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2024-03-07 17:04 | カテゴリ:未分類
世界の海洋鉄栄養研究者は、ゴビの砂漠から黄砂が発生して偏西風に乗って西太平洋へ運ばれるので、その鉄栄養でこの地域の漁場が豊かになっているという定説を信じている。

それは、南氷洋の海水などの鉄が極端に貧栄養となっている海域に、鉄材を散布すると、オキアミなどの異常発生が起こるという大規模実験で実証されている。

だから単純に考えると、世界の貧鉄栄養の海域に鉄材を撒いて行けば、植物プランクトン→動物プランクトン→魚介類という食物連鎖で世界の漁場が豊かになるだろうという期待を抱かせるものがあった。

しかし海洋生態系はそんな単純なものではないかもしれないという海洋生態学者の危惧から、このような試みは、小生の知る限り、いまだ積極的には実用化されていない。

  
スライド3
アムール河の河口が起源の流氷のながれと分布図(黄色い線の範囲)
  
今回、朝日新聞(2月29日夕刊)に、「この30年間で流氷の厚みが3割も減少し、流氷の漂う面積も縮小傾向にある。そのために「オホーツク海域に鉄分が運ばれず海の豊かさが損なわれる恐れがある」という北海道大学の大島敬一郎教授(海洋物理学)・三寺史夫教授(海洋物理学)・西岡純教授(化学海洋学)らの話が載っていた。
 
以下にその記事を部分引用すると、

:::::流氷には、大陸のアムール川などを起源とする鉄分が豊富に含まれている。春に流氷が解けることで、海に鉄分が放出される。その結果、春のオホーツク海では植物プランクトンが大増殖する。それが動物プランクトンなどのエサとなり、魚類を含む海の生態系全体を支える。
ホタテ貝や、カガニ、スケトウダラが取れる北海道沖のオホーツク海は世界的に見ても高い漁業生産量を誇り、「豊饒の海」と呼ばれる。流氷が運ぶ鉄分は、こうした海の豊かさをもたらす要因の一つとなっている。:::::::::::
   
  これまで小生はオホーツク海域の鉄栄養もゴビの砂漠からの黄砂によるものだと思っていたので、今回google検索で、地図上で、アムール川からの流氷の流れの範囲を確かめてみた。

  上図のように、気象庁などが発表する毎日の流氷分布図を見ると、黄色い線の範囲に流氷が発生している。矢印のように流氷がアムール川河口からサハリン東岸に沿って南下して、北海道網走沖に張り出していくとのことである。

  尚、別にgoogleで、黄砂について調べてみると、一年のうち、時には大陸から偏西風に乗っての黄砂が蛇行してオホーツク海に達するときもあるようだが、その頻度は高くはなさそうである。
  
  したがってオホーツク海の鉄の主要な供給源が流氷であるというのは、信じられることと思われる。

  一方で、地球温暖化によるアムール川の流量がどれくらい経年変動しているかも、オホーツク海への総鉄供給量として重要なファクターだと思われるのだが、その情報はこの朝日新聞の記事には記載されていない。
  
  
(森敏)

秘密

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