2010-02-02 14:13 | カテゴリ:未分類

北朝鮮の壮大なる<飢えに耐える>実験

       

        北朝鮮は自力では石油が入手できないので火力発電は石炭である。その他は水力発電しかエネルギー源がないので、絶対的に電力が足りない。したがって、肥料が生産できない、農薬が使えない、農機具が動かせない、という国を挙げてのまさに、油の輸入が絶たれた <油断下> での悲劇的な農業実験を過去20年にわたって繰り返している。下記の報道は、2004年に小生らが訪朝調査したときから一向に改善されない、北朝鮮の食糧事情を伝えている。

    

  

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トウモロコシの主食に胸痛む=「人民に白米を」と金総書記-北朝鮮紙

 【ソウル時事】北朝鮮・祖国平和統一委員会のウェブサイト「わが民族同士」によると、1日付の労働党機関紙・労働新聞は論説で、金正日総書記の「人民がまだトウモロコシを主食にしていることに最も胸が痛む」という言葉を掲載した。ラヂオプレス(RP)が伝えた。
 劣悪な食料事情を嘆いた金総書記の発言が伝えられたのは異例。
 論説によれば、金総書記は「今わたしが行うべきことは、この世で一番立派なわが人民に白米を食べさせ、小麦粉で焼いたパンやククス(めん類)を十分に食べさせることだ」と訴えた。その上で「わが人民をトウモロコシの飯を知らない人民としてこの世に立たせよう」と呼び掛けた。212051分配信 時事通信

  

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以下は参考までに小生の2005年の報告書です。

JST COPYRIGHT
整理番号:05A0225397
和文標題:北朝鮮はいつまで飢えるのだろうか?-過去14年にわたる「油断下」の悲劇的な農業実験-
著者名:森敏 (大学評価・学位授与機構)
資料名:季刊肥料 JST資料番号:Y0114A ISSN0911-3606
巻号ページ(発行年月日):No.100, Page15-23 (2005.02 ) 写図表参:写図3, 5, 13
抄録:著者は20048月中旬に民主党議員を団長とする農業使節団の一員として北朝鮮の農業事情を視察した。著者の専門はイネの栽培管理と食味の関係である。視察範囲は北朝鮮では比較的稲作に適した西部の中央部であった。そこの地力は,十数年に亘り肥料投下が少なかったので,日本に比べて,1/3と推定している。その根拠は,CEC,T-N,T-C,pH,交換性カリの値である。イネ,トウモロコシ,ダイズ,ジヤガイモ,野菜については,現場を訪れ,注目点をまとめている。家畜飼育については,乳牛と豚は一頭も見ておらず,たまに荒れ地で雑草を喰わせている赤毛和牛を見ている。荒れ地に山羊はかなり放牧されていた。エネルギー不足で化学肥料が足りず,有機農業が奨励されていたが,著者は全山禿げ山であることと家畜が少ないので,有機農業が成立しないだろうと予測している。食糧問題の技術的支援としては,肥料,農薬,農業資材,それに治山治水の支援が重要と結論している。

   

   

(森敏)

 

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