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2022-08-24 14:14 | カテゴリ:未分類

朝日新聞のインタビューに対してウクライナの作家アンドレイ・クルコフ氏が以下のことを述べている。

:::::(今後)数か月の間、前線が完全に膠着すれば、侵略を始めた国が敗戦したのだという意識が生まれてくるはず。私が恐れるのは、欧州がプーチンの面目を保つために妥協を提案する動きに回帰することです。その場合、ロシアが得る権益はウクライナより大きいです。:::::
  
彼が言わんとすることは、「西欧陣営はひよるな!」ということである。
  
政治家は『妥協(compromize)すること』を美徳とする人種であるので、ウクライナ戦争では、朝鮮戦争の時のような38度線での南北分断された2つの国家を作って休戦協定で停戦させたい、という政治家が多いと思われる。
  
しかしそれでは焦土と化しつつあるウクライナは敗戦国同然となり、狂犬プーチンは戦争犯罪人にならず、ロシアはウクライナに戦争犯罪国家としての賠償金を払わずに済むことになるので、事実上プーチンロシアが大勝したということになるのである。
  
これまでのロシアによるウクライナへの破壊活動により、この国の復興にかかる予算は日本の国家予算の100兆円以上が必要、と識者によって試算されている。小生はこれは過小評価だと思う。日本での東電福島第一原発事故ではこれまでの10年間に、すでに国家予算の32兆円が支出されている。
  
ロシアの直近の国家予算額は約32兆円弱であるから、もしロシアが敗戦国と認定されて、賠償金を支払わせられることになれば何年もかかって支払うことになり、ロシアは超弱小国家となる。これは第一次世界大戦後に敗戦国ドイツが超債務国家として塗炭の苦しみを負った、二の舞になるだろう。
  
モスクワの若者はそれをすでに悟ってか、国外脱出を試みているようだ。この戦争が始まる前の10年間でもすでに500万人が脱出したと報じられている。ロシアは国内的にすでに有能な若者にとって希望がない国に成り下がっていたのである。(すでに国家財政が破産したバングラデッシュでは、優秀な若者が現在進行形で大量に国外脱出していると報じられている。)
  
  
(森敏)

付記: ウクライナ問題ではEUは一応、ウクライナ支援での結束を持続する努力を続けているようだ。

プーチン氏は「ウクライナ支援疲れ」期待 EU外相インタビュー

【AFP=時事】欧州連合の外相に当たるジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表は23日、AFPのインタビューに応じ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、物価高騰がEU市民の家計を直撃することで欧州内に「ウクライナ支援疲れ」が出てくることを期待している、との考えを示した。
 EUは来週、チェコの首都プラハで外相ならびに国防相会合を開く。ボレル氏としては、ロシアの侵略行為を前に結束してきたEUの外交姿勢をさらに強化したい考えだ。
 EU加盟国はこれまでに、プーチン氏側近とロシアの経済部門に対する一連の制裁で合意。しかし現在、エネルギー価格の高騰とインフレ高進を受け、一部加盟国は深刻な景気後退入りのリスクに直面している。ボレル氏にとっては、EUの結束を維持することが急務となっている。(c)AFP/Christian SPILLMANN


追記1:EUはウクライナの軍事支援を何とか持ちこたえようと努力しているようだ。

 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)加盟国の国防相らは30日、チェコの首都プラハで会議を開いた。ウクライナ問題をめぐって討議し、全加盟国がEUの枠組みで支援を継続するとの認識で一致。ウクライナ軍に対する訓練実現に向けた具体的な検討に入ることを決めた。

 EUのボレル外交安全保障上級代表(外相)は会議後の記者会見で、「EU加盟国は引き続き(ウクライナを)必要な限り必要なだけ支援することで合意した」と述べた。オンラインで参加したウクライナのレズニコフ国防相から要望を聞き取ったことを明かし、迅速に対応する考えを示した。


追記2:今頃になって、ポーランドがドイツに対して、第2次世界大戦時の」損害賠償費を請求し始めた。おそらく、ウクライナの戦後復興費を考えて、自分rの戦後復興に塗炭の苦しみを覚えた記憶がよみがえってきたのであろう。
それにしてもその額の多さに驚くばかりだ。


第2次大戦の戦争損害183兆円 ポーランド、独政府に賠償交渉要求
カチンスキ党首=1日
、ワルシャワ(AP) 2022/9/2 10:03

ポーランド政府は1日、第二次大戦中のナチス・ドイツの侵攻と占領による損害は約6兆2200億ズロチ(約183兆円)に上るとの試算を発表した。ドイツ政府に賠償交渉を求める。
83年前の1939年9月1日にナチス・ドイツがポーランドに侵攻し、第2次大戦が始まった。45年の終戦までにポーランドでは約600万人が犠牲になったとされる。
欧州メディアによると、ポーランドは2015年に愛国主義的な保守与党「法と正義(PiS)」が政権を取って以降、ドイツに対する賠償請求論を主張。ドイツ政府はポーランドが1953年に賠償請求を放棄したため請求権は消滅したとの立場で、賠償問題は解決済みだとの姿勢を崩していない。
PiSのカチンスキ党首は「ドイツは甚大な損害をもたらした」と訴え、賠償金を受け取るまで「長く困難なプロセス」になるだろうと述べた。(共同)


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