2008-10-01 05:46 | カテゴリ:未分類

anntoshiann.jpg 

 なぜアスパラガスの基部にアントシアニンの紫色が

      薄く乗るのだろうか 

   

商品価値を下げるアスパラガスのアントシアニン

 

 

今の時期にはなぜかハウス栽培のアスパラガスの基部から上にかけて薄い紫色が乗る。そうすると商品価値が下がる。従って、この紫色の部分を切り落として市場に出している。紫色を乗せないように栽培したいが、農家はどう工夫してもこの傾向を克服できないでいる。

 

紫色はきっとアントシアニン色素の系統であるから、この色素が誘導される条件がこの時期の現場の栽培条件の中に起こっているわけである。

 

ふつう、リン酸欠乏になるとトウモロコシなどの茎が紫色を浴びることはよく知られている。また、低温ストレスでも同じことが起こる。しかしいずれも現在のハウスアスパラの栽培条件ではあり得ないことだとアスパラ栽培農家は言っている。

 

付近のハウスアスパラ農家全員が同じ紫色化現象を経験しているとのことである。小生は実際に観察したわけではないが。

  

アスパラの一連のアントシアニン合成酵素遺伝子群が緩く発現しているに違いない。さてその原因は何だろう? 小生には土壌養分の過不足のどれかがこの遺伝子群の発現の引き金になっているとしか考えられないのだが。

 

しかし真の原因の追及のためには多くの農家の栽培状況の観察結果を集約することが必要である。そこから今まで知られなかった原因として何かが見えてくるに違いない。だから、生産現場の観察は非常に重要なのである。

  

本件に関してはまだアントシアン合成遺伝子の発現の引き金(トリガー)になる原因遺伝子が究明されていない。

 

実は、現在の分子生物学は、現場(フィールド)の作物の異常現象を観察した場合に、その作物の遺伝子発現量の違いを正常な区(対照区)と比較することによって、どんな遺伝子が、その異常現象にかかわっているかということを調べることを可能にしている。従ってお金をかけて本気で原因追及をしようと思えば、力ずくでの原因の追及は可能である。ただそれをやる対費用効果があるかどうかだけなのである。

  

 

(森敏)

秘密

トラックバックURL
→http://moribin.blog114.fc2.com/tb.php/279-3f08104f