2018-05-28 13:32 | カテゴリ:未分類

トランプ大統領のツイッター・デイール外交は、世界の外交官の従来の慎重すぎる掟(おきて)を次々と無視していくので、小生も株の売買をやっているつもりで、トランプの外交を予測してみよう。
    

トランプは徹底的なスタンドプレイヤーなので、自分が先手必勝で日の目を浴びること(株価を吊り上げること)にこの上もなく快感を覚える人物と見た。以下小生が予測する勝手なトランプの胸の内です。
          

(トランプ:)「朝鮮半島の非核化は別にオレの大統領選のときのスローガンではなかったし、全く意識の外だった。しかし金正恩が執拗に長距離弾道ミサイルを打ち上げたり、地下核実験をしたりして「ぼくのほうを向いてよ!」と挑発してくるので、うるさくて仕方がない。仕方がないので相手になってやるが、朝鮮半島問題にかかわると米韓軍事演習や空母派遣など時間と金を使うので何か見返りがなければ面白くないぞ。

「大陸間核弾道ミサイル開発」を北朝鮮に廃絶させる件はアメリカの世論がいうるさいから、これは一歩も譲れないが、もともとそんなに脅威ではない。日本や韓国には脅威だろうが。それよりも朝鮮戦争以来あまりにも長く続いている朝鮮半島38度線上板門店で南朝鮮・北朝鮮・アメリカとの間で締結された「休戦協定」の廃止、すなわち「終戦宣言」の締結はどうだろう? サインするだけで一番安い取り決めということになるではないだろうか? 後のややこしい実務はがたがた言うだろうがそれこそ官僚に任せればいいのだ。大統領はさいごには「決断」「実行」することが重要だ。これが実現すれば歴代のアメリカ大統領が成就できなかった魅力的な歴史的な業績になるだろう。そうだ、さらにその向こうに「米・韓・朝友好条約」の締結が視野に入ってくるではないか。かつてのニクソン大統領だって日本や韓国の頭越しに電撃的な「米中友好条約」を結んで歴史に名を残したではないか。アメリカのマスコミは俺のことを歴代最低の大統領と侮辱し続けているが、世界があっと驚くだろう。中国や日本の事なんか知るか。朝鮮半島の危険が去るので、当面どんどん株価が吊り上がるだろう」 
             

  かくて日本は取り残されて、またしても臍(ほぞ)を噛むことになるかもしれない。日朝交渉が再開されれば、日本は多額の賠償金をアメリカのプレッシャーで北朝鮮に支払うことになるだろう。
       
  さて、この予測のどこまで進行するか、ここ2週間の極東のダイナミズムが実に見ものである。    
   
         

                 

南北米の終戦宣言 朝米会談の成果次第=韓国大統領府 

【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)の高官は28日、記者団に対し、南北(韓国と北朝鮮)と米国による首脳会談を通じた朝鮮戦争の終戦宣言について、「朝米(米朝)首脳会談の成果に連動する問題」との認識を示した。
      
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は27日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)と軍事境界線がある板門店の北朝鮮側施設「統一閣」で26日に開いた南北首脳会談の結果を発表し、「朝米首脳会談が成功する場合、南北米首脳会談を通じ終戦宣言が推進されることを期待している」と言明した。
          
 同高官は、板門店で行われている朝米首脳会談開催に向けた実務協議が会談の成否を占う基準になり得るかどうかに関しては、「協議で議題まで完璧に取り扱われる場合は(基準に)なり得る」と述べた。その上で、「議題というのは、非核化問題と北の体制保証問題」として、「体制保証の一つとして、文大統領が示した南北米3者による終戦宣言が盛り込まれる」と説明した。
      

森敏
付記:このブログの過去のどこかで述べたことがあるが、小生の義兄は日朝交渉の初代の日本側の全権大使であった。しかし大韓航空機爆破事件が起こって、その実行犯の女性(うね)が、北朝鮮により拉致された日本人横田めぐみさんから日本語教育を受けていたという問題が、交渉の途中で急浮上してきて、日朝交渉は破綻した。外務省のエースとして送り込まれたのに義兄としては痛恨の出来事であったようだ。だから「休戦協定」がトランプによって急きょ「平和協定」に置き換われば、現在高齢入院中の義兄も大いに気持ちが救われることだろうと思う。
         
小生の生まれはピョンヤンから60キロぐらい離れた城津(じょうしん)というところなんだそうだ。父は電気技師として京都大学卒業後、満州や朝鮮半島で電気技師として水力発電所建設に従事していたということである。

 

2018-05-23 14:06 | カテゴリ:未分類

        北朝鮮が豊渓里の核実験施設閉鎖セレモニー取材のための、外国からのマスメデイア視察団に、最初から日本記人記者を締め出したり、直前になって韓国人記者を除いたり、かと思うと本日(523日)は一転して韓国人記者の入国を許可したという、特有のネチネチした嫌がらせをしている。(記事参照 )
     

今回の核実験施設に「放射線線量計を持ち込まないで視察しろ」ということも全く理解できない。放射能漏れはないから機器なんか必要ない、安心しろといったって、科学者ならだれも信じないだろう。「見えないものは見るな」というに等しい。

      

今回現地入りしたメデイアが、核の報道に関して最も必要な「放射線量」という定量的な数値を抜きにして、「地下核実験坑道入り口爆破」の映像のみで定性的な報道することは,核に関してはまさに片手落ちだ。核実験によって現在残存放射線量がどのくらいあるのか、これまでに飛散した放射能で土壌がどれくらい汚染しているのか、などはマスメデイアが伝えなければならない常識だろう。それによって北朝鮮の核開発の過去・現在のいろいろのことが見えてくるはずだからである。

       

北朝鮮はマスメデイアの核に関する素人集団ではなく、最初からIAEA(国際原子力機構)の専門家集団に坑道入り口爆破セレモニーに参加させて、堂々と核査察させればいいのだ。やることが姑息にすぎる。それこそが国際的な信頼を得る絶好の機会だろうに。
                
      ちなみに現在のIAEAの事務局長は日本人の天野之弥氏である。(記事参照)

        
     

 

北朝鮮、韓国記者団取材受け入れ 核実験場廃棄、24日以降か

2018523 1225

 

 【ソウル、北京共同】韓国統一省は23日、北朝鮮が同日、北東部豊渓里の核実験場廃棄を巡り、韓国記者団による取材を認める方針を示したと明らかにした。北朝鮮は気象条件を考慮して23~25日の間に廃棄の式典を行うとしているが、豊渓里までの移動時間なども考慮すると、式典は24日以降になる公算が大きい。

 北朝鮮は当初、米英中ロ4カ国と韓国のメディアに式典を公開するとしていたが、22日まで韓国記者団の名簿受け取りを拒んでいた。態度を一転させた理由は不明。米英中ロの記者らは22日、プレスセンターが設置された東部元山に到着、待機している。

 
        

IAEA 天野事務局長が3選

毎日新聞2017919 0039(最終更新 919 0047)

 【ウィーン三木幸治】国際原子力機関(IAEA)の年次総会が18日、ウィーンで始まり、天野之弥事務局長(70)の3選が承認された。天野氏は日本メディアの取材に応じ、核実験を繰り返す北朝鮮の対応や、イランがウラン濃縮活動の縮小など主要6カ国と結んだ核合意の履行で「具体的な成果を上げたい」と抱負を述べた。任期は4年。

 天野氏は北朝鮮について「(核開発では)『やる』と言ったことを着実に進めており、世界全体にとって重大な脅威」と指摘。8月に北朝鮮の核活動を監視し、将来の査察に備える専門チームを設置したことを明らかにした。衛星などを利用して最新の状況を分析し、職員の訓練や機材の収集、査察計画の更新を実施。政治的な合意があれば「すぐに査察できるように」準備する考えを示した。

 イランの査察を巡っては、各国の思惑に振り回されず、「中立の立場から客観的な報告を行う」と強調。また100カ国以上が原子力の民生利用を検討していることから、原子力安全や核セキュリティーに引き続き力を入れる方針を示した。

 日本への取り組みとしては、東京電力福島第1原発事故や2020年東京五輪における核テロ対策への貢献に意欲をみせた。

  
        


(森敏)
  

追記1:本日(5月25日)トランプ大統領はシンガポールでの米・朝首脳会談の中止をツイッターでなく正式な文書署名で宣言した。
          
追記2:今回のトランプの怒り「米・朝首脳会談中止」は、科学的に公明正大な手法を用いた外交をしないと、すなわち少しでも疑念を持たれる姑息な手法を用いると、せっかくの努力がパーになるという典型である。地下核爆発実験場での坑道入り口の爆破などでは、アメリカはもともと別にメリットがなかった。この爆破でアメリカに向けて2枚目のカードを切ったつもり(1枚目は米兵3名の釈放)、というのは金正恩の誤解で、これで得をしたのは、中国の習近平である。中・朝国境での核実験で放射能が飛んで来なくなり、地震が起きなくなる可能性が高まったからである。最近、金正恩が2度も訪中して命乞いにいったのには習近平は笑いが止まらないだろう。金正恩がかわいくてしかがないだろう。だから国連決議に反した中朝国境からの物資輸送(いつもの中抜け行動)を活発化させたいだろう。それを承知のトランプは、中国への経済制裁を活発化させている(自動車の輸入関税の大幅25%もの大幅なアップは日本を巻き添えにして、日本にとってはいい迷惑だ。“つれしょん”だ)。あくまでトランプの本音はアメリカ本土にとっての脅威である大陸間弾道核ミサイルシステムの廃棄なのだから。

           

追記3:下記の記事にあるように、今回の米・朝首脳会談中止の引き金を引いた(ペンス副大統領を公然と罵倒した)北の金桂寛外務次官は、慌ててトランプに再考するよう媚を打っているが、彼自身の外交の失策ということで金正恩によってどういう形でか予測できないが、彼の「首が飛ぶ」かもしれない。金正恩はそのような自己否定のうえで米朝首脳会談への仕切り直しをするかもしれない。
   
トランプの即断即決のツイッター・デイ―ル外交には北の外交官(ばかりでなく従来の世界のエリート外交官)が従来得意げにふるまってきた「ねちねち外交」の手法が通じないということを強く認識すべきだろう。何しろ彼の積分的ではなく、きわめて微分的な株式取引の発想には世界中が振り回
れているのだから。

    

金正恩にすれば「世界からの経済制裁で、これ以上朝鮮人民の塗炭の苦しみから解放しなければならない」というのが本音だとは思うが、「キム(金)王朝体制の保証」、をどこかで担保してもらいたい。しかしいまだにその保証がトランプから得られていない」ということなのだろう。

    

小生は下記の記事に示すように、2004年に北朝鮮の農業事情を視察した。そこには強烈な監視社会と、食べられる雑草を求めて土手にビニール袋を持ってはいつくばっている女性の姿があったのである。
         

北朝鮮の壮大なる<飢えに耐える>実験

http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-744.html

       

森敏先生が見た北朝鮮の農業・農村:月刊 現代農業:2005年04月号    
              

北朝鮮外務次官「予想外で非常に遺憾」米国に再考促す

ソウル=武田肇 2018525 0842分 朝日新聞

 北朝鮮金桂寛(キムゲグァン)・第1外務次官は25日、トランプ米大統領が6月12日の米朝首脳会談中止を明らかにしたことについて、「予想外であり、非常に遺憾だ」とする談話を発表した。「我々はいつでもどんな方法でも向き合って問題を解決する用意がある」と強調し、事実上、再考を促している。朝鮮中央通信が伝えた。

 トランプ氏が会談中止を明らかにして以降、北朝鮮の初の公式反応。

 金次官は談話で「我々はトランプ大統領が過去のどの大統領もできなかった英断を下し、首脳の出会いを作るために努力したことを内心、高く評価してきた」と言及。「我々の国務委員長(金正恩〈キムジョンウン〉朝鮮労働党委員長)も準備に向けてあらゆる努力を傾けてきた」と強調した。

 金次官は16日、米国側が求めた非核化の方式に不満を示し「一方的に核放棄だけを強要しようとすれば、来たる朝米首脳会談に応じるか再考するほかない」との談話を発表し、トランプ氏が会談に後ろ向きになる転機となった。(ソウル=武田肇
     
                      
追記4: トランプのデイ―ル外交:大暴落株の翌日の小反発とそっくり 
                  

トランプ大統領「6月12日開催ありうる」
       

アメリカのトランプ大統領は先ほど、中止を表明した米朝首脳会談について「6月12日の開催もありうる」と語った。

また、「北朝鮮がやりたがっている。われわれもやりたい。どうなるか様子を見よう。北朝鮮側と今、話している」と述べた。

金桂官第1外務次官が談話を発表し、「トランプ大統領のこれまでの努力を内心ずっと高く評価してきた」「いつでもどのような方法でも向かい合う」などと表明したことを評価しているものとみられる。(5月26日CNNニュース)
    
    

追記5:昨日(2月26日)、38度線上の板門店での北朝鮮側での迎賓館で、予告なしの突然の2度目の南北首脳会談が持たれた。トランプは一昨日文在寅大統領にも予告せずに6月12日予定の米・朝首脳会談を突然中止にした。つい先日のワシントンでの米・韓首脳会談では文在寅の調整能力を彼本人の面前でこれ以上ないぐらい褒め殺ししていたにもかかわらずだ(トランプは基本的にアジア人を蔑視していると思う)。米朝首脳会談に向けての仲介努力を全く無視された文在寅大統領は、全く形無しの立場に追い込まれた。そこで、急遽金正恩に働きかけて、南北首脳会談を、今度は電撃的に板門店の北側迎賓館で開催して、起死回生の巻き返し(突然中止した米中首脳会談の再開)にかかっているわけである。なかなかの策士ですね。トランプも再考し始めているようで。ここらへんは現在進行形の政治のダイナミズムを感じますね。小生は2004年に板門店を北朝鮮側から訪問したことがあるので、事態の進行をずっと注視しています。

2018-03-10 02:50 | カテゴリ:未分類

浪江町の大柿ダムの周辺は冬枯れでツバキなど以外は灌木の葉が散って枯れていたが、ダム周辺の道路の斜面には、寒さに強いのかリュウノヒゲに似た単子葉の草のみが生えていた(正式な名前は不明: 多分スゲ属)。 斜面は、付近の住民が避難しているので、落ち葉掻きなどに数年間は人の手が入っていないので、10センチぐらいの厚さに落ち葉がふさふさと堆積していたままであった。だからこの草は根を痛めないで割合簡単にずぼっと引き抜くことができた。ほとんどの根は、落ち葉層や腐葉土にあって、まだ粘土層にはあまり到達していないかのごとくであった。

 

絡みついた落ち葉を払って植物を大学に持ち帰った。実験室ではさらにこれ以上は無理というぐらいに丁寧に細かく落ち葉と腐葉土を払い取って、オートラジオグラフを撮像した。 葉の部分は、単子葉植物としては非常に放射能が高かったのだが、根の方はその20倍もの放射能値を示した。

  

落ち葉に絡まった根が雨によって落ち葉から溶け出てくる放射性セシウムと、落ち葉が徐々に微生物分解されて、その微生物が死んで溶けてでてくる放射性セシウムを、根は直接吸収しているのだろう。つまり、この根は落ち葉層や有機物層にトラップされて、まだ粘土層に固着していないでいる根に吸収されやすいセシウムを吸収し続けているものと思われる。
    
  林内でセシウムが循環しているのである。
     
スライド1  
 
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放射能(ななし)jpeg 
 
 表1.根とそれに絡まって取りきれない腐葉土の合量 は 葉のみ の約20倍。

  
  
(森敏)

2018-01-17 08:42 | カテゴリ:未分類
     双葉町で空間線量毎時10.5マイクロシーベルトのコンクリートの道の、地震でできた割れ目に生えていた1メートル離れて隣接する2株から、2本ずつおおまつよいぐさの枝をサンプリングしてきた。
  
    オオマツヨイグサは茎に沿って成長に従って連綿と花を咲かせ、一つの莢の中には2-300個の種子を含んでいる。
   
  これまでの漠然とした経験から、おおまつよいぐさの放射能はそれほど高くないのではないかと、高をくくっていたのだが、今回これを実験室に持ち帰って測ると、図1に示すように、この右の株からの分枝はむちゃくちゃ放射能が高くて驚いた(表1)。種子の放射能も非常に高い。

  コンクリートの割れ目には、コンクリート表面にふりそそいだ原発からのフォールアウトが、その後の雨で流れ込んで、濃縮されたものと思われる。
 
  同じコンクリートの割れ目に1メートル離れて生えている2つの株だが、こんなにもお互いの放射能が桁違いである(図2、図3、表1)。フォールアウトがコンクリートに降り注いだ直後の、雨の表流水の流れた方向によるのだろう。

     
    
     
スライド1 
 図1.おおまつよいぐさの連綿とつづく莢と、そこからこぼれ落ちた種子。左二つと右二つの分枝はそれぞれ別の株からのものです。ガイガーカウンターで右の株二つは440 cpm. セロテープに張り付けた種子は右2つの分枝からこぼれ落ちたものです。
 

 
 
 
 
 
スライド2 
 図2.図1のオートラジオグラフ像。莢ばかりでなく、こぼれ落ちた種子やテープにぎっしり貼り付けた種子も濃厚に放射能汚染していることがわかる。全部内部被ばくである。
 
 

スライド3
 図3.図2のネガテイブ画像 細かい点々も種子。
 
 
 
 
    

 表1.オオマツヨイグサの放射能
スライド1 
     
  
 
 


 (森敏)
付記:上記のオオマツヨイグサのサンプリングは、秋のすでに枯れている時期なので、昨年の浪江町の津島地区でのオオマツヨイグサの写真を以下に示します。ただしこの写真を撮影した付近のオオマツヨイグサはすべて頭頂部が虫にやられてなのか、放射線にやられてなのかわかりませんが、房状に花が凝集して咲いて(帯化?)莢が着いていました。

     
スライド1 
 
   
追記1.図1に「セロテープに張り付けているオオマツヨイグサの種子」の部分の拡大写真が出てきたので、下図に示します。
 
オオマツヨイグサの種子
 
 
 

2018-01-11 15:46 | カテゴリ:未分類

  昨年以下のニュースが流れた。
  
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政府 地上配備型の迎撃ミサイルシステム 導入決定NHKニュース&スポーツ モバイルニュース) 

北朝鮮の核・ミサイル開発が新たな段階の脅威となる中、政府は19日の閣議で、弾道ミサイルによる攻撃に備えて防衛能力を高める必要があるとして、地上配備型の新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基を導入することを決めました。

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イージス・アショアは、日本とアメリカが共同で開発している新型の迎撃ミサイルを搭載し、2基で日本全域をカバーできるとされ、配備先の候補地には秋田市と山口県萩市にある陸上自衛隊の演習場が検討されています。

また、1基当たりの価格は現時点で1000億円弱になる見通しで、政府は今年度の補正予算案にアメリカから技術支援を受ける費用などとして28億円、来年度予算案に基本設計などの費用として7億円余りをそれぞれ盛り込むことにしています。::::

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  現役の大学の研究者なら、イージス・アショアたった1基で1000億円という、その高額さにため息をつくところであろう。この2基の合計金額2000億円は下図1に示すように、全国の大学の研究者が毎年10万人強も応募している、文部科学省の「科学研究費」の年間予算と同額なのである。この研究費は彼らの研究の生命線である。しかも採択率は4人に一人しかない。(図1は文科省ホームページからの転載)
   
    

mori1.jpg 


    
  別の観点からであるが、このミサイル1基1000億円の予算があれば、現在約1万5000人以上いると思われる、日本の大学の臨時雇用のポスドク(博士研究員)の、約1万人の再雇用が成就でき、彼らは人生をあと1年間生き延びられる!   
    
  現時点での政府による防衛予算案であるから、常套手段として「北朝鮮」との軋轢をあおりたてて、防衛相がイージス・アショアの単価をここぞとばかり増額させるであろうことは目に見えている。元々兵器の予算などはどんぶり勘定だろうから。かくて安倍政権下での防衛省長官を筆頭に防衛官僚はざるのようにアメリカのトランプ政権に税金を垂れ流す政策を創作し続けている。彼らはイケイケどんどんで笑いが止まらない。
    
  一方で毎年多くのポスドクは失業して、研究断念を余儀なくさせられている。
     
  保険会社第一生命の毎年行っている、「将来何になりたいか」の昨年の児童に対する希望調査で、男児では、「博士・研究者」が一位なんだそうである。一昨年は「学者」が2位だった。
        
  国は、できもしない実害無益の戦(いくさ)の準備なんか止めて「子供が希望する未来に投資しろ!」と何度でも言いたい。
           
                   
(森敏)
追記1.以下の記事のように、この国では、せっかく意気に燃えて研究の世界に飛び込んできた人材を、経済的不安に陥れている。若手研究者はかくして研究不正を行うことになる。かくて、日本のサイエンスの世界が自分で首を絞めることになっていきつつある。
     

山中所長が当分 給与全額を寄付へ 京大iPS論文不正で

125 1507

京都大学iPS細胞研究所の助教が発表した論文にデータのねつ造などの不正があった問題を受けて、研究所の山中伸弥所長は、今月から当分の間、みずからの給与の全額を研究所の基金に寄付することがわかりました。

この問題は、京都大学iPS細胞研究所の36歳の助教が去年発表したiPS細胞に関係する論文に、ねつ造と改ざんの不正が見つかったもので、この研究には研究所が一般から集めた寄付金およそ230万円が使われたことがわかっています。

こうしたことから、山中所長はNHKの取材に対し、今月から当分の間、みずからの給与を全額、研究所が集めた寄付金で作った基金に寄付することを明らかにしました。

その理由として山中所長は、今回の不正の検証や再発防止策の検討、それに、これまで寄付した人への説明のためにiPS細胞の研究開発などの本来の仕事ができないため、責任を感じていることをあげています。

山中所長は「不正のあった研究に使われた寄付金の補填(ほてん)を意味するものではないが、自分自身の気持ちを納得させるためにも給与を寄付することにした」としています。

 


 

追記2.日本の科学論文数の低下は目を覆うばかり。
       
    
   
世界の趨勢を無視した科学技術戦略と全部連動していることである。長期にわたる科学研究人材育成へ投資への無視が、ボデイーブローとして一気に顕在化してきたのである。これから再建し始めても回復には10年以上かかるだろう。

  

     

科学論文数、日本6位に低下米抜き中国トップ

20180125 1513分 毎日新聞


論文数の推移jpeg    

    

【ワシントン=三井誠】科学技術の研究論文数で中国が初めて米国を抜いて世界トップになったとする報告書を、全米科学財団(NSF)がまとめた。

 中国を始めとする新興勢力が研究開発費を大幅に増やして力をつける一方、日本はインドにも抜かれ、存在感を低下させている。

 報告書は各国の科学技術力を分析するため、科学分野への助成を担当するNSFが2年ごとにまとめている。2016年に発表された中国の論文数は約43万本で、約41万本だった米国を抜いた。日本は15年にインドに抜かれ、16年は中米印、ドイツ、英国に続く6位。昨年、文部科学省の研究機関が公表した13~15年の年平均論文数では、日本は米中独に次ぐ4位だった。
   


   
追記3.またどぶに金を捨てた。(2018年2月2日 記)
  

米、ミサイル迎撃実験失敗 SM3ブロック2A 日本と共同開発 (産経ニュース)
    

【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省ミサイル防衛局は1月31日、日米で共同開発している弾道ミサイル防衛用の改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の迎撃実験を行ったと発表した。実験の結果については明らかにしなかったが、米CNNテレビなど主要メディアは「実験は失敗した」と報じた。

 国防総省やCNNによると、実験は、ハワイ沖の航空機から発射された標的を、同州カウアイ島にあるミサイル訓練施設から発射されたSM3で迎撃するものだったが、標的を撃墜できなかったとみられる。

 失敗が事実とすれば、SM3ブロック2Aの実験失敗は、昨年6月に続いて2回連続となる。

 実験結果を公表しない理由について、国防総省はCNNに対し、北朝鮮が韓国・平昌五輪に参加するなどの微妙な情勢に配慮したためだと説明した。

 SM3ブロック2Aは北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対抗するため、海上自衛隊のイージス護衛艦や陸上配備型システム「イージス・アショア」に配備される予定。米国務省は今月、日本に同ミサイル4発などを総額1億3300万ドルで売却することを議会に通告していた。

    

     

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