WINEPブログ
「飯舘村のカエルの放射能汚染」
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2022-12-31 16:19 |
カテゴリ:未分類
12月30日は朝から快晴だった:以下は朝の散歩道の逍遥の駄句連作です。
こらえ切れず 倒産店頭の 街歩む
今年はコロナのせいでいくつもの店が本郷通りと春日通りでも倒産閉店した。転売改修中の店も多い。
限りなき コブシの蕾(つぼみ) 芽吹きおり
無縁坂のコブシが2月末の開花を目指してすでに無数に着いている。
家々に ごみ集積す 晦日(みそか)前
年末最後の大掃除をしたのだろう、今日が最後のごみ回収日なんだろう。マンション入り口にゴミ袋が満載である。
ちゅんちーちー 仲間呼び交う 樹々の朝
三菱資料館や岩崎邸の高木には多種類の小鳥が住んでいる。
献血後 ダムに身投げし 若き君
なぜか、歩いていると、突然、小生が大学の助手のときに隣の土壌学教室の元気だった4年生の学生が突然いなくなって、あとで聞いたら小河内ダムに身投げした、ということを思い出した。彼は投身自殺前に御茶ノ水の赤十字に献血してささやかに社会に貢献しておきたかったのではないかという噂であった。
本年も まだらに剥けたり ポプラ肌
不忍通りのポプラの樹の葉が全部散って、木肌から鹿の子まだらに皮がむけて、木の代謝が感じられる。
タイ人か 定点陽だまりに 談笑す
不忍の池の周りには各所に外国人が集まって交流を重ねている。民族によって集まる場所が決まっているようだ。
なにゆえに 幼き子らは 滑り台
親が見守る中、2家族の幼い娘子3人が繰り返し繰り返し滑り台に登っては滑って、時々転んで泣いたりしている。高低差をお尻で感じながら滑るということが、何か人類の原始的な快感の進化と関係があるのだろうか?
読経なり 人々座りて 厳粛に
上野寛永寺の鐘の音が正午を告げている。不忍池の弁天堂では読経が始まった。参拝しようとしたが、賽銭箱の音がうるさいのか、参拝の皆さんは堂内や屋外の椅子に座って、黙然としている。終わってから投げ銭するのだろうか? 読経が長くなるので小生は退散した。
老女友 ホット饅頭で 若返る
老いた女友達が弁天堂参道の屋台から買ったと思われる、ほかほかのまんじゅうをたべながら嬉しそうに談笑している。お二人ともすでにご主人がなくなっているのかもしれない。
望遠の チャンス狙いで 逆光に
多分、多種類の鳥たちの振る舞いのシャッターチャンスを狙って、玄人並みの装備をしたカメラマンが何人かが池の周りをうろうろして、あえて逆光映像を狙っている。
アメ横や コロナ恐れぬ 人の浪
と、テレビの歳末風景で見たので、アメ横にはいかなかった。
我は杖 横走り去る 若老人
小生は足がつり気味なので杖を突いてよたよた歩いているのに、そこを颯爽とやせ型の老人が若々しくマラソンで駆け抜けていった。
廃線の 園内モノレール 輝けり
小池知事により、上野公園のモノレールが老朽化で廃線と決まった。これは子供や孫を楽しませてくれた。金網のフェンス越しに図らずもこのモノレールが輝いて見えた。お役目ご苦労様でした。
間引きせぬ 鯉福福と 蓮(はす)食らう
不忍池では夏には蓮が池の全面に生育して秋には枯れていき、湖面より上が人手で除去される。しかし地下茎のレンコンは全く回収されていないので、これがこの池の生態系を持続的に維持し続けていると考えられる。一方、これらを食べる鯉は、全く間引きされていないようだからか、太る一方である。いつどこで見ても数十センチの○○と太った鯉が無数に悠然と泳いでいる。
頸(くび)伸べて ねだる湖面に エサ投げ男
ベンチに座っていると、目の前のカモが繁く寄ってきて餌をねだる。生態系保護のためにカモや鯉には餌を投げてはいけないことになっているが、つい可愛さにほだされて、ベンチの老人はパンくずを投げてしまうのである。
ベンチにて もぐもぐ茶のみする 老いし人よ
ポンチ絵に出てくるような凹面顔のおちょぼ口の日焼けした老人が、食後にうまそうにお茶を喉音を立てて飲んでいた。その横顔がいかにも漫画チックであった。前歯が全部抜けているのだろう。公園のあちこちでねぐらを求めて生きているのだろう。
鵜(う)は潜り 波紋残してや 突出し
鵜が浅い池にエサを求めて潜って、波紋を残して、30秒ぐらいして、数メートル先にひょっこりと浮かび上がることを繰り返している。どこに浮上するのか見ていて飽きない。だが、獲物をくわえて浮上したのを見たことがない。
スーパーに 第九流れ ニシン昆布巻き
業務スーパーに立ち寄ってみたら、正月用品が満載されている。明日が大晦日だからというわけで、ベートーベンの交響曲第9番が流れている。だがあまり、買い物の雰囲気にはそぐわないと感じた。年越しそば用に昆布巻きだけを買った。
ご飯粒 群れなすハトに 手延べする
このおじちゃんは公園の常連らしく、ハトが30匹ばかり続々と群がってきており、そのうちの数匹のハトは、おじちゃんが指につけたごはんつぶみたいなものを直接口に渡してもらっていた。随分親しい。
赤銅(しゃくどう)に 光る頭が カップ麺
最近湖畔に建立された鑑真像のようなつるっぱけで赤銅色に照る照る頭のおじさんが群がるハトの前でカップ麺をおいしそうにすすっていた。この人も無宿らしい。
弛(たる)みの女身(み) ゆっくりマラソン 歩き無く
少しおなかが太り気味の中年女性がゆっくりゆっくりマラソンしていた。絶対に歩かないぞという真剣な雰囲気だった。
晴れやかに 語る男女が 不忍池(いけ)に入る
背が高くスマートでセンスのいいオーバーを着た若い男女が、いかにも楽しいことがありそうな晴れやかな顔をして不忍湖畔に入っていった。小生は出ていくところだった。
初(はつ)日の出 打倒プーチン 祈りたし
それでは、皆様にとって来年が良いお年でありますように!
(森敏)
こらえ切れず 倒産店頭の 街歩む
今年はコロナのせいでいくつもの店が本郷通りと春日通りでも倒産閉店した。転売改修中の店も多い。
限りなき コブシの蕾(つぼみ) 芽吹きおり
無縁坂のコブシが2月末の開花を目指してすでに無数に着いている。
家々に ごみ集積す 晦日(みそか)前
年末最後の大掃除をしたのだろう、今日が最後のごみ回収日なんだろう。マンション入り口にゴミ袋が満載である。
ちゅんちーちー 仲間呼び交う 樹々の朝
三菱資料館や岩崎邸の高木には多種類の小鳥が住んでいる。
献血後 ダムに身投げし 若き君
なぜか、歩いていると、突然、小生が大学の助手のときに隣の土壌学教室の元気だった4年生の学生が突然いなくなって、あとで聞いたら小河内ダムに身投げした、ということを思い出した。彼は投身自殺前に御茶ノ水の赤十字に献血してささやかに社会に貢献しておきたかったのではないかという噂であった。
本年も まだらに剥けたり ポプラ肌
不忍通りのポプラの樹の葉が全部散って、木肌から鹿の子まだらに皮がむけて、木の代謝が感じられる。
タイ人か 定点陽だまりに 談笑す
不忍の池の周りには各所に外国人が集まって交流を重ねている。民族によって集まる場所が決まっているようだ。
なにゆえに 幼き子らは 滑り台
親が見守る中、2家族の幼い娘子3人が繰り返し繰り返し滑り台に登っては滑って、時々転んで泣いたりしている。高低差をお尻で感じながら滑るということが、何か人類の原始的な快感の進化と関係があるのだろうか?
読経なり 人々座りて 厳粛に
上野寛永寺の鐘の音が正午を告げている。不忍池の弁天堂では読経が始まった。参拝しようとしたが、賽銭箱の音がうるさいのか、参拝の皆さんは堂内や屋外の椅子に座って、黙然としている。終わってから投げ銭するのだろうか? 読経が長くなるので小生は退散した。
老女友 ホット饅頭で 若返る
老いた女友達が弁天堂参道の屋台から買ったと思われる、ほかほかのまんじゅうをたべながら嬉しそうに談笑している。お二人ともすでにご主人がなくなっているのかもしれない。
望遠の チャンス狙いで 逆光に
多分、多種類の鳥たちの振る舞いのシャッターチャンスを狙って、玄人並みの装備をしたカメラマンが何人かが池の周りをうろうろして、あえて逆光映像を狙っている。
アメ横や コロナ恐れぬ 人の浪
と、テレビの歳末風景で見たので、アメ横にはいかなかった。
我は杖 横走り去る 若老人
小生は足がつり気味なので杖を突いてよたよた歩いているのに、そこを颯爽とやせ型の老人が若々しくマラソンで駆け抜けていった。
廃線の 園内モノレール 輝けり
小池知事により、上野公園のモノレールが老朽化で廃線と決まった。これは子供や孫を楽しませてくれた。金網のフェンス越しに図らずもこのモノレールが輝いて見えた。お役目ご苦労様でした。
間引きせぬ 鯉福福と 蓮(はす)食らう
不忍池では夏には蓮が池の全面に生育して秋には枯れていき、湖面より上が人手で除去される。しかし地下茎のレンコンは全く回収されていないので、これがこの池の生態系を持続的に維持し続けていると考えられる。一方、これらを食べる鯉は、全く間引きされていないようだからか、太る一方である。いつどこで見ても数十センチの○○と太った鯉が無数に悠然と泳いでいる。
頸(くび)伸べて ねだる湖面に エサ投げ男
ベンチに座っていると、目の前のカモが繁く寄ってきて餌をねだる。生態系保護のためにカモや鯉には餌を投げてはいけないことになっているが、つい可愛さにほだされて、ベンチの老人はパンくずを投げてしまうのである。
ベンチにて もぐもぐ茶のみする 老いし人よ
ポンチ絵に出てくるような凹面顔のおちょぼ口の日焼けした老人が、食後にうまそうにお茶を喉音を立てて飲んでいた。その横顔がいかにも漫画チックであった。前歯が全部抜けているのだろう。公園のあちこちでねぐらを求めて生きているのだろう。
鵜(う)は潜り 波紋残してや 突出し
鵜が浅い池にエサを求めて潜って、波紋を残して、30秒ぐらいして、数メートル先にひょっこりと浮かび上がることを繰り返している。どこに浮上するのか見ていて飽きない。だが、獲物をくわえて浮上したのを見たことがない。
スーパーに 第九流れ ニシン昆布巻き
業務スーパーに立ち寄ってみたら、正月用品が満載されている。明日が大晦日だからというわけで、ベートーベンの交響曲第9番が流れている。だがあまり、買い物の雰囲気にはそぐわないと感じた。年越しそば用に昆布巻きだけを買った。
ご飯粒 群れなすハトに 手延べする
このおじちゃんは公園の常連らしく、ハトが30匹ばかり続々と群がってきており、そのうちの数匹のハトは、おじちゃんが指につけたごはんつぶみたいなものを直接口に渡してもらっていた。随分親しい。
赤銅(しゃくどう)に 光る頭が カップ麺
最近湖畔に建立された鑑真像のようなつるっぱけで赤銅色に照る照る頭のおじさんが群がるハトの前でカップ麺をおいしそうにすすっていた。この人も無宿らしい。
弛(たる)みの女身(み) ゆっくりマラソン 歩き無く
少しおなかが太り気味の中年女性がゆっくりゆっくりマラソンしていた。絶対に歩かないぞという真剣な雰囲気だった。
晴れやかに 語る男女が 不忍池(いけ)に入る
背が高くスマートでセンスのいいオーバーを着た若い男女が、いかにも楽しいことがありそうな晴れやかな顔をして不忍湖畔に入っていった。小生は出ていくところだった。
初(はつ)日の出 打倒プーチン 祈りたし
それでは、皆様にとって来年が良いお年でありますように!
(森敏)
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