2009-08-07 11:22 | カテゴリ:未分類

大学の授業を面白くする方法

 

後輩が私学の準教授に赴任して、教養課程の授業を担当しているが、学生がざわざわして、授業がしにくくて困っているということである。 定年後、私学に赴任した某教授もほとほと授業にはてこずっているとこぼしていた。とくに文系の学生の授業態度がひどいようである。

  

本日の新聞報道では、日本では大学進学率が50%を越えたということである。であるから、大学の教養課程の学生の精神年齢は昔の高校1~2年生のレベルと考えておかねばならない。

  

授業が苦手であった我が輩のささやかな経験からも、少なくとも科学に興味を持っている学生に対しては、話のいろんなところで、有名な先達(せんだつ)のエピソードを交えるのが必須の要件であると思う。

   

特に、学問は体系的にできており、教科書を用いる場合は、[章]や[節]ごとに、かならず先人の発見や発明に裏付けられた、公理、定理、定説などの学説が述べられている。であるから、いつ、誰が、どこで、どういうきっかけで、そういう発見や発明をおこなったのかをおもしろおかしく紹介することは、かならず学生達の興味を引くはずである

 

特に発見や発明に至る時の研究者や技術者の「心象風景」が語られれば、非常に講義が魅力的になるだろう。ついでにその人物の強烈な個性などが紹介されれば、さらに魅力的になるだろう。

 

ノーベル賞をもらった人物に関しては、詳しく調べれば、かならず伝記があって、質のよい伝記には発見や発明の瞬間に関する詳しい記述が見いだされるだろう。当時の研究者同志の熾烈な先陣(プライオリテイー)争いも、興味をそそるだろう。

 

日本の研究者や技術者に関しても、詳しく掘り下げれば、文化勲章や学士院賞をもらった人物に関しては、どこかで、本人が雑談にせよ随筆にせよ、発見や発明の瞬間の喜びを繰り返し述べているものである。(この点では日本にはきちんと自伝を残す科学者や技術者が少ないのが非常に残念であるのだが。そういう記述を残すことは研究者としての義務だと思うのだが、日本の研究者はシャイなのであろうか?)

  

もちろん、もっとも重要なことは、授業をする先生自身が、ささやかでも真に面白い現象の発見や、発明をした人物であるかどうかであろう。その時の感動を迫力と情熱を持って伝えることが出来れば、その授業は成功したといえるだろう。

  

以上のことは、

授業には声の抑揚や、身振り手振りや、板書の巧拙も大きな要素である。

大学の教員はその訓練を全く受けていない。

ということをクリアした教員に関して述べたつもりである。初年兵の教員はまずこの①②の点から、学生に馬鹿にされるのであるから。

   

ベテランの先生には全く当たり前のことなんでしょうが。。。。

     

     

(管窺)

 

いくつかの参考図書を挙げておきます。

1.ノーベル賞の光と蔭 「科学朝日」編 朝日選書

2.発明の心理 アダマール著 伏見康治、尾崎辰之助 訳 みすず・ブックス

3.科学革命の構造 トーマス・クーン著 中山茂訳 みすず書房

4.「可変思考」で創造しよう 広中平祐著 光文社

5.湯川秀樹・思考と観測 アカデミア・プレス

6.私のロマンと科学 西澤潤一著 中公新書

7.創造の風土 江崎玲於奈著 読売新聞社

8.創造する頭脳 ジョージ・ギャラップ著 南博訳 講談社ブルーバックス

9.ハイゼルベルクの追憶 エリザベート・ハイゼルベルク 山崎和夫訳 みすず書房

10.独創的発想法 糸川英夫著 プレジデント社

11.自然科学的世界像 石原純著 岩波書店

12.一生態学との農学遍歴 伊藤嘉昭著 蒼樹書房

13.奇想からの発想 佐貫亦男著 PHP

14.エレクトロニクスからの発想 菊池誠著 講談社ブルーバックス

15.独創的研究の方法論 市川亀久弥著 三和書房

16.考え方の風土 桜井邦朋著 講談社現代新書

19.独創の精神 川上正光著 共立出版

20.独創性の自己発見 中山正和著 講談社ブルーバックス

21.創造の原点 加藤与五郎著 共立出版

22.発見の論理 米沢弘著 産業能率短期大学出版部

23.発明の源泉  ジュークス、サワーズ、ステイラ

   ーマン。星野・大谷・神戸訳 岩波書店

24.科学が輝くとき 発明発見の過去・現在・未来

   サイエンテイフィックアメリカン編

秘密

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