FC2ブログ
2018-10-17 11:42 | カテゴリ:未分類
   2011年以来小生たちはジョロウグモを、継続的に調査している。
  
  
  図5は以前にもWINEPブログで示したもので、すでに論文でも発表している。
   
  川俣町や飯館村と浪江町のさまざまな地域の2-8匹の平均値である。
    
  図6はここで初めて発表する2016年と2017年のもので、主として、浪江町と双葉町の避難困難区域のものである。
 
両地区のまだ除染が進んでいない場所のものである。
    
       
  さすがに半減期の短いAg110mは図5では検出されなくなっているが、
      
いまだに半減期の短いCs-134は検出されており、
     
半減期の長いCs-137は依然として高濃度に検出されていることがわかる。
   

  図3と図4は、図5に示す2016年のジョロウグモの一部のオートラジオグラフの像である。

ジョロウグモの卵をはらんでいる個体は、乾燥が不可能で、押すと中身が出てきてつぶれて、形状が壊れている。
 
そもそもクモの8本の足を平面に押すことが不可能であるので、足がばらばらに壊れているものが多い。
 
汚染の強弱があるが、すべてのジョロウグモが汚染していることがあきらかである。
  

 
 

 
スライド1 
 
図1. 双葉町でのジョロウグモ
 

スライド2 
 図2.オートラジオグラフ撮像用に乾燥して押しつぶしたジョロウグモ。
 
  
 
スライド3 
 
 図3.図2のオートラジオグラフ。
 
  
スライド4 
  
 図4.図3のネガテイブ画像
 
   
   
 

 
 
 スライド5    

図5. ジョロウグモの放射性銀と放射性セシウムの放射能(ベクレル/乾物重 )
 
   
   
  
 
 
 ジョロウグモjpeg2016-2017 
 図6.ジョロウグモの放射性セシウムの放射能(ベクレル/乾物重) 
 
 
 
 
 
 
2018-09-30 04:38 | カテゴリ:未分類
  双葉町のさる公園内は、人の出入りがないので、雑草が繁殖して、やぶだらけだったが、ところどころに茎の先端が奇妙に美的にくるくる巻いている植物があった。(図1、図2)。
        
  同定できなかったので、いつものように、オートラジオグラフを撮像した後に、若林芳樹さん(株・アスコット社長)に写真を送って同定していただいたところ、漢方で有名な胃腸薬の原料であるゲンノショウコということであった。
      
  ネット上でのwikipediaの解説では、ゲンノショウコは、縦長のさく果が裂開して、種を飛ばすと、果柄を立てたさまがみこしのように見える(図2)ことから、ミコシグサともよばれることもあるとか。
        
  種子が取れなかったのだが、花器・つる・葉の放射性セシウムは驚異的に高かった(図3、図4、表1)。元素分析をしたわけではないが、ゲンノショウコは漢方薬としてカリウム含量が高く、それにつれて同族のセシウム含量も高いのかもしれない。天然の有機セシウム化合物みたいなものが見つかるかもしれない。
    
  漢方薬業者は関東一円の放射能汚染地域の野草のゲンノショウコをやたらに漢方薬用に採取するのは、やめた方がいいだろう。小生のこれまでの放射測定経験からすると、漢方は乾燥したり煎じて使用するので、乾物重単位で放射能を表示すると、生重あたりの10倍以上の高い放射能濃度になるので、食品基準をクリアできないものがいまだに多く存在するのではないかと思う。
       
  漢方の雑草の放射能の危険性に関しては下記のブログで早くから警告した。(クリックしてください)
        
なんと漢方生薬からも!  
ドクダミの放射能汚染について
 
 


 

スライド2 
 図1 根からほりあげたが途中から根が切れたゲンノショウコ
 
 
 
スライド3 
図2.図1の部分拡大図。ゲンノショウコの花器。炸果が開裂した様







  
スライド4 
 
図3. 図1のオートラジオグラフ
 
スライド5 
 
 図4 図3のネガテイブ画像
    
 
花器ゲンノショウコjpeg 

図5.図2に対応する、図4(花器)の部分拡大ネガテイブ画像

  
   
       
   
表1.ゲンノショウコの放射能

スライド1 
   
 
 
 
 

(森敏)
2018-08-12 05:27 | カテゴリ:未分類

来る8月29日から31日まで、日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市亀井野1866)キャンパスで開催される日本土壌肥料学会の講演のタイトルが、最新の学会誌(日本土壌肥料学雑誌)に掲載されました。以下はその中から放射性セシウムに関する研究のみをピックアップしたものです。
    
  提示されているタイトルをよくよくみると「放射性セシウムの動態」に関して、実に地道で骨の折れる研究が、多角的に展開されていることがわかります。
    
  周知のように2011年の原発暴発以来、すでにこの土壌・植物栄養・肥料学分野ばかりでなく、他の多様な学問分野の研究者たちからも、多方面にわたる斬新な研究成果が得られてきています。 
    
  7年半経過した現在でも帰還できない住民にとって、現状は実に腹立たしい悔しいしいことです。いっぽうでは、この広域にわたる愚かな人間が作りだした放射能汚染帰還困難区域は、真摯な研究者に対して、「壮大な実験圃場」を提供しているともいえるでしょう。研究者達は、執拗に、粘り強く、現地での、あるいは現地の材料を用いた実証的研究を通して、放射能汚染の実態を明らかにし、世の中に継続的に問い続けることが必要です。
      
  「福島ってまだ放射能があるの?」というのが残念ながら関西以西の大部分の日本人の感覚のようです。著しい「こころの風化」です。
             
  放射能汚染現地の森林などは驚くほど静寂で一見美しい風景です。初めて訪れると誰もが「それでこの場所のどこが危険なの?」と思うでしょう。未だ現地に足を踏み入れたことがない方は、この夏休み、一度訪れてみてください。各所の通行禁止の道路がつぎつぎと解除されてきていますので、時々車を止めて、音の鳴る放射線線量計を持って放射能を感知してみてください。くれぐれも熱中症に気を付けて。

 
     
 
以下演題です

ーーーーーーーー
  
〇 セシウム吸着シートを用いた作物の放射性セシウム吸収危険度判定手法の検討―シートのセシウム吸着特性について―
吉川省子・・杉山恵
    
〇 放射性セシウムの実効的な固液分配計数の変動要因
江口定夫・・・・・・・・・・・・波多野隆介

〇福島県の森林における雨水、土壌水、渓流水中の放射性セシウム濃度の経年変化

小林正広・・大貫靖浩

〇三つの異なる森林小流域における安定セシウム循環の比較  

伊藤優子・・今矢明宏

〇土壌から樹体への放射性セシウム移行吸収―ヒノキ苗植栽後3年間の動態

平井敬三・・・新家武

〇施肥による133Cs K2Oの可吸化と可溶化               

杉山恵

〇プラスチックシンチレータを利用したリアルタイムRIイメージングシステムによる植物中の元素動態解析              

菅原康平・・・・・田野井啓太朗

〇イネのセシウム吸収におけるカリウムとの拮抗作用の品種間差 

谷本涼・・・近藤始彦

〇植物体内の元素動態を可視化する新たなオーオラジオグラフィー技術の開発

粟田圭輔・・・酒井卓郎

〇水稲のOsHAK1以外の主要K輸送体のセシウム吸収・輸送への関わり

頼泰樹・・・・・・・・・服部浩之

〇福島県山木屋地区除染後農耕地土壌における肥沃度回復(第1報)~除染による肥沃度低下の現地報告~                   

菊池優汰・・斎藤葉瑠佳

〇福島県山木屋地区除染後農耕地土壌における肥沃度回復(第2報)~土壌炭素蓄積、窒素循環および土壌養分に対する緑肥の影響~       

斎藤葉瑠佳・・菊池優汰

〇福島県内の農地における放射性物質に関する研究(第44報) 低カリウム条件下における飼料用コメ品種・系統のCs-137移行のリスク評価   

斎藤隆・・・・・横山正

〇大豆体内における放射性セシウムとカリウムの動態     

本島彩香・・信濃卓郎

〇セシウム吸着シートを用いた畑地土壌の溶存態放射性セシウム量評価と作物吸収量判定―現地大豆圃場における溶存態放射性セシウム量評価について 

井倉将人・・・平山孝

〇被曝現場に放置された日常品の放射能汚染を立体像で可視化する

森敏・加賀谷雅道・・・・中西啓仁

〇福島県農耕地土壌を対象にしたセシウム固定ポテンシャル評価法の確立

金野優也・・・・・・加藤拓

〇土壌中の交換性放射性セシウム濃度の経時的変化と非交換性カリ含量との関係

久保堅司・・信濃卓郎

〇コンテナ内ポット試験による灌漑水中放射性セシウムのイネへの影響評価

鈴木啓真・・・・・・・・原田直樹

〇原発事故影響地域での営農促進に向けた玄米の放射性セシウム濃度評価手法の検討

藤村恵人・・・・・・信濃卓郎

〇放射性トレーサーを用いた栽培実験による土壌―牧草間放射性セシウムの移行を支配する土壌要因の解析                      

武田晃・・・・久松俊一

〇放射性セシウム集積特性の異なるイネ系統における土壌溶液カチオン濃度と植物体放射性Cs濃度の関係

小島克洋・・・・・・・・横山正

〇表土剥ぎ客土した除染後圃場におけるカリ増施による大豆の放射性セシウムの移行動態(3) 大豆生育過程の大豆地上部への放射性セシウム、カリウムの移行動態

関口哲生・・・島田信二

〇福島県相馬市における復興水田および大豆畑の追跡調査 

吉田拓史・・・・後藤逸男

〇カラム試験による福島県大柿ダム低質からの137Cs溶出 

塚田祥文・久保田富次郎

〇福島県の森林土壌における交換態放射性セシウムの割合とその経年変動

眞中卓也・・・・・金指努

〇福島県の農地における放射性物質に関する研究(第45報)-水稲におけるセシウム吸収シートを用いた土壌中可給態放射性セシウムの評価 

矢ケ崎泰海・・・・佐藤睦人

〇土壌中セシウム133および137の吸収を指標とした作物別吸収特性の評価

古川真・・二瓶直登

〇土壌から水稲への放射性セシウム移行を土壌溶液のセシウムとカリウムの濃度から推定する                  

植松慎一郎・・・・・・Erik Smolders

〇福島県内の農地における放射性物質に関する研究(第43報)-除染後水田での生育ムラ対策と牛ふん堆肥による地力回復効果―     

松岡宏明・・・・・信濃卓郎

〇未除染・除染後草地の2011~2017年における牧草中放射性セシウム濃度の推移について                    

渋谷岳・・・・・・山本嘉人

〇放牧草地における地形面毎の牧草への放射性セシウム移行と交換性カリ含量の推移

山田大吾・・  村恭子

〇ダイズGmHAK5ノックダウン系統個体のセシウム吸収特性

二瓶直登・・・・・・・杉山暁史

〇カリ施肥量がイネの根におけるカリウム輸送体遺伝子発現量とセシウム吸収に及ぼす影響                  

石川淳子・・・・・・・・・近藤始彦

 

(以上同一テーマの複数の著者についてはfirst author last authorのみを記しています)

ーーーーーーーーーー
  
 
(森敏)
2018-07-27 12:39 | カテゴリ:未分類

  ひえー、すごいことになってますよ!

 

と、同行のカメラマンが大声で叫んだので、何事かと走っていったら、民家の庭の3メートルぐらいの高さの若いケヤキの葉がことごとく奇妙なイボイボを着けていた。こんなに激しい葉の奇形はこれまで見たことがなかった。葉を採取して、イボイボを摘み取って丁寧に小生の武骨な指で引き裂いてみたら、中が空洞で、小さな茶色い虫が3匹ぞろぞろ出てきた。虫の大きさが小生の眼の分解能の限界だったが、同行の某君は、アブラムシの類ですねと言った。
 

  原発事故以来木が幼木のころから強い放射能(ここの空間線量は毎時8.5μSv)を浴び続けているので、次第に抵抗力が弱ってきてこんな寄生虫がはびこるのかと想像した。
 

  帰って、ネットで調べたら、これは「ケヤキフシアブラムシ」ということで、たくさんの画像が出てきた。

https://www.google.co.jp/search?tbm=isch&q=%E3%82%B1%E3%83%A4%E3%82%AD+%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B7&chips=q:%E3%82%B1%E3%83%A4%E3%82%AD+%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B7,online_chips:%E3%83%95%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B7&sa=X&ved=0ahUKEwjny9yX9-jbAhWCdd4KHRSYC8wQ4lYIMSgL&biw=1726&bih=860&dpr=1#imgrc=eGYDsrB5hmFMzM:&spf= 
   
  このコブは葉とほぼ同等の放射能を含んでいた(表1)。現地でこのアブラムシのみを大量に採取して放射能を測定することはとても時間がかかることなので、断念した。このアブラムシは放射能汚染した葉が唯一の食材と思われるので、葉と同じ程度の濃度の放射能を含んでいると思われる。

 

 
スライド1 
図1.全身がケヤキアブラムシに感染したケヤキと虫こぶ
 
 
 
スライド2 
 図2.上図部分拡大
 
 
 
 
スライド3 
 図3.上図部分拡大
 
 
 
 
スライド4
 図4.虫こぶを採取して手で割ってみると
  
 
スライド5 
図5.虫こぶの中からアブラムシが3-4匹出てきた 
 
 
スライド6 
  図6.A4紙の上を這いまわるアブラムシ(全長0.5mm)
 
  
  
 

図1 ケヤキアブラムシの虫こぶの放射能
ケヤキアブラムシの虫こぶjpeg 

  樹木は「放射線でヒリヒリ痛いです」とか、「もう耐えられません」とか、ものを言わないので、人間が感情移入して、樹木の身になって、彼らの表現型(形態変化や、落葉や、感染症や枯死など)を観察察知する必要があるのだが。いつまでたっても童話の”聞き耳頭巾”になれないのが、もどかしい。
    

  

(森敏)
2018-04-24 19:49 | カテゴリ:未分類
   

  昨年浪江町の十万山(じゅうまんやま、標高448.4m)で4月29日に起きた山火事は12日間燃え続け、5月10日午後にようやく鎮火した。焼失面積は50ヘクタール以上。人が立ち入れない区域だけに消火活動も難航した。
 
     この時、福島県やマスコミは、放射能の拡散を危惧する人たちの意見に対して、大したことはないと、風評被害を恐れてか汚染を打ち消すのに躍起だった。我々は、山火事の鎮火後この現場に入ろうとしたのだが、とても入り口から遠くて、日帰りでは危険が伴うので、あきらめた。そのかわりに後日普段採取しているビワの木の葉を採取して、外部付着被ばくがないかどうかを放射線像で確かめてみた。

     山火事当時、役場が開示している浪江町小丸地区のやすらぎ荘にある定点観測地点での空間線量は明らかに若干ではあるが上昇していたので、その近傍の民家のビワの葉を採取したのである。ガイガーカウンターでは、さほどの測定値ではなかったのだが、放射線像では、わずかではあるが外部の放射能付着が明らかであった。

     図2では1番目の新葉が内部被ばくだけれども、2番,3番,4番の3枚の葉はいずれも外部付着を受けており、この間にどこかから飛んできた放射能があったことを示している。実際に放射能濃度は高くなっている。通常は新葉(図1の写真の一番左の葉)のほうが放射能が高いのであるがここではそうなっていない。

 
 
 



 
スライド1 
 
 図1.左から、1,2,3,4番と考えてください。それが表1の1,2,3,4番と対応しています。



 

 
スライド2 

図2.図1の放射線像 一番左の最新葉以外は汚染スポットがその後の雨などの影響で左の2番目の葉からは順次葉の脇に流れているように見られる(2番目は右側端、3番目は中央から左側に向けて、4番目は左側端)
 
スライド3 
 図3.図2のネガテイブ画像





 表1.ビワの葉の放射能。 No.1 の葉は最新葉であり、山火事の当時はまだ出葉していなかったと思われる。
 

 
ビワの葉外部被ばくjpeg 


(森敏)
 

 
 
FC2 Management