2008-02-10 18:19 | カテゴリ:未分類

中国の科学捜査能力が問われている

 

今回の冷凍餃子事件では、日本政府の科学警察は全力で取り組むと考えられるが、中国政府はどうであろうか? 近代の犯罪捜査は自白でなくて物証が基本である。したがって思想犯の逮捕拘留判決などとは異なるプロセスで展開する。中国での公害問題や薬害事件などで、科学鑑定がどのように生かされてきたのか、寡聞にして全く知らないが(日本で報じられたことがないのではないか?)、現在の中国の鑑識がそんなに力量が備わっているとはとても思えない。今回はよほど困ったのか、珍しくも中国側から調査団が日本に訪れたが、よく日本の鑑識の捜査法を勉強していくといいと思う。ついでに今後の事件に備えて犯罪捜査ネットワークを両国間で構築すればいいだろう。もうすでにその方向に体制が走っているのかも知れないが。

 

問題の工場への初動捜査の踏み込み、証拠物件の差し押さえ、などが中国の捜査当局によって迅速に行われたと報じられているが、日本のマスコミ人でその現場を見た人はいないのではないか? それらの資料はいまどこに保管されているのだろうか? 意図的に破棄されていないといいのだが。 テレビで放映された現在の餃子製造現場の映像は、すでにえらくきれいに整備されていて、事件発覚後ほとんど物的証拠が隠滅されてしまっているとしか思えない。そんなところに犯罪捜査のハの字もわかっていない関係商社や販売業者がのこのこ出かけていって、「工場はきれいでした」とのたまっているのは笑止千万である。工場側の宣伝に乗っているだけであろう。

 

メタミドフォス、ジクロルボスなどの不純物を含んだLC-MASなどのパターンや金属などの不純物(和歌山のヒ素事件のようにSpring-8が活躍するかも知れない)から、中国で使われているどの時点の生産ロットのメタミドフォスが使われたのか、中国または日本のどの時点での生産ロットのジクロルボスが使われたのかを特定しする必要がある。次にそれを販売した地域を絞り、その地域の関係者で工場で就業した人物や工場と関係した人物を特定するというような方向に捜査の手は伸びて行くのではないかと思料する。そのためには現在中国の農家に残存しているこれらのすでに使用禁止された有機リン剤を早急に回収する作業が必要であろう。特に工場周辺農家が一番の供給源ではなかろうか。いろんなロットの原体をそろえて、犯罪に使われた薬剤がどの時点のどの地域からものであるかを同定する必要がある。

 

  穴の開けられた未使用の袋などからの指紋の採取などは必須であろう。人物同定のためにこれまで作業に関係した従業員全員の指紋採取もやむを得ないであろう。

   以前にこのブログの「ボランテイアとプロフェッショナル」というタイトルで書かせていただいたが、小生は若いときに刑事や民事裁判で合計5本の科学鑑定書を書いた経験がある。以上はその経験からの感想である。

 

ロット:物が生産されるときの一組の単位。どんなに品質管理がしっかりしていても生産条件がすこしでも変わるとどこかでその中身が変化している可能性が大であるので、商品には生産日、生産時間、生産工場などの記載が必須である。)

 

(森敏)

秘密

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