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2020-06-29 08:45 | カテゴリ:未分類
  2018年の双葉町の民家のサネカズラは実がたわわに稔っていた(図1)。

  眼の高さの一枝を失敬してきて、オートラジオグラフに撮像した(図2、図3)。

  部位別に放射性セシウムの放射能測定すると、実が葉の2倍の値を示した(表1)。実の放射能がほかの部位よりも常に高いことはこれまでのすべての植物とも共通している。
  
  一方、今回意外だったのは新芽が旧葉よりの放射能が半分以下だったことである。

  いつもは放射性セシムは新葉(図1の左枝の先端1枚と、右枝の先端の2枚)が旧葉よりも高い値を示すのだが、今回は違った。
  
  実(養分の吸引側:シンク)が成熟しているときには、全体の養分の貯蔵器官である旧葉(養分の供給側:ソース)からの養分が実の方に転流することが植物栄養学の常識である。

  しかしその同じ時期に展開している新葉はまだ養分のシンク側でもあるはずなのだが、養分の吸引力が実よりも低くなっているのかもしれない。

  要するにこの新葉は、今後成熟して光合成して、養分を同化しても、実が完熟してしまうと、転流先がなくて、ためた養分が不要になってしまう。いずれ枯れて落葉してしまう。だから、吸引力が低下しているのだろう。

と、サネカズラの身になって考えてみた。しかしこれは、サネカズラの体内でも、あくまでセシウムイオンがカリウンと同じ転流の挙動を示すものと仮定しての解釈であるのだが。
  



   

 

  名にし負はば 逢坂山のさねかづら 


       人に知られで くるよしもがな




                  三条右大臣 後撰集 

  


   
 

スライド1 
 図1 サネカズラ 押し葉乾燥後なので赤い実が黒ずんで見える。一房に多数の実を着けている。
散らばっているのは押し葉にする前に前に飛び散った実。

 
 
 

 
スライド2 
 
 図2 図1のオートラジオグラフ


 



 
スライド3 
図3 図2のネガテイブ画像。 新葉が旧葉よりも薄く写っていることがわかる







 

表1 サネカズラの放射能
サネカズラ 
  
  
  
(森敏)
 

秘密

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