WINEPブログ
以下、下段に示す詳細なロイター記事に対する私見です。
いわゆるベントを行って、滞留した放射性希ガスであるキセノンとクリプトンを人為的に放出したということらしい。
燃料棒の劣化が原因としているが、怪しい。運転開始後たった2年間で燃料棒の劣化が起こるほどいい加減なコーテイングをしていたことになる。6万本以上が入っていると報道されている燃料棒の品質の生産ロットが同じならば、同じ事件が次々と起こるだろう。もし同時多発すれば大事故につながるだろう。
いつものように原子力技術者が、記事にあるように、知ったかぶりでぐちゃぐちゃ弁明する前に、原子炉を即時停止しなければ、常識的にも危ないと思う。
今回も、東電福島第一原発の事故のばあいと同じく 現場に行かないで中国を弁護する IAEAは信用できない。
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中国の台山原発で「動作問題」 放射性物質漏れか
2021年6月15日
台山原発の所有企業は、希ガスを意図的に放出したと明らかにした
フランスのエネルギー企業は14日、中国の原子力発電所で放射性物質漏れがあったとの連絡を受け、「動作上の問題」の解決に取り組んでいると明らかにした。
米CNNは同日、米政府が中国・台山市の台山原発で放射性物質漏れがあったとの情報を検証していると報じていた。
フランス電力(EDF)は、原発施設内にたまっていた希ガスが意図的に放出されたのを確認したとした。
EDFの匿名希望の広報担当はAFP通信に、燃料棒に問題が生じたのが原因と述べた。
「炉心が溶解する事故とはみていない」
「汚染ではなく、制御された放出だ」
一方、台山原発の中国側の共同所有者 、中国広東核電集団は同日、放射性物質漏れの疑いを否定した。
大気中に放出
EDFによると、台山原発第1原子炉の冷却システムの一部で希ガスの濃度が上昇した。希ガスは集めて処理した上で、「規制にのっとって」大気中に放出されたという。
匿名希望の広報担当はAFP通信に、一部の燃料棒のコーティングが劣化し、希ガスが漏れ出たと話した。燃料棒は金属製のチューブで、原子炉の燃料となる放射性物質を収容している。
希ガスは反応度が非常に低い安定した化学物質のグループの総称。原子炉や照明など、化学反応を起こしたくない状況でよく利用される。
AFP通信は、放出された希ガスはキセノンとクリプトンだと報じている。
仏企業が米当局に通知
国連の国際原子力機関(IAEA)は、「放射性物質が絡む事故が起きたと示すものはない」と発表した。また、この件で中国の原子力当局と連絡を取ったとした。
CNNによると、フランスのエンジニアリング企業「フラマトム」が米エネルギー省に、放射性物質漏れの可能性について警告する文書を送ったという。同社はEDFエネルギーの子会社で、台山原発の原子炉を設計した。
フラマトムはまた、中国の安全管理当局が原発の運転停止を避けるため、周辺の放射線量の容認限度を引き上げていると注意を促したという。
CNNは関係者の話として、ジョー・バイデン米政権がエネルギー省の専門家やフランス政府と状況について協議したと伝えた。ただ、問題の原発はまだ「危機的レベル」には至っていないと見ているとした。
EDFエネルギーは14日、台山原発の臨時取締役会を招集したと発表した。
広州などに電力供給
中国広東核電集団は中国の国営紙・環球時報に、台山原発は規制や手続きに厳格に従って運転していると説明。2つある原子炉はともに、安全基準や技術的要件を満たした状態であることが、計器類から分かるとした。
台山原発は、中国の製造業の主要拠点である広州市と深圳市の一帯に電力を供給している。それらの地域では最近、気温が高い日が多く、雲南省の水力発電所の電力供給が低下していることから、電力不足が生じている。
(森敏)