2008-01-14 14:48 | カテゴリ:未分類

「靖国への帰還」を読む

 

昨日は体調が悪かったので、寝ころがって、内田康夫著「靖国への帰還」(講談社)を一気に読んだ。これは全くの荒唐無稽のフィクション小説であるが、読むほどに著者の渾身(こんしん)の力作であることが伝わってきた。この著者の書物を読むのは初めてであるが、プロットとの展開や、いわゆる「靖国問題」の論理展開、は見事だと思った。

 

小生は靖国神社の近くの、現在の皇居の北の丸公園の中にあったインターカレッジ寮である東京学生会館(いまは日本武道館の駐車場になっているところ)に、45年前の学生時代に住んでいたことがある。当時の建物は太平洋戦争の敗戦後、近衛連隊が逃げ去ったあとのコンクリートの宿舎で、冬は寒風吹きすさぶ家賃が月190円の代物であった。それ以来、小生は靖国神社が懐かしく、春夏秋冬何回も散歩がてらに出かけている。就遊館の展示の変遷も見てきた。だが、なぜかわだかまりがあって、今もって一度も神社の本殿で拝礼をしたことはない。しかし最近では靖国神社を訪れるたびに、学生時代には感じなかった、哀愁を感じるようになってきた。つとに、学徒動員で国家の意思で将来を切断された特攻隊員に対しては、なんとも言いようのない「無念だっただろうなー、悔しかっただろうなー」という気持ちを本当に実感するようになってきた。年のせいか?

 

この本「靖国への帰還」の主人公は武者滋(しげる)少尉である。彼は夜間に本土に来襲する米軍機B29を旧日本軍厚木基地から発進して迎え撃つ、夜間戦闘機「月光」の後部座席に搭乗した偵察員である。

 

著者の内田康夫氏は「これは私の代表作になるかも知れない」と本の帯(おび)に記している。

 

(森敏)

秘密

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