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2018-12-13 10:19 | カテゴリ:未分類

  確か5年前の20137月ごろから、飯館村の長泥地区には、ゲートが設けられて、関係者以外は入れなくなった。当時それを知らずに小生たちは比曽地区からゲートの直前まで行って、追い返されてU-ターンすることになった。
 
  少し癪に障ったので、ゲート付近の外側の植生の外部被ばく放射能がどれだけ高いのかを確かめるために、ゲートの手前200メートルぐらいの道脇の植物を採取してみた。このつる性の植物は、そこいらの植生に絡みついていたのをはぎ取ってきたものである。当時そこの空間線量は10マイクロシーベルトを超えていた。
   
  この植物のオートラジオグラフは早くから撮像していたのだが、植物名が長らく同定できていなかった。今回若林芳樹さん(株:アスコット)からお知らせ頂いて、ボタンズルということが分かった。


図1.草に絡まっていたボタンズル 
スライド1 
   あちこちの太い黒点と微細な黒点など、外部汚染が認められる。導管と師管が入り組んでいるツルの分岐部などは内部被ばくである(表1)。つぼみにみえる葉芽が全部薄く写っているがこれは全部内部被ばくである(図2)。
 
図2.図1のボタンズルのオートラジオグラフ
スライド2
  つまり、原発は2011年早春に爆発したのだが、2014年春の時点でも、まだこの植物が絡まる放射能汚染草や木からの間接的な放射能二次汚染が続いていたということである。右下の2枚の葉のちいさな点々など、総じて葉の放射能がけた違いに高いことがわかる。(表1
    
 表1.ボタンズルの放射能
ボタンズルjpeg
  
  

     
(森敏)

2018-10-26 06:23 | カテゴリ:未分類
 

 前回のブログでは、過去の2011年から2017年までの、ジョロウグモの放射能を紹介した。
    
  その時は、直近の10月に2回福島の浪江町と双葉町で採取した27匹のジョロウグモと偶然見つけた1匹のコガネグモを、まだ測定中であったので、今回はその測定結果を紹介する。
     
  今回は福島調査の直前に襲った台風21号と24号のためか、クモの巣が破れて例年よりもクモは激減していた。
じょろうぐもjpeg 
1匹ずつU8カップに捕獲したジョロウグモ
       
  上図のようにGe半導体測定容器U8カップに1匹ずつ採取してきた(1匹ずつでないと必ずジョロウグモでは共食いの激しいあら争いが起こる!)ものを、大学で直ちにNaIでの測定用カップに1匹ずつ入れなおして、NaI法で測定した。一匹ずつGe半導体法で測定するには、とても時間がかかるからである。
     
  したがって今年のデータは乾物重当たりの放射能値ではなく、生体重当たりの放射能値になっている。例年と比較するにはおよそ、この2-3倍を掛けるとよいはずである。
     
  ほとんどのクモは雌クモで腹がパンパンで出産まじかであった。雄クモが4匹ばかり取れたのだが、これらは雌クモの20分の一ぐらいと非常に小さくて、個体あたりの総放射能が少ないのですべて検出限界値以下であったので下図からは省いている(あらためてGe法で測る予定である)。
      
  除染を全くしていない空間線量が現在も非常に高いところ(浪江町3-5μSv/h、双葉町13-15、16-19、14μSv/h) でのクモのサンプルであるので、ジョロウグモもコガネクモも内部被ばくはいまだに強烈に高いことがわかる。
 
    
      
高い空間線量を示す放射能汚染地区では、現在では主として土壌の有機物層が放射性セシウム汚染しており、これらの可溶性放射能はバクテリア、カビ、などの栄養源となって濃縮しており、クモはこれらのカビ、バクテリア、その他の地虫を食べている。そのため、いまだに内部放射能被ばくが下がらないと思われる。





 

 
 
スライド2 
 
(森敏)
2018-10-17 11:42 | カテゴリ:未分類
   2011年以来小生たちはジョロウグモを、継続的に調査している。
  
  
  図5は以前にもWINEPブログで示したもので、すでに論文でも発表している。
   
  川俣町や飯館村と浪江町のさまざまな地域の2-8匹の平均値である。
    
  図6はここで初めて発表する2016年と2017年のもので、主として、浪江町と双葉町の避難困難区域のものである。
 
両地区のまだ除染が進んでいない場所のものである。
    
       
  さすがに半減期の短いAg110mは図5では検出されなくなっているが、
      
いまだに半減期の短いCs-134は検出されており、
     
半減期の長いCs-137は依然として高濃度に検出されていることがわかる。
   

  図3と図4は、図5に示す2016年のジョロウグモの一部のオートラジオグラフの像である。

ジョロウグモの卵をはらんでいる個体は、乾燥が不可能で、押すと中身が出てきてつぶれて、形状が壊れている。
   
そもそもクモの8本の足を平面に押すことが不可能であるので、足がばらばらに壊れているものが多い。
   
汚染の強弱があるが、すべてのジョロウグモが汚染していることがあきらかである。
  

 すなわち、放射性セシウムは、除染しない限り生態系で循環している。
    

 
 

 
スライド1 
 
図1. 双葉町でのジョロウグモ
 

スライド2 
 図2.オートラジオグラフ撮像用に乾燥して押しつぶしたジョロウグモ。
 
  
 
スライド3 
 
 図3.図2のオートラジオグラフ。
 
  
スライド4 
  
 図4.図3のネガテイブ画像
 
   
   
 

 
 
 スライド5    

図5. ジョロウグモの放射性銀と放射性セシウムの放射能(ベクレル/乾物重 )
 
   
   
  
 
 
 ジョロウグモjpeg2016-2017 
 図6.ジョロウグモの放射性セシウムの放射能(ベクレル/乾物重) 
 
 
 
 
 
 
2018-09-30 04:38 | カテゴリ:未分類
  双葉町のさる公園内は、人の出入りがないので、雑草が繁殖して、やぶだらけだったが、ところどころに茎の先端が奇妙に美的にくるくる巻いている植物があった。(図1、図2)。
        
  同定できなかったので、いつものように、オートラジオグラフを撮像した後に、若林芳樹さん(株・アスコット社長)に写真を送って同定していただいたところ、漢方で有名な胃腸薬の原料であるゲンノショウコということであった。
      
  ネット上でのwikipediaの解説では、ゲンノショウコは、縦長のさく果が裂開して、種を飛ばすと、果柄を立てたさまがみこしのように見える(図2)ことから、ミコシグサともよばれることもあるとか。
        
  種子が取れなかったのだが、花器・つる・葉の放射性セシウムは驚異的に高かった(図3、図4、表1)。元素分析をしたわけではないが、ゲンノショウコは漢方薬としてカリウム含量が高く、それにつれて同族のセシウム含量も高いのかもしれない。天然の有機セシウム化合物みたいなものが見つかるかもしれない。
    
  漢方薬業者は関東一円の放射能汚染地域の野草のゲンノショウコをやたらに漢方薬用に採取するのは、やめた方がいいだろう。小生のこれまでの放射測定経験からすると、漢方は乾燥したり煎じて使用するので、乾物重単位で放射能を表示すると、生重あたりの10倍以上の高い放射能濃度になるので、食品基準をクリアできないものがいまだに多く存在するのではないかと思う。
       
  漢方の雑草の放射能の危険性に関しては下記のブログで早くから警告した。(クリックしてください)
        
なんと漢方生薬からも!  
ドクダミの放射能汚染について
 
 


 

スライド2 
 図1 根からほりあげたが途中から根が切れたゲンノショウコ
 
 
 
スライド3 
図2.図1の部分拡大図。ゲンノショウコの花器。炸果が開裂した様







  
スライド4 
 
図3. 図1のオートラジオグラフ
 
スライド5 
 
 図4 図3のネガテイブ画像
    
 
花器ゲンノショウコjpeg 

図5.図2に対応する、図4(花器)の部分拡大ネガテイブ画像

  
   
       
   
表1.ゲンノショウコの放射能

スライド1 
   
 
 
 
 

(森敏)
2018-09-20 11:38 | カテゴリ:未分類
以下に、コンフリーの放射線像を示します。

  
  最初のものは2017年の浪江町日深堀地区での道端のものです。
      
図2と図3は実験に使ったカセットが手袋で汚染していたので、その指の汚染像が写っていますが、
       
それは無視してください。
               
よく見ると、蕾状の新芽が比較的強く汚染していることがわかります。
   
ごくわずかに外部汚染が認められますが、
         
放射性セシウムが根から吸収されて、各組織に移行していることがわかります。

    
 
スライド4 
図1。 道端のコンフリー 
 
 
スライド5 
図2 上記道端のコンフリーの放射線像 
 
スライド6 
図3.図1のネガテイブ画像 
  
    
   
表1 コンフリーの放射能
 
スライド7 
      
  
      

  以下の放射線像(図5、図6)は2018年のもので、除染した小丸地区の民家の庭先に生えていた
    
コンフリー(図4)のものです。
      
ここの住宅の主は時々避難住宅から帰ってきているとのことです。
                    
よく見ると葉の主脈に沿って根からの放射性セシウムが移行していますが、ところどころに、
                   
葉の表面には微細な放射能の斑点が付着しているように見られます。
                     
まだどこかから飛んできた放射能による二次汚染だと思われます。
     
除染して放射能値は低くなっていますが、まだ確実に内部被ばくあるということです。

           
      
 

 
 
スライド1 
図4 民家の庭先のコンフリーを失敬してきた。 
 
 
スライド2 
図5.図4の放射線像 
 
 
スライド3 

図6.図5のネガテイブ画像。
放射能値は Cs-134: 50.9(Bq/kg乾物重), Cs-137: 485(Bq/kg乾物重) でした。


   

 
    

(森敏)



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