2009-03-07 13:21 | カテゴリ:未分類

nanohana1.jpg 

 

      生け花用の菜の花の縮れた葉

 

nanaohana6.jpg 

      

表側の表皮側に、もこもこと葉肉がしゃくれて盛り上がっている

           (菜の花)

  

nanaohana13.jpg 

裏面側の表皮細胞側に1ヶ所裏面側にしゃくれているヶ所もある。

          (菜の花)

chijimina1.jpg 

       極端に矮性のチジミユキナ

chijimina.jpg 

 

    表面側に、もこもことしゃくれた表皮細胞

         (チジミユキナ)

chijimiyukina3.jpg 

   

    裏面から見た裏面側の表皮細胞

         (チジミユキナ)

chijimiyukina4.jpg 

    

    裏面から見た裏面側の表皮細胞、

   何ヶ所かは裏面側にもしゃくれている

       (チジミユキナ)

  

菜の花とチジミユキナの観察

  

  菜の花もチジミユキナも何故葉が縮んで見えるのだろうか? 共にアブラナ科である。一方は立茎しているがチジミユキナは矮性である。

  

  葉の表面と裏面を良く観察すると、葉脈間の組織が表面の側にそっくり返っていることがわかる。さらによく見ると何カ所かは裏面側に反っくり返っているところもある。

  

  だから、一般的にこれらの葉は表面側の表皮細胞の分裂や伸張が、裏面側の表皮細胞の分裂や伸張よりも、活発であることがわかる。

  また、葉脈細胞の方が葉肉細胞よりも先に伸張や分裂をやめて、太い葉脈と細い葉脈で囲まれた一定の面積の固定されたフレーム(枠組み)が出来上がってしまった、そのあとに、なお葉肉細胞が分裂や伸張(即ち面積の拡大)をしようとするので、平面的には枠組みが出来ているので行き場がなくて表面側の空間に葉肉がせり出していかざるを得ないことになったのだろう。

  

  要するに、葉脈の細胞分裂・伸張と、葉肉の表面側の表皮細胞の細胞分裂・伸張と、葉肉の裏面側の表皮細胞の細胞分裂・伸張とがお互いにシンクロナイズ(同調)して成長していない結果なのであろう。

  

  これらの細胞の分裂や伸張は、これらの植物に固有の遺伝子発現の結果なのである。要するにそのような順序で遺伝子発現がプログラムされてしまったDNAを持った栽培品種を人間が選抜してきたということなのである。

  

  生け花の菜の花は葉の縮んだ見栄えが面白い品種を選抜した。一方、生食用のチジミユキナは栄養成長では茎が立ち上がらない矮性であるので、農家が育てやすく、調理するときにも鍋物などの食感や味覚がいいからという理由で選抜されてきたものであろう。

 

  アンバランスの美というべきか。

  

(森敏)

 

 

秘密

トラックバックURL
→http://moribin.blog114.fc2.com/tb.php/445-d54cd62b