2008-11-03 10:51 | カテゴリ:未分類

netto.jpg 

木枠で仕切った試験区はこんな風にネットで四方を覆われている

 

wakame1.jpg 

  上記の試験区の木枠の外側にびっしりと発生した

        ワカメ(?)の群落

   

wakame2!.jpg 

          上記拡大写真 

 

wakame3.jpg 

電子レンジにかけたあとの一塊のワカメ(せいぜい4センチ四方)

   

   

ワカメか?

      

小生らは、これまで5年間にわたって、継続的に富山県の貝化石鉱山で、圃場試験を行っている。

     

貝化石土壌は貝殻の化石が主成分で出来ているので、炭酸カルシューム(CaCO3)含量が約70%と高く、pHが9以上である。したがって、この土壌では作物が鉄欠乏を示して良く育たない(WINEPのホームページをご参照ください)。小生らはこういう強アルカリ土壌でも良く効く鉄系肥料を開発しており、その試験圃場として、ここを社長のご厚意でずっと使わせていただいている。

   

試験圃場は(10メートル)x(10メートル)の面積を一区(2メートル)x(2メートル)で25区画に分割しており、互いの境目を木枠で仕切っている。例年ここで実験計画法による枠試験を行っているのである。

   

今回、この圃場で、といっても圃場の枠の中でなく枠の周辺部でこれまでに観察されたことがない現象が観察された。

   

おどろいたことにこの圃場の(中ではなく)周辺部の木枠の外側にびっしりとワカメとおぼしき生物が発生していた。つまんでみると、ひとつひとつが不定形であり、約4-5センチ四方におさまる。それが“もこもこ”と重なり合って繁殖している。最初はキクラゲかと思ったがそういう厚みはなく、手で持つと、非常に華奢(きゃしゃ)で薄い膜で崩れやすい。

   

それにしても、このワカメの種はどこから来たのだろう。もし海風で吹き上げられて飛んできたのなら試験区全体が全面的にワカメだらけになってもいいはずだろう。しかるになぜか試験圃場の枠の中ではほとんどワカメは観察されない。多分枠試験区内は水分が停滞しにくいところだからと思われた。枠(わく)試験区の土は5センチほど周辺部からは盛り土にしており、したがって雨が降ると圃場の周辺部にじょじょに雨水は流れ去るので、全体枠の外側周辺部は水が停滞する時間(加湿状態)が長いと考えられる。事実、外枠のこのワカメが群生しているところには湿気がなければ生きていけないはずの太い15センチぐらいのミミズがワカメの下に観察された。ワカメを食べて太ったのだろう。

   

虚心坦懐になってもう一度良くあたりを見渡すと、野生動物が侵入しないようにこの試験区の周りには、試験区の外枠の1メートル外側に支柱を建てて高さ2メートルのビニール製のブルーの色の細い編み目のネットで全体をおおっていることにはたと気が付いた。もし海風に乗ってワカメの種が飛んでくると、このネットで捕らえられて、濃縮されてそののち雨でネットの下に流れ落ちる。それが適当な雨量の時に芽を出して増殖した、と考えればすべて納得がいく。

   

その後、この山でもお宮さんを祭っているじめじめした場所や、主として貝化石土壌を使った道路脇(水が流去するので湿気が多い)などでこのワカメは観察されたが、貝化石を使っていない河川敷の藪の中などにも少し発生している(灌木がワカメの種をキャッチして木の幹の下に流下したのだろう)と、現地の方からの報告を受けた。

   

このワカメは乾いても全くの無臭である。貝化石土壌は海水のような強い塩を含まないので、このワカメは淡水性のものだと考えられる。しかし栄養塩類とpHが偶然生育にとって最適条件になっているのだろう。

   

家に持って帰って、水につけて電子レンジにかけたら、とろけるかと思ったら、箸でつまみ挙げると、処理前よりも少し強靱になったようである。電子レンジで細胞壁の架橋構造が強化されたのかも知れない。

   

それにしてもこのワカメ(と信じているのだが)の品種は何だろうか?ワカメの遺伝子診断が出来ればどこから飛んできたのか由来が分かるはずなのだが。ワカメの全遺伝子を読んでいるグループが世界にいるのだろうか?

    

せめて日本固有の「浅草のり」ぐらいは日本の研究機関で遺伝子の全塩基配列を読んでおいてもらいたいものである。

  

(森敏)

 

 

秘密

トラックバックURL
→http://moribin.blog114.fc2.com/tb.php/318-57e9d6a7