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2020-08-20 09:30 | カテゴリ:未分類

  多くの香港警察官が、香港の蘋果(りんごと読む)日報」新聞社に押し寄せ、蘋果日報」の創始者である黎智英(ジミーライ)氏を逮捕した。翌日彼は保釈されたが、その時のインタビューで以下のように述べている。

 

「我々は過激にはなれない。

彼らと真っ向から対決もできない。

なぜなら私たちは“卵”であり、

彼らは“高い壁”から。

柔軟かつ革新的にそして忍耐強く

最後までやり通さなければいけない。」

 

これを聞いて、小生は思わず村上春樹のイスラエルでのエルサレム賞受賞時の受賞演説「卵と壁」を思い出した。

 

黎智英氏は村上春樹の本を読んでいると、勝手に解釈して、少しだけうれしくなった。

 

一方で、香港で 黎智英氏と同日に逮捕された周庭さんは、翌日保釈されたがその時のインタビューで、

 

「今回の逮捕は本当に怖かった。今回の罪も今まで逮捕された4回の中で一番罪が重かった。拘束されているときに、ずっと(欅坂46の)不協和音という日本語の歌の歌詞が頭の中に浮かんでいました。これからも香港人の一人として頑張っていきたいと思います」

  

と述べている。そこで、流行に全く疎い小生は、急いでネット上でこの不協和音の歌詞を調べてみた。「不協和音」の一部には

 

不協和音を 僕は恐れたりしない
嫌われたって 僕には僕の正義があるんだ
殴ればいいさ
一度妥協したら死んだも同然
支配したいなら
僕を倒してから行けよ!

 

(提供元LyricFind

ソングライター: Naoto Imai / Yasushi Akimoto / Yuuka Suzuki

不協和音 歌詞 © O/B/O Jasrac

 

という歌詞が、繰り返しちりばめられていた。

 

  日本語の流暢な周庭さんに、日本の若人文化の影響が確認されて、少しだけうれしくなった。

 

    

 (森敏)
付記:結局、この二つが意味することは現在の「日本の文化」が香港当局にとって ”危険なものである” という認識に至ったということだろう。
 
追記1:蘋果日報」社からは250箱の段ボールが捜査物件として押収された。周庭さんのパソコンも押収されただろう。それらの押収物件の中から彼らと交流がある日本人や外国人ががあぶりだされることは間違いないだろう。それが香港捜査当局による逮捕劇の主要な目的だったのだと小生は想像する。 日本人も中国本土ばかりでなく香港にも不用心に出かけるのは要警戒である。香港を含めて中国全土が実に奇妙奇天烈な危険極まりない「in situ (現場)人物同定監視社会」を作り上げてしまったからである。
 香港からは世界の外資が引き上げ、香港経済は急速に劣化し、魅力がない社会になることは必定だろう。
 
追記2:この2日後、また民主派の議員が逮捕された。以下の記事が載っている。小生が直感したように、村上春樹の「卵と壁」は、彼らの脳裏に刷り込まれているのだということを知った。
    
村上春樹さんの言葉で逮捕に抗議。香港の民主派議員「私は必ず卵の側に立つ」

ハフポスト日本版 2020/08/26 19:11

香港メディアは826日、警察が民主派議員2人を含む16人を逮捕したと伝えた。

このうち1人は村上春樹さんの2009年のスピーチを引用し、政治的な圧力に引き続き抵抗するとSNSで意思表明した。

香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、逮捕された16人は、暴動に参加した疑いや、不正な目的を持ってコンピューターにアクセスした疑いなどが持たれている。

民主派政党・民主党は、逮捕された16人のなかに、所属議員の林卓廷氏と許智峯氏の2人が含まれていると発表している。

このうち、許智峯氏は弁護士を通じて自身のフェイスブックでコメントを発表し「政治的な圧力に屈することなく、正義の為に戦い続ける」などと意思表明。村上春樹さんのスピーチを引用し「高くて固い壁と、ぶつかって割れてしまう卵があるとき、私は必ず卵の側に立つ」と綴った。

香港民主派に知られるフレーズ

これは村上さんが2009年にイスラエルの文学賞「エルサレム賞」に選ばれ、エルサレム市内でスピーチをした時のものだ。

朝日新聞デジタルによると、当時、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの侵攻があり、村上さんには受賞を拒否するよう勧める声もあったという。

これに対し村上さんは、エルサレムに来て話すことを選んだとスピーチの中で明らかにし、人々を卵、体制を壁にたとえ「どんなに壁が正しく、卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と訴えたのだ。

このスピーチは、村上さんが2014年に当時の「雨傘運動」のデモ参加者を激励したこともあって、香港の民主派の間で知られている。日本で知名度の高い民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)さんも201910月にこの言葉を引用し、香港政府に抵抗する意思を示していた。

 



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