2009-01-05 10:23 | カテゴリ:未分類

toshikoshihakennmura 

          

          日比谷公園にて

 

雇用災害

 

今回の派遣社員や正社員の突然の解雇は派遣村のNPOの連中が言っているように <雇用災害> と言ってもいいだろう。突然の地震や水害で家を失った人たちと同様の状況が、突然、企業という人為で行われたのだから。まさに天災なみの人災である。

 

一方、企業による一方的な突然の<派遣切り>で、路頭に迷って、自殺を試みる人や、傷害事件を起こす人も増えている。察するに、娑婆(しゃば)でいくらあがいても、収入のあてがないなら、いっそ傷害事件でも起こして留置場にぶち込まれるほうがいいい、というところまで追い込まれてしまったということだろう。留置所なら少なくとも雨露(あめつゆ)をしのげる上に3食が付く。乞食(差別用語であるが他に適当な言葉が浮かばない)になるには徐々に適応するための訓練と手持ちの資金が必要であろう。

 

一昔前ならば、首を切られた労働者が団結して、国会や行政府や首切りした企業を包囲したり座り込んだりするデモが行われる所であろうが、現今では個々の派遣労働者は完全に孤立させられているので、そういう実力行使の動きはまだ静(しずか)である。いくら考えても内向して自殺か自暴自棄になるかしか方法がない。

 

また、戦後何回か起こった不景気の時代には郷里の農村や自営業が失業者の一時的な受け皿《緩衝地帯》になっていた。しかし現今では、老齢化と戸数が著しく過少化した農家にそのような余裕は全くない。

 

しかし、行政がこういう状況を無責任に放置し続けると、いつかは日本でも、現在のフランスやギリシャで起こっているような、何かがきっかけになって一触即発の暴動が起こるかも知れない。今は寒いので縮こまっているが、夏が近づくとどうなるか分からない。実力行使はいつもあたたかい春から夏が多い。我が輩が15年前に夏のフランス滞在中に20歳代の失業者が25%を超えたフランスやドイツでは政情不安がおこっていた。ドイツでもネオナチの動きが活発であった。各地で焼き討ちの暴動が起こっていた。

 

突然の派遣切り(現在85000人)がばかりでなく失業者人口が徐々に増えていること自体が問題である。だれでも、食えなくなったり住めなくなったりすれば何をするかわからない。昔の暑い連夜の大阪の <釜が崎の暴動> や東京の <山谷の暴動> も思い起こされる。

 

政府はどうして震災の時と同様に震災用に確保しているはずの仮設住宅を、自治体の公園などに早急に建てて提供しないのだろうか。今年はまだまだ数万人の非正規雇用の深刻な青年・壮年労働者が発生するだろう。ことは急を要する。体育館や講堂などの個人の尊厳が維持できないような緊急避難施設ではなく、住宅を! 当面は直ちに現在空き部屋になっている都営・県営・市営住宅を優先的に開放すべきであろう。これらは電気ガス水道をONにすれば、すぐにでも使用可能だろうから。

 

人間、まず住居が確保されなければ就労のための次の一手を冷静に考える余裕も生まれないだろう。

 

日比谷公園の夜のテント村付近では一人のひげもじゃの酔っぱらい男が大声をはり上げて繰り返し繰り返し同じ言葉を寒空に向けて吠えていた。

   

(管窺)

秘密

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