2009-11-22 12:28 | カテゴリ:未分類

海図なき出港

   

総合科学技術会議(http://www8.cao.go.jp/cstp/index.html)の議論をのぞいてみると、民主党は科学技術政策に関して確たる方針もなく、ゼロから出発しているのだということが分かる。

   

この総合科学技術会議では10月1日に菅直人が出席した民主党政権下での第1回基本政策専門調査会が開かれ、11月16日に第2回基本政策専門調査会が開かれたことになっている。第1回の議事録が46頁にわたって開示紹介されている。菅直人は挨拶だけして退席しているが、この議事録には非常に興味深い意見が以下のメンバーの中から述べられている。

    

出席者(敬称略):菅直人科学技術政策担当大臣、津村啓介大臣政務官、相澤益男、本庶佑、奥村直樹、白石隆、今榮東洋子(以上、総合科学技術会議議員)、

潮田資勝、槍田松瑩、大隅典子、岸玲子、北城恪太郎、小舘香椎子、小原雄治、崎田裕子、下村節宏、生源寺眞一、庄田隆、住田裕子、中馬宏之、中西友子、西尾チヅル、西村いくこ、野上義二、野尻美保子、橋本信夫、秦信行、細川興一、松本紘、毛利衛、森重文、山本貴史、若杉隆平(以上、専門委員)

      

この議事録を読むと津村啓介政務官(39歳)が科学技術政策に対して重要な役割を果たしており、総合科学技術会議に出席して「勉強したい」と言うことである。彼の判断でこの総合科学技術会議自体の存続の可否やその他の関連会議の存続を判定しようという流れにあるようである。津村氏は出自が文系であるが、科学技術政策について情熱を燃やして取り組んでいきたいという意向を表明している。

     

つまり、民主党の議員の方からの科学技術戦略の具体的な発信はこの時点ではない。とにかく識者の意見を聞こうという形で総合科学技術会議は前政権からだらだらと存続するようである。民主党にとって当面これしか識者の意見を集約する場がないから仕方がないのであろう。(現時点で菅直人がどれだけの個人的な科学技術ブレーン集団を持っているのかが開示されていないのでよく分からないのだが)

        

(上記の新たに発足した基本政策専門調査会のメンバーはどのように人選したのか分からないが自公政権時のメンバーも含まれているから、私見ではリフレッシュを兼ねて、前政権時のメンバーは退場した方がいいと思われる。)

      

ところで、

この前々回のWINEPブログでも紹介したが、この第1回基本政策専門調査会の1週間後の10月8日に、

「平成22年度の科学技術に関する予算等の資源配分の方針」なるものが総合科学技術会議によって示された。

 

しかし、実はこの鳩山政権による総合科学技術会議の位置付けそのものが、いまだに不明なママなので、ここで示された方針が<事業仕分け人>には全く浸透しておらず、科学技術予算に関してはむちゃくちゃな仕分けが行われた。

      

そこで、さすがに総合科学技術会議が仰天して11月19には「科学技術予算の確実な確保について」(緊急提言)なるものを出さざるをえなくなったのである。

      

本日午前9時からのNHKの討論会では菅直人副総理は、「今回の事業仕分けの結果を最終的には行政刷新会議に集約して、総合的な視点から判断が下される」と述べている。

   

なので、今しばらく我々研究者は、これまでの見当違いの仕分けには強く異論を唱えつつ、明日から再開される「事業仕分け劇」をいましばらく見守るより仕方がないのであろう。

     

「雇用、環境、景気」の観点からの民主党の中長期戦略樹立が急務である。「戦略」無くして「戦術」なしである。

        

(管窺)

 

秘密

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