2009-10-24 15:45 | カテゴリ:未分類

鳥インフルエンザに対する石灰の効用について

           

石灰や消石灰は農地土壌のpH矯正剤として使われているが、鉄鋼用、化学工業用、建設用原料として使われている量が圧倒的である。

         

ちなみに日本での石灰の生産量は以下のとおりである。

        

2007(暦年)石灰生産量 (単位:千トン)

 

生石灰

消石灰

合計

2005

8842

1712

10554

2006

8933

1558

10491

2007

9340

1597

10937

(日本石灰協会)

  

        

一方、近年、高病原性鳥インフルエンザ対策として石灰や消石灰がこの感染症が発生した養鶏場などに派手に散布されている映像がしばしばテレビで流される。が、本当のところその効果はどんなものであろうか?と小生はいつも疑問に思っていた。

      

この効果に関してパスツール研究所の研究成果が以下の雑誌に訳文で紹介されている。

      

石灰による病原性鳥インフルエンザの予防と抑制 武田州平 日本石灰協会  (季刊肥料 2009年 通巻114号) 

この総説の結論だけ紹介すると

 4℃±0.6℃で0.5%石灰懸濁液を使いA型鳥インフルエンザウイルスH5N1亜型を5分間処理した場合、ウイルスの力価が一万分の一以下に減少した。ただし10分間処理の方がA型鳥インフルエンザウイルスH5N1亜型をより多く減少させたので、5分間処理よりも効果の確実性が高い。

      

これまで現場でやみくもに石灰や消石灰を散布している姿を見て、どんな科学的根拠があるのだろうと不信感で見ていたが、これですこし納得した。

      

社団法人全国家畜畜産物衛生指導協会では農水省の指導をえて、消石灰を農場敷地周辺や鶏舎周囲、農場内道路に2~3メートル幅で定期的に散布するように明記している。とのことである。

      

  ちなみに、2007年の鳥インフルエンザで使用された石灰は約800t、消石灰は約1万トンということである。であるから両者共に使用量は生産量の0.1%レベルである。しかし、肥料用や鉄鋼生産用資材である石灰がこのような鳥や人の健康に係わる用途に使われているということは国民にもっともっと知られてよい事実であると思う。

    

(森敏)

秘密

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