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2022-02-14 15:25 | カテゴリ:未分類

「東大教授、若年性アルツハイマーになる

若井克子 講談社刊(定価1540円)

を一気読みした。文体が平易で実に読みやすかった。

 

1月下旬ごろに新聞でこの本のタイトルを見たときには、気になっていたのだが、しばらく忘れていた。ところが、最近近くの本屋に立ち寄ったら書店に入ったすぐ真正面に「本書店推薦図書」として別格扱いで、この本が展示されていた。

 

そこで近くの図書館に購読依頼すると、この本は文京区の図書館には一冊しか購入していなくて「今貸し出し中で、105人が待機中です。あなたに回るのは一年後になります」というご託宣であった。いつものことながら、小生も含めて云うのだが文京区には“新本は読みたいが、買いたくない”という暇な貧乏インテリ?がわんさといることが実感される。

  

仕方なく翌日本屋に行ってみたら、その展示本以外に平積み本がなかったのでカウンターに行って「新本ありませんか?」と尋ねたら、コンピュータ―を検索して、今のところこれしか在庫がありません」ということだった。なので、多少誰かの立ち読みで手垢の中共ウイルスで汚れているような気がしたのだが、仕方なくその展示本を購入した。帰ってからアルコール消毒した。

 

実に身につまされてあちこちをボールペンで線を引きながら2時間で読了した。

 

どこかですでに述べたことがあるが、小生の叔父は今思うと50歳代の時に酔っぱらって線路から転落して急速にアルツハイマーになった。その兄も60歳で発病しアルツハイマーで70歳代で亡くなった。厚生省の統計によると、日本人の80歳前後の男女は20%が認知症であるという。つまり5人に一人である! 今更ながら慄然としてしまう!

 

最近の小生の記憶力喪失は、かなりはげしいものがある。コンピューターばかりで文章を書いているので「ちみもうりょう:魑魅魍魎」「かいらいせいけん:傀儡政権」などという漢字はとても書けなくなっている。

 

この本の冒頭から、東大で現役の若井晋教授がこっそりと自分の手帳に「」という漢字や、「」という漢字を筆記練習している様々な誤字の写真が出てくる。クリスチャンの本人にとっては相当の衝撃だったことがうかがわれる。(ちなみに晋・克子夫妻は矢内原忠雄の系統をひく無教会派のクリスチャンだということです)

 

克子夫人がこの本で云いたいことは、アルツハイマーで夫が崩れ行く姿を見ながらも、お互いに信仰心があったからこそ、最後まで介護しながら付き合えた、という風に小生には受け止められた。

 

全くの別件だが、この本のなかで、定年一年前に晋が東京大学医学部教授を辞職して、リハビリを兼ねて、夫婦で沖縄に移住するに際して、上田裕一という、沖縄のもとぶ野毛病院元理事長に誘われたことが紹介されていて、一瞬目を疑った。上田裕一君は小生の理IIBクラスの同級生だったからである。彼が沖縄で精神病院を経営しており今は「患者のリハビリをかねて有機栽培に汗を流している」、ということを数年前のクラス会で聞いていたし、彼が昨年逝去したということも風の便りで知っていたからである。

  

いつだったか東大のホームページの寄付者名簿をクリックしていたら、毎年上田君が200万円単位で母校に寄付をしていることを知って驚いたことがある。

 

東大駒場キャンパスのすぐ近くに上田君の広い庭の実家があって、その家の横の塀際の下宿屋に同じクラスの相沢君が下宿していて、その近くに下宿していた小生は、よく「へぼ碁」を打ちにいっていた。そんな時、上田君が自宅の庭の木に登って、ヤッホーと声をかけて来たのを、今思い出す。上田君も相沢君も駒場で一年留年してから医学部に進学したと記憶している。確か上田君は脳外科へ、相沢君は麻酔科へ。上田君は若井晋教授の約10年先輩の脳外科にあたるようだ。

  

年を取るとどんどん世の中が狭くなる。

 

(森敏)
追記:このブログを読んだ後輩の某氏が東大学内広報の若井晋教授の経歴と業績に関する記事を教えてくれたので以下に転載します。(2月16日 記)
 
学内広報No.1333(2006.3.22)によれば:若井晋 教授(本学在職期間 平成11年8月~平成18年3月) 昭和47年3月 医学部卒業/昭和52年4月~53年3月助手(医学部)/昭和55年1月 助手(医学部)/昭和56年8月 台湾彰化基督教病院脳神経外科医長/昭和57年8月 講師(獨協医科大学)/昭和58年12月 米国国立衛生研究所研究員/昭和60年12月 講師(獨協医科大学)/平成3年9月 日本基督教海外医療協力会総主事/平成5年9月 とちの木病院脳神経外科医長/平成8年4月 教授(獨協医科大学)/平成11年8月 教授(大学院医学系研究科)/所属:国際社会学講座 国際保健学専攻国際地域保健学教室/専門分野:脳外科、国際保健 / 研究内容(代表的な著書や論文等):1. Wakai S: Primary health care projects and social development. Lancet 345:1241,1995 / 2. Wakai S: Access to the Internet. Science 271:1347,1996 / 3. Wakai S: Role of neurosurgeons in Japan. Lancet 349:140,1997 / 4. Wakai S: Surgical treatment for incidentally discov-ered intracranial aneurysms. Lancet 1999;353:1975-1976 / 5. Wakai S: Physicians for peace. Lancet 2000;355: 1365-1366。


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