2008-04-07 09:06 | カテゴリ:未分類

洞爺湖サミットでの通訳の寄与は非常に大きいだろう

 

洞爺湖サミットでは警備に当たる警察が、通訳探しに苦労していると報じられている。警備も重要だろうが、それよりも何よりも主要8ヶ国(か9ヶ国)のこの国際会議での同時通訳の役割は非常に大きいと思う。小生がこれまでに参加したことがある通訳付きの専門的な国際会議では概ね講演の予定原稿の通訳は事前に通訳者に原稿が渡されて通訳者と講演者の意思疎通が成されているので、ほとんど正確で問題がない場合が多いが、講演のあとの質疑応答や、総合討論でのやりとりなどでは、相当むちゃくちゃな通訳を聞かされて、辟易することが多い。英語の場合は小生の貧弱なヒアリング能力でも時々は通訳を通じない方がわかりやすい場合が多い。研究室への留学生がアジア人が多かったので、小生には彼らの英語(Asian Englic ?))の方が、舌をくるくる回すアメリカ南部のAmerican Englishよりもはるかに聞きとりやすい。

 

 1昨年ベルリンで30人規模の小さな日独の交流会議に出掛けた。日本人側はひとりのドイツへの長期留学の経験者をのぞいてドイツ語のヒアリングはプアである。小生も2年間教養課程で第2外国語でドイツ語をやったし、合計で4ヶ月ぐらいはドイツに留学していたが、まったくヒアリングはプアであった。ドイツ語はまったく忘れてしまっていた(ので日本の大学の第二外国語教育はあまり成功していないように思う)。ドイツ側のメンバーは日本への留学経験者は皆無であったので日本語のヒアリングはまったくできない。そこで、日本人のベルリン在住の通訳の女性が3名通訳用のブースに入って、一日中通訳をしてくれたが、ドイツ語から日本語への的確な通訳ではなかったので、日本語からドイツ語への通訳も的確性に欠けたのではないかと思われた。お互いに細部を理解ができなくて議論がうまく噛みあわなかったように思う。わざわざベルリンくんだりまで出掛けたが小生に取っては非常に印象が薄い会議であった(結局自分のせいではあるのだが)。

 

だいたいどんな場合でも国際会議では複数の通訳が居る。通訳という仕事は脳の回路が非常に疲れるらしくて、15分毎ぐらい(いくら長くても30分)で頻繁に交代するようだが、その複数の通訳間で能力差が歴然としている場合は、それがとても気になる。下手な通訳の番が来ると、絶望的である。こちらの頭がこんがらがって来る、と言うよりは、通訳は一所懸命だからついつい同情したりして始末が悪い。そのうちにだんだん不快感が募ってくる。

 

今回の洞爺湖サミットの通訳の言語ごとの組み合わせを考えると、日英、日仏、日露、日独、以外に、英仏、英露、英独、独仏、独英、独露、仏露、がある。前半の4つは日本側が通訳をそろえるとしても後半の7つはどこの国がそろえるのだろう。余計な心配かも知れないが。

 

通訳のせいで国際会議の最中に多少の誤解を招き、開催期間中に一時的にせよ国際関係がゆがむということもあり得ないことではない。日本では優秀な通訳が絶対的に不足している。したがって通訳派遣業者は非常に強気なばあいが多い。通訳派遣業者に妥協することなく日本政府はこの際最高レベルの通訳をそろえる必要があると思う。

 

(森敏)

 

 

秘密

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