WINEPブログ
「飯舘村のカエルの放射能汚染」
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2022-06-18 15:59 |
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すでに1か月前のことになるが、地方各紙が上記のような記事を掲載している。(ダブルクリックして拡大して読んでください)。
文科省所轄の新しく始まる大型プロジェクトでは「ムーンショット型研究開発制度」と称して、年間800億円が計上されているようだ。それに応募してこれまでに採択された324人の研究者に対して、財務省が調べたところ。一人で掛け持ちする研究課題が10件以上の研究者が全体の6%、30件を超える研究者は2%もいるとのことである。
6%ということは19名いるということであり、一人で平均して年間2.5億円もの多額の研究費を受け取るということである。もちろん彼/彼女の研究班の中には、他の研究組織などからの共同研究者が金魚のふんのように何名かが集っているはずだから、一人でこのお金を使うわけではないだろう。しかし掛け持ちしている他の9件からの研究費からも、彼/彼女にはお金が入るから、特定の個人に対して潤沢すぎるお金が入ってくることになる。一人で何人のポスドクを抱えるつもりか知らないが、面倒みられるのかねと、他人事ながら心配だ。
当人は大学内外行政や授業や、講演や論文執筆やでほとんど時間がとられて、ポスドクや学生との交流に時間はほとんど得られないはずだ。週一回のゼミのための時間確保もママならないかもしれない。ましてや自分自身が実験に専念できる時間は皆無だろうと想像する。
小生の知人では、、国立大学でも年間数十万円しか自由に使えるお金がないという嘆きも聞かれる。あまりのも極端な研究費の偏在である。
「お前が無能であほだから仕方がないだろう!」
と言われれば引き下がるしかないのかもしれないが、 研究者としての気力がそがれるほどの富の偏在が同じ職場で存在することは互いの精神衛生上甚だよろしくないことだと思う。
さて、それはそれとして、
これを書いていてて、思いついたのだが、当面の喫緊の研究課題として
『ウクライナを勝たせるために、日本はどう貢献すべきか』
というテーマで、向こう5年間でいいから、全学問分野横断のプロジェクトを、文科省には起ち上げてもらえないだろうか? 毎年10億円、5年間で50億円もあれば、多くの研究者が参集出来て、活発な議論が出来て、素晴らしい政策提言が出てくることと思われる。
あくまで学問的な議論だから、現今の週刊誌や月刊誌やテレビや、インターネットで、好き勝手な議論がなされているのを、根拠のある実証的な議論としてまとめ上げて、ウクライナ戦争の時々刻々の政策提言が出来ればいいのではないだろうか?(甘いかな)
小生は昔、『高度技術社会のパースペクテイブ』(竹内啓研究統括)に参加させていただき、文理融合の科学技術論争を喧々諤々聞かせていただいた。この研究班からは、現在活躍されている多彩な有能な研究者が数多く輩出したと思う。
しかし、この研究班の中でも、狂犬プーチンが唱えるような「核を使える」戦争の時代が来るということはだれも予測できていなかった。平和ボケの時代だったね。
差し迫った核戦争のシミュレーションは誰がどれだけできているんだろうか?
(森敏)
追記:年間10億円は高いと思うかもしれないが、実はそうでもないのである。
前述の『高度技術社会のパースペクテイブ』プロジェクトでは、年間約2億円で3年間であったが、班員は公募で募り、総数50名に上っていた。文系の人には年間100-200万円を配布し、理系には200万円から500万円を配布していた。
小生が提案する上記『ウクライナを勝たせるためには、日本はどう貢献すべきか』(略称「ウクライナ戦争プロジェクト」と呼称したい)では。20年前よりも物価が上昇しているし、文系が使用する情報入手関連の電子機器も高額化している。たとえば人工衛星からの画像の入手や、ウクライナやロシアからの情報交信には、かなりの金額が必要である。総勢50人体制で組織するとなると、年間10億円では足りないかもしれない。
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