2007-11-26 15:38 | カテゴリ:未分類
村上春樹と江崎玲於奈



このホームページ(WINEP)の会員欄には紹介されているが、東京大学130周年記念で江崎玲於奈先生は以下のように述べておられる。


「さて、もし私に創造力があるとすれば、それは、間違いなく東京大学に負っている。しか し、ここで私の偏見が許されるとしよう。それは戦時と戦後の混乱期、トップマネジメントが自信を失い、東京大学らしい正規の教育を授けず、自由放任にまかせたという結果ではないと言い切れない。」


この最後のセンテンスは否定の否定であるので 「 ―――という結果である」といいたいのを、東京大学におもんばかってぼかした表現になっている。筆者の記憶では江崎先生が東京大学で東大関係者の前で大学当局から講演をされたのはこれが最初ではないかと思われる。1992年江崎博士は筑波大学の学長として32年ぶりに日本に帰国することになったが、卒業以来東京大学は彼を教授として招請することも講演を依頼することもなかった。ノーベル賞受賞の時には母校からの祝電もなかったとのことである。招請したが東大には来なかったのかも知れないが。そういうわけで江崎玲於奈博士記念展示物(Dr. Leo Esaki Memorial Exhibition) は6年にわたり筑波大学の学長を務めた筑波大学に設置されている。


一方、11月19日村上春樹氏が先日早稲田大学で第1回「早稲田大学坪内逍遙大賞」を受賞した。この受賞の席で彼は


「坪内逍遙の著作は読んだことはないが、坪内博士記念演劇博物館にはお世話にはなっていた。選んでいただいたこと、光栄に思っています。この賞が末永く続いていくことを祈っていますが、うまくいかなかったとしても、村上のせいではありません」とか「僕はたまたま早稲田の卒業生で、7年間も在籍していました。その間、大学に親切にしてもらったことがなく、今になって唐突に賞をいただいて半信半疑の気持ちです」

と語っている。


要するにご両人ともにあまり母校にお世話になったという帰属意識がなく母校の外で活躍されてきたのに、突然最近になって母校から講演を頼まれたり受賞をしたりと、いったいなぜなんだ? といぶかっておられるわけである。


凡才を伸ばすためには正規の教育環境に浸る必要があるが、天才にはある程度以上の教育環境はあまり必要がないということなのであろう。 (管窺)
秘密

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