2008-09-11 23:40 | カテゴリ:未分類

shiisennnane 

        アイビーの美しい気根

 

aibi-to kabe 

 白壁につぎつぎと気根を出して非常に強固に張り付いて

      よじ登っていくアイビー

 

 

syokubutsugawa.jpg 

   壁からはがすと根が半分剥離している 

 

kabegawa.jpg 

   強引にはがして壁側にくっついて残った根の断片

 

 

アイビーはなぜ石塀に強く接着できるのか

 

現在各所で塀や石垣や樹木に巻き付くべく木づた(アイビー)が発根している。半透明な気根が新鮮で美しい。

 

この気根は対象物にふれると強固に張り付く。その接着力は片手で親指と人差し指で挟んだぐらいではひきはがせないぐらい強固である。

 

それを強引にはがしてみたら、根の一部が剥離して壁に付いたまま、はがれてきた。デジカメで写した植物側にくっついてきた根と、壁に残った根の写真をコンピューターで拡大してみると、それぞれの根の片面が剥がれて壁のほうに残っていることがわかる。つまり、壁から剥がれたように見えたが、根と壁の接着面は完全に壁側に引き裂かれて居残っているのである。この実に強固な接着力の実態はいったい何なんだろう?

 

デジカメ像をさらに拡大してみると、ぼけて判然としないのだが、どうやら根の両側にびっしりと根毛が生えており、それが壁と結合しているように見える。この1つ1つの根毛の長さは数十ミクロン単位で、おのおのの結合力が弱くても、沢山集まればこの根が集合している部位(わずか1平方センチ以下)の単位としては驚異的な結合力となるのであろう。小生がつまんではがしてみた感触では10kg/平方センチメートル以上の結合力はあると思われる。

 

それにしても、根毛が壁に接着するためには根毛と壁の間に接着物質がなければならない。植物生理学では根が多糖類の粘液物質(mucilage)を分泌することはわかっている。通常これは土壌中を根が伸びていく時に根の先端の成長点組織を土壌からの化学物質や物理的刺激から保護するために分泌されていると言われている。しかしこのアイビーが出す物質は乾燥して強固な糊となって対象物から剥がれないようにする役割を担っているものではないだろうか。風速60メートルの台風の時でも剥がれないように。

 

この多糖類を分析すれば、天然のゴム以上の強固な接着物質が得られるかもしれない。

 

(森敏)

 

付記:こういうばあいには現場にデジタルマイクロスコープを持参して強拡大して観察するのがよいが、ポータブルで軽いのが開発されていないのが欠点である。

 

追記1:下の写真はコンクリート塀に張り付いて成長したツタの姿である。もう30年ぐらい経っていると思われる。壁に張り付いた細根の上にさらに細根が重なって極めて強固なマットが形成されている。こうなると手で引き剥がすことはまったく不可能である。

根のマット1 

 

 

追記2 2009年5月6日に 気が付いたら、建物の白壁の

アイビーが全部引っぺがされていた。根こそぎ。

白壁の傷みを避けるためであろうか。それでも、

白壁には、アイビーの根の強力な粘着性を示すがごとく、

きれいな根のリプリカが残されていた。まるで、分子生物学でいう

insitu hybridizationのイメージとそっくりである。IMG_3065-1.jpg 

秘密

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