2007-12-29 15:40 | カテゴリ:未分類

デコポン

 

 デコポンを初めて知ったのは、10年以上前に、さる企業の社長から、自宅にこれが贈られてきた時であった。「弊社の有機肥料を使ってもらっているミカン農家の産物です」といって、確か熊本からの産地直送便であった。ヘソがあって愛嬌のある格好をしてるなーというのが第一の印象で、一粒を口に入れたときに、「これは甘い、こんなミカンができるのか!」と、まず驚いた。

 

 早速手持ち屈折糖度計で計ってみると、なんと糖度が22もあるではないか。普通の温州ミカンがいくら高くても糖度は12ぐらいしかなかったので、農学の研究者として深く考えさせられるところがあった。その後、毎年店頭でデコポンが登場すると、あちこちの店で買っては味見を繰り返している。糖度が高いものほど甘すぎるので、余りたくさん食べられないことが欠点である。しかし、一回にたべる量の値段からいうと、結局温州ミカンを一度に食べられる分と同じ値段を食べていることになるようである。したがって一度に食べる総糖分摂取量は温州ミカンを一度に食べる場合の総糖分摂取量と変わらないのかもしれない。女房からは「こんな甘いものを毎日食べていると太るわよ」といつも警告されているが、目の前にあるとどうしても手がでる。良質なデコポンは皮が薄くてワックスがかかっていないようで皮がむきやすいし、べとつかないし、袋(砂のう)ごとの分離がいいし、袋の皮が薄いので、そのまま食べられるし。。。。とほとんどいいことずくめである。あまりに値段が高くて売れないで店頭に曝されている期間が1週間ほど経ってもさほど見栄えは変わらないようなので、流通・販売業者にとっても保存性が良さそうである。

 

 デコポンの発祥は農水省果樹試験場口之津支場であるが、熊本や愛媛での生産と出荷の調整がうまくいっている商品ではないかと推測している。というのも、年間を通じて、12月の旬(しゅん)の時以外は非常に値段が高値で安定しているように思われるからである。毎年、普通のスーパーで超大型(直径15cmぐらいか)で最高800円ぐらいから、小型(直径7cmぐらいか)の3個で500円ぐらいまでの範囲に収まっている。旬(しゅん)の時はデパートで贈答品として一個1000円以上のものもある。これはうまそうだがちょっと手がでない。

  

 

   柑橘類を同じ品種で糖度を上げるためには、山の斜面の水はけの良い土作りに励んで、軽い水分欠乏ストレスをかけ気味にするのがよい。しかしそれ以上に、糖度を上げるためには、結局ミカンの木の品種改良しかない。調べてみるとデコポンは1972年に中野3号ポンカン(父)と清見タンゴール(母)を掛け合わせて育種したものである。糖度においては両親以上の形質を発揮していると思われる。

  

  

   ちなみに今日、町の普通のスーパーで買ってきたミカン各数個を最新の糖度計ATAGO PR-101αBrix%(蔗糖換算値)をはかったところ以下の通りであった;グレープフルーツ・ルビー(直径10.0-10.5 cm) 8.7-9.0%、温州ミカン(直径6.7-6.9 cm9.4-10.0% いよかん(直径14.2-14.5 cm9.8-10.5%、カリフォルニアオレンジ(直径9.0 -9.2 cm11.3-12.0% デコポン(直径7.5 -7.9 cm) 15.3-16.5%。糖度においていかにデコポンがずば抜けているかがわかるであろう。(以上の測定値はあくまで、筆者が入手できた物と考えていただきたい)

 

  先日高級スーパーでデコポンをためつすがめつ手にとって選んでいるご婦人がいたので、「なにをしらべておられるのですか?」と聞くと、「値段の割に甘さに当たりはずれがあるので慎重に選んでいるのです」との返事であった。出荷時の糖度の品質を厳格に維持して末長い人気を維持してもらいたいものである。(森敏)

秘密

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