2009-09-08 19:17 | カテゴリ:未分類

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300万年前の海牛の化石(茶色の部分が見つかった)

   

海牛の化石の話

     

  富山の貝化石鉱山で圃場実験の後片づけをしていると、男女が二人乗用車で乗り付けてきた。以前に見たことがある人物である。

   

  思い出した、男性の方はここで鯨の歯の化石を見つけた人物であった。最近新しく切り開いた斜面がここにあるので、そこに面白そうな化石がありそうなので、化石の発掘に来ているのだそうである。

       

  この鉱山の持ち主の招待で、昼食のそばを食べながら、二人から面白い話を聞いた。最近彼らは、海牛(ジュゴン)の化石を見つけたのだそうである。重要な頭部5ヶ所が発掘されて完全に海牛と同定された。過去の海牛化石の文献と比較調査の結果全長10メートルで頭部の長さ80センチという大型の海牛であったという事になったとのことである。

     

  なかなかロマンがある話ではないか。

      

  話はそれから、「この化石のDNAが分解せずに部分的にも残っていて、読めるかも知れない」ということになり、化石が発掘された貝化石の地層が300万年前だから、最近発掘されたシベリアの冷凍マンモスよりも、はるかに旧い哺乳動物の遺伝子を読んだと言うことになれば、世間にアピールするかも知れないよと言うことになった。考古学の新しい側面である。

    

  富山県立山の山奥の、八尾(やつお)化石資料館(海韻館)というところにこの化石は展示されているとのことである。

    

  彼らは、化石の話をあちこちの小学校でしているが、化石少年少女はだいたい大きくなって理科系に進んでいくので、自然科学への興味の導入口として、子ども達の化石発掘調査は非常に有効な教育的効果があると言うことである。

   

  また、これらの子ども達が化石の専門家にならずに、他の専門に進んで、年を取って、彼らが集めた貴重な化石コレクションが、大人になって引っ越しなどで、じゃまになって捨てられるのはもったいないので、是非それを収集する公的システムを作りたいとのことであった。

    

  どこかの団体が500万円ばかり研究費をつけてあげれば、この古海牛のかなりのところまで遺伝子が読めると思う。現今の海牛の全遺伝子がすでに読めていれば、この海牛の全遺伝子の解読は簡単なのだが。

       

(森敏)

  

付記:写真は富山県古生物研究会事務局長 葉室俊和氏の名刺に刷り込まれている、海牛化石の頭部の復元絵である。

秘密

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