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2023-10-25 14:38 | カテゴリ:未分類
文京区シビックホール大ホールは1800人規模のホールで、コロナの期間に大改修して、現在盛んに演奏活動が行われている。文京区に転居してきてすでに30年近くなるのだが、歩いてわずかに10分で行けるこのホールでのイベントには、実はこれまで数回しか参加していなかった。どうもオーケストラによる演奏鑑賞がなぜかにがてだったからでもある。

最近、演奏会のシーズンセット券みたいなのができて、手ごろな値段で個々の音楽演奏会に参加しやすくなったためか、女房が小生の誕生祝いにということで入場券を買ってきた。あまり気が乗らなかったのだが、久しぶりなので、参加した。

演目は、實川風(:Kaoru JITSUKAWAピアノ)と周防亮介 (Ryosuke SUHO バイオリン)の共演による以下の6つの小品の演奏であった。

〇ドビュッシイ「ベルガマスク組曲」より”月の光”

〇フォーレ:夜想曲 第4番

〇フォーレ:舟歌 第6番

〇ラヴェル:ツィガーヌ

〇ショーソン: 詩曲

〇フランク:ヴァイオリンソ・ソナタ

これまで一度も文章での音楽鑑賞の表現をしたことがないのだが、周防亮介のバイオリン演奏は実に伸びやかな繊細な安定した弓のさばきであった。小生は、どの曲の演奏に対しても、不覚にも、無意識に自分自身の両手がしっかりと組まれていて、祈るような形で、全聴覚神経を集中していて、いたるところで体の震えを感じた。

バイオリンの生演奏会でのこんな感覚はわが人生ではあまり経験がないものだった。

改修された大ホールの音響効果も素晴らしかったと思う。

周防亮介がいっぺんに好きになってしまった。

満員の観客も同じ感想だったようで、フィナーレではどこからともなくブラボー!ブラボー!の声が飛び交った。


(森敏)

付記:
〇演奏の合間での二人のトークショウで、周防亮介さんが夜型で、真夜中に1時間ばかりマラソンをしていると聞いて少し驚いた。時には2時間も立ち続ける場合があるバイオリン演奏では、かなりの体力がいるので、毎日意識的に筋肉を鍛えなくてはいけないらしい。今回の演奏は19時からであったので、彼の覚醒した体調にはぴったりの時間だったということであった。なるほどね。

〇周防亮介さんが演奏に用いているバイオリンは、1678年製のニコロ・アマティだそうである。NPO法人イエローエンジェルより貸与されているとか。きっといずれの日にか、自分のモノにしたいだろうね。

〇小生は演奏会の後半部分のころには、気管支の奥にコロナの影響がまだ残っており、せき込みそうになるのをこらえるのがやっとだった。あとで気が付いたのだが、公演鑑賞時のパンフレットには、鑑賞時のお願いの項目に「咳の音はホール全体の音に大きく響きます」のでご配慮ください、ときちんと書かれていた。危ないところだった。隣の男性も、せき込みそうなのをぐっとこらえていた。


秘密

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