fc2ブログ
2023-03-09 06:29 | カテゴリ:未分類
3月7日の国産のH3型一号機は、2段目のロケットが点火せず、またしても打ち上げに失敗した。その原因に関してJAXAは有識者への説明会で、暫定的に以下のように回答している。

「飛行データの分析で、第2段ロケットの機体制御システムがエンジンを点火する信号を発信し、エンジン側の電気回路が受信していたことが判明。その後、電源系統の異常が確認されたが、機体側、エンジン側のどちらであったかは調査中としている。」

と産経新聞が報じている。電気系統の異常って、なんのことかさらに詳しくのべてほしい。

さらに小生の疑問は、一回目のH3ロケット打ち上げ失敗の時の、本体につけている補助エンジンに着火しなかった理由に関して、なぜかJAXAは(小生の知るところでは)一言も述べていないことである。大部分の国民がロケットの細部に関して素人だからと言って、失敗の理由とそれを解決した理由を述べないのはよくないと思う。

日本国民の知的レベルは、ロケットが、ただ「打ち上げに成功すればばんざーい」 というレベルではすでにないと思う。失敗をどのように解決したかを知ることによって、国民もすこしずつ賢くなるのである。それが税金を使った宇宙開発の教育的効果だろう。


(森敏)

付記:以上のことについてChatGPTと議論したのだが、全く議論がかみ合わなかった。ChatGPTは科学論議は苦手みたいだ。論理の積み上げができないようだ。同じ問答を繰り返してくる。急いで改良すべきだ。このままではちょっと使い物にならない。

追記:
H3ロケット、異例の失敗=第2段着火せず、電源系に異常―元三菱重工課長「まさか」
3月12日

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新型ロケット「H3」1号機は、第2段エンジンに着火せず、打ち上げに失敗した。日本の主力ロケット失敗は1990年代後半以降で6回目だが、これまではエンジンのポンプやノズルの破損など、機械的なトラブルだった。今回は飛行中に送信されたデータから電源系統に異常が見つかっており、電気系やコンピューターによる自動制御が原因とすれば、初めての例となる。

 過去5回の失敗のうち、H3と同じ液体燃料ロケットはH2・5号機と8号機、H2A・6号機の3回で、残る2回は固体燃料ロケットのM(ミュー)5・4号機とイプシロン6号機だった。

 三菱重工業で液体ロケットエンジン設計課長を務め、H2やH2Aの開発に携わった松山行一名古屋大特任教授(64)は、H3・1号機が第2段エンジンに着火しなかったと知って絶句した。「実績ある第2段なので、まさかと思った」という。

 このエンジン「LE―5B―3」は、液体水素と液体酸素を燃焼させ、ガスを噴射する。1986年に初飛行したH1ロケット用に開発された初代以降、改良を重ねて5代目に当たる。H2やH2A、H2Bでも第2段に搭載され、高性能で信頼性は極めて高い。失敗の原因となったのは98年のH2・5号機の1度しかない。

 この時は2回予定した燃焼のうち、2回目で途中停止した。製造時の作業ミスで燃焼室に亀裂が生じ、高温の燃焼ガスが漏れて電源配線が焼き切れた。

 「LE―5B―3」は先代より燃焼時間を長くするなどの改良が施された。松山さんは「電子部品に不具合があったか、電子機器の組み立て作業にミスがあったか。それとも回路の設計に問題があり、試験段階で検証し切れなかったのか」と首をひねる。データ解析で原因を絞り込めれば、H3・2号機用の第2段で確認できる可能性があるという。

 原因究明と対策に時間がかかれば、後続機の打ち上げの遅れが懸念される。特に火星の衛星フォボスからの試料回収を目指す探査機や、国際宇宙ステーションに物資を運ぶ新型補給機の打ち上げは影響が大きい。 

秘密

トラックバックURL
→http://moribin.blog114.fc2.com/tb.php/2884-30aa90bb