2008-04-08 12:41 | カテゴリ:未分類


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ポツダムの足こぎ人力車

 

  一昨年の夏に日独ベルリンセンターで所用があった。小生はベルリンの壁崩壊数年前に西ベルリンに家族で留学している友人訪ねて行ったときに東ベルリンに半日入ったことはある。そのときは共産主義国家としての入出国規制が厳しくて東ベルリン市内観光だけで、ほかに行くチャンスがなかった。ベルリンの壁崩壊一年後にもコンベンションホールでの国際生物学会でベルリンには入ったが、旧東ドイツ領に行く機会がなかった。そこで是非今回は第2次世界大戦を終結に導いたポツダム宣言が起草された旧東ドイツ領であったポツダムを訪れたいと思った。

 

まず駅からサンスーシ宮殿まで同僚と二人で歩いていった。まだ東ドイツ側の道路事情や住宅事情が完全に復旧しているとは言い難い印象を受けた。そのあとポツダムまでの交通が不便であったので、どうしようかと思案していたら,流しの「足こぎ人力車」が見えたので、呼んだら停まってくれた。おもしろそうなのでそれに二人で乗り込んでポツダムに向かった。運転手はひげを生やし黒髪を後ろでゴムで束ねた40歳前後の男で、観光案内をしながら、暑い中を汗をかきかき坂道を登ったり下ったりして、何とかポツダムにたどり着いた。道を知っていたら歩いたほうが速いぐらいであったが、彼はこの土地で生まれたということで実に詳細に入り組んだ近道などを知っているようであった。

 

ポツダム宣言の起草された部屋やテーブルなどを見学して、その湖畔の別荘施設の外に出ると、さきほどの男がまだ外で待っている様子だったので、アイスクリームをおごって、帰りの電車の出発時刻を教えて、駅までまた「足こぎ人力車」で観光案内をしてもらうことにした。日本ではアメリカの原爆が1945年8月6日と8月9日に投下されて広島と長崎で30万人以上の住民が死亡し、そのあとこのポツダム宣言を受諾したんだと告げると、「よく知っているよ!ドイツでは1945年2月14日に英米軍のドレスデン空爆でドイツ人住民が2-3万人が殺されたんだ。日本もドイツもジェノサイトを受けたんだ、連合軍は実に野蛮だった」ということで、互いに意気投合した。

 

彼は土地の人気者らしく目の高さより低い位置で人力車をこぐ彼に対して道行く人々が話しかけたり手をふったりしていた。「どうしてこういう仕事をやっているのか?」と聞くと、「環境に優しい仕事だから」という。人力車は台湾製だと言うことで、足こぎの効率はかなり良好と見受けられた。彼はどうやら往時の緑の党の影響を受けているらしく、言葉の端々に「環境」というキーワードが出てきた。

 

昨年遅れに、夜の東京駅界隈でこれとよく似たSOLAR illuminationと表記したイルミネーション付きの人力車を見た(写真参照)。サンタクロース姿の女性が楽しそうに女性を乗せていた。京都や浅草では本物の人力車が人待ちしているのに出くわすが、いかにも料金が高そうであるし、雨の日は人夫が濡れて気の毒そうである。

 

東京の観光地で「一日貸し切り」でこういうのがはやると、良い環境教育になるだろうと思ったことである。文京区などはあちこちに名所があるので小回りが利くこういう乗り物があれば老夫婦の観光には最適ではないかと思う。京都でも若い男性が足こぎしながら蘊蓄(うんちく)を傾けた観光案内をしてくれれば、小生も一日夫婦で貸し切りで乗ってみたい。

 

(森敏)

 

後記:すでに東京の青山あたりではこの足こぎ人力車が観光客用に徘徊しているとのことである。

 

追記1:JALの機内誌であるSKYWARLDに、野池秩嘉(文)・ジュンタカギ(撮影)で、和物ブランド第14回というシリーズ物で「輪タク」という4頁にわたる記事が載っている。すでに京都で此のタイプの輪タクが活躍しているとのことである。京都で小生はまだ一度もこれに会ったことがないのだが。(2008年6月5日)

 

追記2:ついに六本木ヒルズ界隈でドイツと全く同じ足こぎタクシーを見つけた(下の写真)。ドイツから輸入したものであるという。このVEROTAXIを扱っているのは東京で1社しかないということである。運転者は一応流しのテリトリーを決められて、たがいにすみ分けているとのことである。500メートル300円。観光案内は出来ないとのことですので、観光案内出来たらいいのにね、とサジェストしておきました。みなさん気が付いたら乗ってあげてください。(2008年7月13日)

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追記3: 2008年12月13日東京ビッグサイトで開催された「エコプロダクト2008」展示会では、野外では電気自動車やハイブリッドカーの試乗がなされていた。大勢の人が列をなしていた。その一方でビルの片隅に足こぎ人力車がさる酒造メーカーがスポンサーで、置かれていた。誰も乗っていなかったが。。。(下図)

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