WINEPブログ
図1.タンポポの双頭の帯化茎
図2.タンポポの双頭の帯化茎
東大農学部南側の塀の石垣と歩道との境界は、石垣が太陽を反射して、温められるためか、いつもタンポポの開花が早い。栄養がないために小さな一輪のタンポポが数株付近のどこよりも早く咲くが、それが今年は3月10日であった。同じ日に東大農学部内圃場のシロバナタンポポも咲いていた。昨年は両者とも一日遅れの3月11日であった
(http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-2233.html)。
郊外のタンポポが群生する定点観測地点にさる2月5日に出かけたのだが、真冬なのに、ぱらぱらと今年は実に不規則にタンポポが咲いていた。時々訪れる暖かい日に、今年は例年よりも狂い咲きする株が多いように思われた。しかし帯化(たいか)株は全く見いだせなかった。
3月22日に再度現地に出かけたら、2株の双頭のタンポポを互いに1メートルも離れていない近傍に見つけた(図1、図2)。おそらく同じ変異親株から飛散した種子の発芽した帯化株と思われた。今年も今後全面的に帯化株が見出せれば、この地の帯化株発生の主要因が確定しそうです。
今年も、これから5月上旬まで観察を続けるつもりです。
毎年お願いしていることですが、WINEPブログの読者には、家の近傍付近の空き地などでタンポポの帯化株を見つけたら、その写真などを
あてに添付書類でご連絡いただければ大変ありがたいです。
(森敏)
追記:その後、3月26日には東大農学部圃場で一株にすでに8本の花茎が立ち上がっているタンポポの1株があった。その花茎のうち3本が双頭の帯化茎であることを見つけた。(図3)
図3.左の3つが双頭の帯化茎。左から3つ目のものはまだ完全に花が開いていないが、茎が2本くっついている(写真では花に隠れて見えないが)ことからも双頭であることは間違いない。