2008-08-30 06:29 | カテゴリ:未分類

最もお金がかからなかったすばらしい発見

 

  インターネット上で無料公開されている衛星写真「グーグル・アース」で“牛や野生の鹿が地磁気の南北を向いて休憩したり草を食んでいることを発見した”というニュースがPNAS(アメリカ科学アカデミー紀要)に掲載されたと報じられた。(朝日新聞)

 

  まだこの原著論文を読んだわけではないが、この研究は、「大動物は地磁気を感ずるか?」という仮説そのものが正しいかどうかを、いとも簡単にネット検索のみで証明したものであるらしい。事実だとすれば本当にすばらしい独創的な研究であると同時に、すばらしく“安上がりな研究”であるということになる。インターネットの検索にはかなりの時間がかかったであろうが、それ以外の装置や備品はあまり必要がなかったであろうから。

 

  さて、この研究の結果からは、渡り鳥ばかりでなく、牛や鹿などの大動物にも地磁気に感ずる受信機能(センサー)があることになる。このセンサー・タンパクを渡り鳥から同定したと言う報告は今だかって聞いたことが無いが、当然存在するだろう。一体どういう構造のタンパクだろうか? それらは地球上のいずれかの植物にも存在するのだろうか? 

 

  植物の鉄栄養の専門家を自称する小生の”勘”では話がいささか専門的になるが、このタンパクはきっと鉄イオンを抱え込んでいると考えられる。なぜなら鉄は典型的な磁力を持った金属だからである。したがって、きっと鉄を抱え込むためのヘムかヒスチジンかイオウに富んだアミノ酸配列部位を持っているだろう。一分子に鉄イオンを2400個もかかえると言われるフェリチンというタンパク質は地球上のすべての生命体に存在するタンパクである。案外動物の脳の神経細胞の中ではこのタンパク分子が磁気のセンサーになっているのかも知れない。

  

  むかしソビエトの植物生理学会誌に、「植物が磁気に感ずる」という論文が出たことがある。当時の西欧の科学者は一笑に付した。つまりその後の実験の再現性が得られなかったからである。しかし、この地磁気に感ずるセンサータンパクがこの研究を契機に動物から同定されて遺伝子が特定されれば、そのDNAの塩基配列を使って、ホモロジー検索すれば、地球上の植物でそのような遺伝子をもっている植物がきっと見いだされるだろう。その植物の振る舞いには興味がある。実はいずれかの植物にこの遺伝子が見いだされても、遺伝子に変異が起きており、センサー機能が退化していて実際には地磁気にはこの植物は応答していないのかも知れないが。

 

  また、当然、人間にもこの磁気・センサーは存在すると考えられる。我々は、実は南北方向に歩く方が、東西方向に歩くよりも <気持ちがいい>し、睡眠も南北の姿勢でベッドに横たわった方が、<よく眠れる> のかも知れない。更に会議や講演会でも南北に向かって座った方が、理解力も増すのかも知れない。様々な催し物の会場なども南北に座るように設計した会場の方が主催者は成功するかもしれない。そのためには道路のあちこち(マンホールのふたなどがいいだろう)に南北の方向を矢印で表示してくれれば都合がいいだろう。人と立ち話するときなども、南北に対峙してやれば話が弾むかも知れない。

 

  個人としては、今後は磁石を持っていつも南北を意識して生活した方が何かと気分的に違和感がなく合理的なのかも知れない。その結果精神的な病気も減るかも知れない。。。。。等々は勝手な妄想か?  

 

  この研究結果を利用した“南北教”(NSism ?)と言うインチキ宗教集団が結成されなければいいが。。。。

 

  以前に東京大学の地震研究所の友人が、地震予知のために地電流(すなわち土壌中の電流の流れ)を測定すると(すなわち地磁気も測定することになるのだが)、ある地域では地磁気の方向が南(S)北(N)に正しく向いていなくて異常である場所がある。「そういうところでは住民の健康状態が悪いんだ」というようなことを言っていた。その当時は地磁気の生物学的な意味が小生には良く分かっていなかった。しかし、今回の実験で、人も地磁気を無意識に感じているのだということに研究が発展していくと、彼の話もあながち無内容ではなかったのだと言うことになる。

 

   

(森敏)

 

付記1:Google Earth では、Earth 上のあらゆる場所にジャンプして、衛星画像、地図、地形、3D の建物を表示できる。

 

付記2:google earthを利用して、アイデアさえ卓抜ならば、まだまだ面白い発見が出来るような気がする。作今のコンピューター漬けのネクラな研究者にはうってつけのデータベースが構築されたものだ。

 

付記3:ホモロジー検索とは、膨大なゲノム配列情報から、蛋白質産出に繋がる遺伝子情報配列を探し出す「1手法」である。DNAを構成する塩基(ACTG)の部分配列、またはタンパク質を構成する18種類のアミノ酸の部分配列を釣り針(プローブ)にして、類似の配列を有するDNAやタンパク質をデータベース上からコンピューター検索する。

 

追記1:先日、病院の食堂で勘定を支払おうとレジに行くと、カウンターの上に何と、磁石が置かれていた。店長の趣味です、ということであったが、店長がいなかったので理由は分からなかった。さっそくSN教の信者が出始めたのかも知れない(2008年9月5日 記)

追記2.我が家の本箱をあさっていると、

「生物は磁気を感じるか」前田 坦著 講談社ブルーバックス(昭和60年発行)という本があった。この本には早くから生物磁石の研究が行われていることが紹介されている。

 

 

秘密

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