WINEPブログ
県立金足農業高校の高校野球の準優勝は実に立派だった。
秋田県では、スポーツでは他にも女子バドミントンのナガ・マツペアが活躍している。
女子フィギャースケートのロシアのザギトワ選手やロシアのプーチン大統領には秋田犬が寄贈されたことも耳に新しい。それよりはるか前から有名な秋田犬は「忠犬ハチ公」であり、渋谷ばかりでなく、東大農学部正門を入ってすぐ横には上野英三郎教授とじゃれているハチ公の銅像がある(すぐ近くの農学部展示館にはこのハチ公の内臓がフィラリアに侵されている内臓標本がそのまま保存されている。一見の価値ありです。)
秋田県ではぎばさ(海藻)とか金農パンケーキなどをこれから販路拡大したいとのこと(東京新聞)
実はいささか専門的になるが、昨年秋田県立大学の植物栄養学研究室が「放射性セシウムを吸収しないイネ」の開発に成功したことは、大学の研究者があまりにも謙虚であるためか、あまり話題になっていない。しかし、これは世界に誇るべき秋田県の快挙である。秋田県立大学は金足農業高校と同様、秋田県が財政的なスポンサーであるからである。あまり声を大にして言いたくないことだが、もしも今後の日本、韓国、中国などの稲作国で原子炉爆発を起こして放射性セシウムで土壌汚染したら、このお米の品種をカリ肥料の施用と共に翌年から使えばよいからである。この品種はほとんど放射性セシウムを玄米種子に移行させないからである。以下に紹介しておいた。
http://www.winep.jp/news/204.html
一方で、北朝鮮からの核ミサイル迎撃に向けてと称してイージスアショアを秋田県(と山口県)に防衛省が設置するという事が既定の事実のように来年度の防衛予算(2基で約2700億円)に計上されようとしている。このアメリカの軍需産業に支払う金額は、秋田県の全農業が生み出す農業生産額が1745億円であるのにくらべて、膨大な税金の浪費と言わざるを得ない。秋田県にとって、今年がいいことずくめの話ばかりではないのが、残念である。
(森敏)
追記1:高校野球の決勝戦までの連投で、最後の決勝戦途中で、急激に腰を痛めたという吉田投手は、秋田の郷里に凱旋して、テレビのインタビューで
「今、何が一番したいですか?」と問われて
「うちに帰って自分の布団でぐっすり寝たいです!」と答えていた。
肩を痛めたと思ったら、腰でよかったですね。腰の休養には自分の布団が一番なんですね。
同じ日にアメリカで活躍するダルビッシュ投手は完全に肩を痛めて今季は再起が絶望的とか。吉田君には、プロ野球に行って、力みすぎて、消耗品のように使われれて、早々に捨てられるような人生を歩むことのないように祈りたいものです。生真面目で責任感が強すぎるのが心配ですね。心ある地元ファンの誰もがそう思っているのではないでしょうか。
追記2:金足農業高校は秋田県立大学と高大連携を推進しており、数名が毎年秋田県立大学に進学しているんだそうです。
追記3.金足農業高校の甲子園での活躍に対して秋田県立大学でも「奉加帳」が回され相当の寄付金が集められたんだそうです。決勝戦ではいてもたってもおられず午後からわざわざ休暇を取ってスーパーハイビジョンテレビの会場での応援に旗を持って駆け付けた人も多かったとか。まさに吉田君の活躍は秋田県全県民を巻き込んだフィーバーだったんですね。
追記4.以下の記事や実際のテレビでの彼の投球を見ていると、素人の小生でも、「ちょっと危ういな」という気持ちを持った。プロで通じるか心配になってきた。やはり常時150km以上/hの直球を投げることができなければ、チェンジアップの技巧のみではプロには通じないだろう。もっともっと体つくりにプロのコーチの指導を受けないと、自己流のがむしゃらでは、球速の成長が伸び悩んで、本人も早々に肩を痛める壁にぶつかるのではないか。(9月1日 記)
以下本日の記事です
野球の第12回U18(18歳以下)アジア選手権(宮崎市、9月3日開幕)に出場する高校日本代表チームは8月31日、KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎(宮崎市)で宮崎県高校選抜と壮行試合をし、4―2で勝利した。
2点リードの九回、吉田輝星(金足農)にやっと出番が巡ってきた。代表初登板。「投げたい」という気持ちがあふれ出た。ベンチからマウンドへ全力で駆けた。「しようとは思っていなかったんですが、気づいたら全力でした」。高ぶる右腕を、宮崎の1万6千人の観衆が大歓声で迎えた。
甲子園以来となる実戦。そこで見せたような冷静な力配分は必要なかった。初球からトップギア。「体が動きすぎて、ボールが行きすぎて、気持ちもあがっていました」:::::
追記5:後で知ったのだが、ルポライター広尾晃氏による
金足農「投手の玉砕」を賞賛する甲子園の病
という記事が載った。
高校野球で活躍した投手が、肩を酷使して、
松坂大輔以外は必ずしもプロで活躍できていない事実を述べて説得力がある。
必読だろう。
https://toyokeizai.net/articles/-/234656?page=4
追記6:ついに新潟高野連が投手の球数制限導入に踏み切った。この流れは必然的に全国高野連まで遡及するだろう。
新潟高野連が投手の球数制限導入 来春、全国の公式戦で初
2018年12月22日 19時32分
新潟県高野連が来年の春季新潟大会で投手の球数制限を導入することが22日、分かった。故障予防や選手の出場機会増などが目的で、投球数が100球に達した投手はそれ以降の回では投球できない。各都道府県高野連が管轄する公式戦で初めての取り組み。
高校野球界では投球過多による酷使が問題視されてきた。日本高野連は選手の負担軽減などを目的として、延長十三回開始のタイブレークを今春の選抜大会から実施。新潟県高野連による球数制限導入は、さらに踏み込んだ対策となる。新潟県高野連の理事会と評議員会で既に承認され、今後は決定事項として日本高野連に伝える。
(共同)
追記7.以下プロ野球選手自身からの警鐘です。
プロ野球DeNAの筒香嘉智外野手(27)が25日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見を開き「勝つことが第一に優先され、子供の将来がつぶれてしまっている」とスポーツ界の指導者の意識改革を訴えた。
野球界では勝利至上主義が子供たちのけがにつながっていると批判。多くの大会がトーナメントで行われることを問題視し「連投、連投で肘や肩の故障が小中学生に増えている。メンバーが固定され、試合に出られない子供もいる」と話し、改善策としてリーグ戦の導入や球数制限の実施を掲げた。
高校野球についても「昨年も球数の問題が出た。本当に子供たちのためになっているのか」と厳しく指摘。「新聞社が主催しているので、現状が良くないと思っている方がたくさんいても、なかなか思いを伝え切れていない」と問題提起した。