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2023-06-07 10:24 | カテゴリ:未分類
昨晩BS3で午後10時からのBSプレミアムNHK 「“鉄” 天地創造のテツ学」 という番組を見た。

   番組制作者の涙ぐましい努力が嫌というほど感じられた。

   この番組では 化学記号を一切使わず、生体化合物の構造式を一切使わず(それでいて複雑なフェリチンの立体構造モデルは使っていたが)、中学生レベルでの話の展開であった。

   岩井一宏教授はよく我慢して、むつかしい話を砕いて説明していたように思う。実にお疲れさまでした。

   ヘモグロビンやチトクロームの「ヘム」などはむつかしくてもポルフィリン骨格を示した方がよかったのではないだろうか。

   大人になれば健康診断の血液検査の結果で「ヘム」という科学用語などは「常識」になるので、子供の時からでも構造を見慣れていたほうがいいのではないだろうか。

   話を分かりやすくしようと化学反応を砕きすぎて、たとえ話や模式図で話を展開しようとすると、かえって複雑になって、受け取る側からの誤解が生じて、ストレートに生体反応のメカニズムが理解できないことになるのではないだろうか。番組への参加者からの反応に、そういう雰囲気が感じられた。

   NHKは社内試写会で放映前に内容をチェックをしているのだろうが、科学番組は高校生レベルにした方がいいと思う。

それでもこの番組から鉄が地球規模で循環しているという鉄の重要性。つまり『鉄学』は、何とか理解されたのではないか。
  

(森敏)
秘密

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