2008-02-03 13:48 | カテゴリ:未分類

 

  以前にこのWINEPブログにも書いたが、理系の大学院を博士課程で卒業しても就職できていない学生が、現在、日本でわんさといる。かなり多くの博士が死亡ないし音信不通になっていると聞く。いわゆるポスドク問題である。

 

  本日、朝日新聞朝刊で

「博士号あれば教員採用」秋田県教委

―――対象は、農学、工学、理学、教育学の博士号保有者。学級を担任するのではなく、地域の拠点校や教育センターなどに籍を置き、専門分野を生かして複数の学校で指導してもらう。採用は若干名。――――(要約)

という趣旨の記事が出ていた。

 

  これは、①日本の小・中・高生の科学的興味の低下や学力低下に歯止めを掛ける、という観点からと、上記の ②ポスドクの就職難を解消すると、いう観点から考えると、かなり先進的な現実的な解決策のひとつであると思われる。

 

  衆知のように上記 ①と②の問題は現在の日本の教育行政の焦眉の解決すべき課題である。この新聞記事では、秋田県の試みは「文部科学省によると全国初の試みという」と文科省は多少傍観者的である。

 

  しかし、この方式が全都道府県に波及すると、単純計算で200名以上のポスドクが救われることになる。また理科教育の現場が最先端の科学的知見から脱落せずに活性化し続ける人的基盤を整備することになる(なぜなら博士号を取得した人材は、世界の最先端の研究競争に参画した経験があり、「研究とはなんぞや」、「研究の苦しみや喜び」を理解しているので、その感動を生徒たちに伝えることが出来るはずだからである)。

  今回の試みは秋田県教育委員会という地方からの発信であるが、このような先進的な試みは、萌芽の段階から文科省が予算をつけて、国が主導して全国展開すべき課題ではないだろうか? それとも、秋田県での効果があるかどうかを2-3年結果を見てから考える、というあいかわらずのとろとろとした時間を掛けたやり方を文科省は踏襲するのだろうか? 

   

  たかが総額20億円の予算を地方に交付すればいい話である。これほど投資効率の高い教育投資はないのではないだろうか。

 

(森敏)

 

 

秘密

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