WINEPブログ
「飯舘村のカエルの放射能汚染」
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2022-11-13 14:32 |
カテゴリ:未分類

ウクライナ軍がヘルソン州の首都ヘルソン市をロシア軍から奪還した。というよりも、ロシア政府の発表によると、ロシア軍は、ロシア政府が正式に撤退を表明した後の、わずか2日間で兵士や戦車や砲弾を残さずに迅速に退却したことになる。これが真実だとすればロシア軍は、実に統制が取れている正規軍をこの激戦地区に配置していたことになる。
そんな奇跡的撤退はありえないので、撤退宣言のはるか以前から撤退の準備をしていに違いない。世界がロシアに騙されていたのである。
ウクライナ軍による取り残された残留兵狩り(投降勧告)が始まるだろうが、そこでどれだけの兵士が取り残されたかが明らかになるだろう。
ヘルソン州は今後は冬を迎えて、ドニプロ河(昔、日本の地理の授業ではドニエプル河と学んだ気がする。今でも日本のマスコミは両方の名前を使っている)をはさんで西岸のウクライナ軍と東岸のロシア軍が対峙することになる。ヘルソン州内のドニプロ河のすべての橋が破壊されていると報道されているので、両軍ともに渡河することが困難で、今後の渡河作戦がお互いの軍の焦点となる。
「しばらくはドローンや航空機による飛び道具による爆撃作戦(空中戦)が展開されるだろう。その間に凍結した真冬の陸上戦に向けての人海作戦(human wave)が隠密裏に実施されることになる。」と、日本の軍事評論家たちは宣(のたま)っている。

ただし、現在の時点で人工衛星の空からの映像では、上図のようにカホフカ橋が一部崩壊していることが非常に懸念すべきことである。右岸側の破損部位は、ダムの調節機能が作用できない部分のようなので、上流の水位の急激な低下と、この川の上流にあるカホフカ原子力発電所の取水量が徐々に低下して、冷却機能がなくなり、原子炉が暴発しないか本気で心配になってきた。このような放射能汚染の懸念は依然のwinepブログでも述べておいた。
このダムはドニプロ河からクリミヤ半島にも分流されていて、クリミヤ半島の重要な唯一の給水源となっているので、その水量の低下が極端に起こらないような爆破をロシア軍がしているようにも見受けられる。クリミヤ半島はロシア領土だと狂犬プーチンは宣言しているのだから。しかもヘルソン州西岸の住民を数万人クリミヤ半島に避難させたようなので、そこで水飢饉が起こったらそれこそロシアのオウンゴール(自損事故)になってしまうだろうから。
だから、カホフカ大橋ダムのさらに詳細な映像が待たれる。
(森敏)
追記1.その後テレビ朝日の映像で以下のようなカホフカ大橋の全長の衛星写真が放映された。

追記2.またその後以下のように、ロイターにより破壊前のカホフカ大橋/ダムの衛星写真が紹介された。この記事によればロシア側はウクライナが橋を破壊したと言っている。

追記3.その後ロシア側の報道で、カホフカ橋の爆破の動画が開示された。右岸のダム3桁が破壊された。今後このダムの上流の貯水量の減少速度がどうなるか大いに危惧される。
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