、常識だったのだろうが。

     

  しかし、武谷三男が逮捕されたりして不遇の時の経済を支えたのはこの東京女子医専(いまの東京女子医科大学)出身のピニロピさんの医師としての最低限の安定した収入であったであろうことは想像に難くない。

     

  武谷三男の『弁証法の諸問題』は、一世を風靡した名著である。1960年以前の自然科学系の研究者や学生・大学院生に多大な影響を与えた。

       

  それよりも少し遅れてきた世代である小生もこの本を大学生の時は繰り返し繰り返し読んだ。熟読玩味したと言っていいぐらいである。

       

  この本が主張する「技術とは、人間実践における客観的法則性の、意識的適用である」というテーゼは、いまも骨身にしみているし、小生はそのように実践してきた。

      

  朝日新聞は良い人脈を掘り起こしてくれたと思う。(余計なことだが、こういう地道な調査記事こそ、今後のネット社会でも生きていく新聞の立脚点ではないだろうか)

            

(森敏)

秘密

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