2009-12-31 11:54 | カテゴリ:未分類

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作物別CO2排出量について(エコプロダクト 2009 報告4)

   

    高知の(株)相愛 が「作物別CO2排出量」を記載したパネルを立てていた。あくまで高知県の例で、いわゆるフード・マイレージ(生産物の輸送に必要なエネルギーを炭酸ガス排出量に換算した値)は計算に入れていないと言うことである。

 

    これを見ると、キウリ以外の作物はすべて自分の生重量を作るのに、自分の生重量と同じ(ナス)か、その数倍以上(温室ミカン)の炭酸ガス換算のエネルギーを使用していることを示している。上図で<CO2排出量>を<単位重量>で割ってみてください。

 

  ここで表示されている作物はハウス物が大部分であるので重油暖房による炭酸ガスの排出量が大部分を占めていると思われる。

   

    もっとも、野菜や果物は水分が90%以上である(すなわち乾物重は生重の10分の一以下である)から、平均すると上記の作物はだいたい自分の乾物重を得るために実はその乾物重の10倍から100倍ぐらいの炭酸ガスを排出していることになるだろう。

  

    農産物は炭酸ガスの吸収源であると思っているだろうが、とんでもないということである。グリーンかつクリーンであるべき農業が、実は炭酸ガスの多大な排出産業であることが満天下に明らかである。

   

    日本の水田稲作の場合は、すでに20年以上前に、一作で玄米収量の2倍以上の炭酸ガス換算のエネルギーを使用していることが、農水省のデータで明らかにされている。(追記2参照)

  

  こういう数値がLCA(ライフサイクルアセスメント)認証団体で認証されて、生産物に貼付されて表示されていると、消費者の消費行動に影響を与えるだろう、という、<環境家計簿>という概念が到来してですでに久しいのだが、この炭酸ガス排出量の正確な計算は意外と難しいのである。

          

(森敏)

 

追記1:この記事を読んだ読者から、生物は全部炭酸ガスを放出している、うんぬんのコメントをいただいた。どうやら小生の文章表現が拙くて、記事の内容を根本的に誤解されているらしいので、再度正確にことばを定義しておきたい。

例えばビニールハウスで農作物を作るには、ビニールシートや化学肥料や除草剤や農薬などの製造エネルギー、堆肥を作ったり、土を耕耘したりするときの農機具の動力エネルギー、さらにそれらの農機具を製造するときの工場でのエネルギー等など様々な時点でエネルギーが消費されています。ですからこの文章のタイトルに掲げた作物別CO2排出量という言葉の意味は、その作物自身が排出する炭酸ガスの量を意味するのではなく、その作物を栽培して収穫まで持っていくときにトータルで消費された様々な栽培のために必要なエネルギーの総量を意味しています。エネルギーは主として石油や石炭を燃やして取り出すわけですから、そのエネルギーをこれらの化石燃料から排出される炭酸ガス量で表現したものです。

 

追記2: 以下に参考までに、稲作のエネルギー収支の例を示します。

    

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森敏: 植物資源と人間 「土と食糧」(p16-25) 所収 

日本土壌肥料学会編

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