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2022-06-22 15:55 | カテゴリ:未分類
  ウクライナ戦争が世界の化学肥料の流通を急激に阻害している。
 
  中露と資本主義圏との商品流通のデカップリングの時代が始まっている。そのために、日本の農業が依存している化学肥料のうちの窒素・リン酸・カリが不足して値段が高騰している。以下の記事はそのことの風雲急を告げている。
  
  日本の農家は本気で有機農業を目指すべき時が来た。すなわち、人糞尿を活性汚泥として回収し、家畜糞尿を堆肥として完全に回収するシステムの創生を、これまでよりもより一層加速すべきであると思う。
  
  以下昨日の日経新聞を無断転載します。

 
肥料高騰、農家は消耗 中国・ロシアから原 料調達難航
2022/6/21 11:30 日本経済新聞 電子版
農作物の育成に欠かせない化学肥料の価格高騰が農業経営に影 を落としている。原料主産国の中国が国内流通を優先して輸出 制限したほか、ウクライナ危機に伴う経済制裁でロシアからの 調達も滞ったためだ。影響は長期化が予想され、政府はカナダ やモロッコなどからの代替調達を急ぐ。食料安全保障の観点か ら化学肥料に頼らない農業への転換が課題だ。 化石燃料を原料とする化学肥料の削減は脱炭素化にも欠かせな い。政府は21日の農林水産業・地域の活力創造本部(本部長・ 岸田文雄首相)で、化学肥料の使用量を2016年時点から20% ほど低減させ、30年までに72万トンにする中間目標を決め た。農水分野の二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロに向け、 50年には30%減の63万トンにする。 化学肥料は「肥料の三要素」とよばれる窒素、リン酸、カリ (塩化カリウム)からつくる。原料はほぼ全量を輸入に頼る。 農業の経営費に占める肥料費の割合は最大13%にのぼる。特に 畑作、野菜、水稲などで肥料が多く使われる。肥料高は農業現 場に波及する。 「値上げは痛手だ」。広島市内でコマツナを栽培する今田典彦 さん(42)は語る。昨年夏ごろから、年間900袋ほど購入して いる肥料のうち、一部の価格が10%ほど上がった。深刻なのは 農作物の販売価格に転嫁できないことだと訴える。「価格は市 場相場に左右される。相場が上がらなければ契約販売先との交 渉は難しい」と嘆く。 兵庫県豊岡市のコメ農家の間でも「肥料は高くても買わざるを 得ないが……」と不安が広がる。コメ価格は低下傾向にあり、 肥料高は経営を圧迫する。「生産コストがさらに上がれば、農 家をもうやってられない」との声も漏れる。 世界銀行の肥料価格指数は22年第1四半期に前年同期を10%ほ ど上回り、過去最高に達した。主産国であるロシアと中国の供 給停滞が響いた。世界的な食料増産を背景に、中国は21年秋か ら自国内での流通を優先して輸出制限をかけた。 中国の動きは日本の産地を揺らす。全国農業協同組合連合会 (JA全農)は5月末に肥料価格を前期に比べて最大94%値上げ すると決めた。ウクライナ危機の長期化で調達不安は高まり、 世銀は22年の通年価格が前年比で70%近くまで上がるとみ る。 肥料の原料調達を国別にみると、日本はリン酸の9割を中国に 依存する。塩化カリウムは3割弱をロシアとベラルーシからの 輸入に頼る。肥料の海外依存は日本の食料安全保障のアキレス けんとなりかねない。 農林水産省は代替品の確保に動く。中村裕之副大臣は20日から カナダを訪問し、ロシアからの調達が困難となった塩化カリウ ムの供給確保を依頼する。5月中旬には武部新副大臣がモロッ コを訪問しリン酸の安定供給を要請。肥料の世界的な争奪戦は 今後も続くとみられ、農作物の価格上昇圧力となり得る。 有機農業への転換がカギを握る。国内の有機栽培面積は18年時 点で2万3700ヘクタールと農地面積の0.5%にとどまる。農水 省の環境保全指針「みどりの食料システム戦略」が掲げる「50 年までに25%」はまだ遠い。 政府は物価高対策で肥料の原料への資金支援に着手したが、補 助金だけでは限界がある。農業経済学に詳しい東京大学の鈴木 宣弘教授は
「肥料に調達難の危機が迫る今こそ、農業そのもの を見直す大局的な視点が求められる」と話す。
 
 


(森敏)
追記:本日(6月28日)のNHKニュースで、ウクライナ戦争による肥料の高騰を受けて、上昇価格分の70%を日本政府が補償する、という報道があった。わずか10秒ぐらいの報道であったので、具体的な内容は全く不明である。単なる参議院選挙対策かもしれない。
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