2010-03-27 12:53 | カテゴリ:未分類

毒物ギョーザ事件の報道について

    

2008年1月に起きた有機リン剤メタミドフォス混入ギョーザ中毒について、本日の読売・朝日・日経・毎日・東京の各新聞では

「ギョーザ製造元である天洋食品の元臨時工 呂月庭容疑者が拘束された」

との中国の国営新華社通信の報道を一斉に報じている。日本の外務省幹部は新華社通信の報道の前に「中国政府が26日深夜外交ルートを通じて連絡してきた」とも報じられている(毎日新聞・読売新聞・日経新聞・朝日新聞)。

     

しかしこの報道の物的証拠に関しては以下のように報道のニュアンスが少しずつ違っている。

   

「警察当局はすでに注射器を押収し多数の証人の証言も得ているという」(日経新聞)

「当局は犯行に使った注射器を押収したほか、大量の証言を得たという」(読売新聞)

日本の警察庁によれば、注射針に農薬成分メタミドフォスがついていたのが決めてとなったという。又多数の目撃証人も得ている模様だ」(朝日新聞)

「警察当局は混入に使われた注射器を押収し、周囲の証言を得ていたとしている」(毎日新聞)

   

この中で朝日新聞だけが、日本の警察庁の発言として、メタミドフォスの検出を報じている。この警察庁の人物はどこから<注射針に付着したのメタミドフォスの検出>の情報を得たのだろうか?

  

この情報源と関連するのか、読売新聞には、

    

“ギョーザ事件で中国公安当局との間で「コンタクト・ポイント」と呼ばれる連絡窓口の担当者を置き、定期的に情報交換してきた警察庁の幹部の1人は「毒物混入の捜査は難航しがちだが、中国側が真剣に捜査している雰囲気は伝わってきていた”

    

という記事が載っている。この記事から、日本政府と中国政府とは外交ルートと別に、警察庁ルートもあるのだ、ということがこの事件を通じてはじめて分かった。

      

しかし、今回の中国側の捜査に関しては、科学的に考えると以下の疑問点があり、まだまだ慎重に捜査の経過を見守る必要があると思う。

     

1.「多くの証言がある」と報道されているのに、何故容疑者をすぐに絞り切れなかったのか?何故2年間も人物の特定に時間がかかったのか?

2.呂容疑者が注射器をわざわざ2年間もどこかに保存していたのだろうか?

3.呂容疑者を逮捕して、詰問して(あるいは拷問して)注射器の在処(ありか)を自白させたのだろうか?

4.本当にメタミドフォスを注射器から検出したのだろうか?

5.中国の捜査当局があらかじめ、メタミドフォスで汚染した注射器をどこかに投げ捨てて、気の弱い呂容疑者を詰問して、「ハイ、私がやりました」と言わせたのではないだろうか?

      

昨日の足利事件再審の無罪判決と平行して掲載されているこれらの毒入りギョーザ事件の捜査記事を読むと、本件からも冤罪が産まれても何らおかしくないという気がする。

   

日本のマスコミもあまり調子に乗らずに、あくまで<物証がどのような経路で解明されたのか>を、まだまだしつこく追及する必要があると思う。

         

ここまで書いていて、以下のニュースが飛び込んできた。これによると日本の警察が注射器に付着した「物」(メタミドフォス)を分析しているのではなく、中国の捜査当局の代弁をしているにすぎないことが分かる。

         

  

注射器2本、下水道で発見=元従業員供述の裏づけ急ぐ-ギョーザ事件で中国当局

327527分配信 時事通信

 【北京時事】千葉、兵庫の両県で10人の被害者を出した2008年の中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、中国の警察当局に拘束されたギョーザ製造元、天洋食品(河北省石家荘市)の元従業員、呂月庭容疑者(36)が毒の混入に使用したとされる注射器2本が下水道から見つかっていたことが27日、分かった。同当局は呂容疑者を本格的に追及するとともに、供述の裏付け捜査を急いでいる。・・・・ 日本側の捜査当局によると、中国の警察当局に押収された注射器には、日本で中毒事件を起こした製品から検出された有機リン酸系殺虫剤メタミドホスと同じとみられる物質が付着していた。
 一方、冷凍ギョーザの製造から出荷に至るどの段階で、どのように注射器を使って毒物を混入したのかは明らかになっておらず、警察当局は今後、捜査の焦点となっていた混入の時期や方法など事件の全容解明を目指す。

   

 

この時事通信の記事を読んでも、どこの下水道でどのような状態で注射器が見つかったのか? その経過がさっぱり分からない。捜査当局がメダミドフォスをこすりつけた注射器をわざと下水道に放り投げておいた、とも考えられないこともない。

   

真相究明が第一だが、とにかく、この件でも冤罪は避けたいものだ。

     

   

(管窺)

  

追記1:呂容疑者は一体注射器なる物をどこで入手したのだろうか?

追記2:呂容疑者は一体メタミドフォスをどこから手に入れたのだろうか?(農業を営む実家か?)

追記3.呂容疑者はいつどこでメタミドフォスを注射器に詰めて、いつどこでそれを(段ボールの外側から?)注入したのだろうか? 誰もいない時間帯だろう。この点は目撃者が居ない和歌山の「ヒ素事件」と共通している。

秘密

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