WINEPブログ

上掲の本が震災の10年目の2021年3月11日に出版された。
「被曝インフォデミック」西尾正道著(寿郎社 刊)
目次
第一章 棄民政策を続ける原子力ムラの事故後の対応
第二章 放射線治療医として
第三章 閾値(しきいち)とICRPの数値の欺瞞性
第四章 原発事故による放射線被曝を考える
第五章 隠蔽され続ける内部被曝の恐ろしさ
第六章 長寿命放射性元素体内取り込み症候群について
第七章 トリチウムの健康被害について
著者は放射線治療医として、本の腰巻の表表紙側に以下のように述べている。
原発事故10年をへても放射線による健康被害は軽視・無視され続けている。
政府の言うトリチウムの安全性、モニタリングポストの数値、被ばく線量の単位シーベルトを信じてはならない―― <内部被曝>も利用したがんの放射線治療に従事してきた医師による警告の書。
さらに本の腰巻の裏表紙側には
ICRP(国際放射線防護委員会)は、研究機関でもなく、調査機関でもない。実際は単なる民間のNPO団体なのである。民間の組織は目的をもって活動するが、ICRPの目的は原子力政策の推進であり、国際的な「原子力ムラ」の一部なのである。米国の意向に沿って原子力政策を推進する立場で核兵器の規制などを行っているIAEA(国際原子力機関)やUNSCEAR(国際放射線影響科学委員会)などと手を組み、原子力政策を推進するうえで支障のない内容で報告書を出しているのである。報告書作成に当たっては、各国の御用学者が会議に招聘され、都合の良い論文だけを採用して報告書は作られる。ICRP自体が調査したり、研究したりすることはない。このため、ICRPは多くの医学論文で低線量被ばくによる健康被害が報告されても、一切反論できず、無視する姿勢となっている。
本のあとがきでは
::::::::私は、この10年間の流れを見てきて、人生を閉じる前に、より多くの方々にこの”不都合な真実“ を知っていただきたいと思い、本書を書き残すことにした。:::::::
ーーーーー
とある。遺言である。
なお、インフォデミックというのはWHOの造語で「偽情報の拡散」を意味するということだそうである。