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2018-11-15 13:05 | カテゴリ:未分類

          一日10000歩のノルマの散歩を兼ねて、文京区の春日町交差点から白山通りをまっすぐ皇居のお堀に向かって下って、神保町交差点の岩波ホールに出かけた。平日なので観客はわずかに40人ほどで、男女半々であった。

      

悠久に流れる大河ガンジス沿岸のヴァナラシ地区は、インドの聖地であり、年に一度の祭日には200万人もの人々が全国から集まるという。インド人の誰もがここで人生の終焉を迎え、ガンジス河に灰を流されたいと願っていると、幾久しく聞いていたので、この映画には興味があった。

   

小生と同様に、「きっと人生の終活の参考になるものがあるのではないか」と、この映画を見に来る人は期待しているのだろうと思ったのだが 、岩波ホールの観客の女性たちは暗闇では結構若く見えた(だけなのか?)のは意外だった。

 

映画では、ある日、家族で食事しているときに、普段から頑固なおじいさんが、突然、「ヴァナラシに行く」と宣言した。これはそろそろ死期を悟ったという宣言である。そして自宅から120キロメートル以上離れた、実に狭いみじめったらしいバナラシ沿岸のホテルに到着して、滞在を予約した。15日間以内の短期滞在で、大体の人は解脱(字幕の訳文だが、昇天するの意味らしい)するので、まず最初は15日しか滞在契約できない。主人公のおじいさんは残念ながら滞在期間15日以内ではまだ解脱できずに、その後延長して(何日後かは不明であったが)解脱した。その遺体をきれいに修飾して、家族が神輿に担いで、次第に祝福する気持ちにこころが転換して、手拍子で歌いながら、沿岸の火葬場にもっていく、というところで、この映画は終わっている。

 

また、映画では、おじいさんを心配してついてきて一緒にホテルに宿泊している最愛の息子が「なぜ死期が近づいたと思ったの?」という疑問を投げかけると、おじいさんは「人生に疲れたんだよ。何もかもいやになったんだ。もうどうでもよくなっちゃったんだ」というようなことを、言っていた。若干27歳のこの映画の監督にとっては、これくらいの陳腐な言葉しか思い浮かばなかったのかもしれないが、もう少し気の利いた言葉はないのかね、と少し物足りないと思ったことである。

 

  しかし、わが事を思い起こしてみると、小生の親父も死に際に、ベッドの横にいる小生に対して「もうええがや。。」と土佐弁でつぶやいたので、びっくりしたことがある。最後には「生きる気力が失せる」、ということなのだろうか。そうだとするとこの映画のおじいさんのつぶやきは案外「正解」なのかもしれない。

     
     

(森敏)

付記1:実は20年以上前に、この聖地バナラシの近郊にある  Banaras Hindu Universityという伝統のある大学から、Dr. Klyan Singh教授をたびたび小生の研究室に招聘していた。彼からは、一度Banaras Hindu Universityを訪問してほしいと何度も頼まれていた。しかし、別件でハイデラバードのICRISATInternational Crops Research Institute for the Semi-Arid Tropics国連機構)を一度だけ訪れた時に、ニューデリーとムンバイの市中の「排気ガス」と「聖牛の糞」と「リキシャー」の喧騒には辟易した。なので、彼には悪かったが、それ以来インドには行く気がしないままである。当時はこの大学では軍隊を雇した学内権力闘争が激しかったと聞いていたのだが、いまはこの大学も落ち着いて優秀な人材を輩出していることだろう。インドが世界第1の人口を有する、真の経済大国として日本や中国を抜いて君臨する日もそう遠くはないと思う。

          

付記2:この映画では、ヴァナラシ滞在中に、幸い本人の希望通りに一度死にそうになったおじいさんが、ベッドで「ガンジス河の水が飲みたい」と言ったので、付き添いの息子がわざわざ河岸にコップで水を汲みに行き、その水を飲ませるシーンがある。ヴァナラシ沿岸では、死体が流れたり、洗濯したり、多くの人が沐浴したりして大小便をしていると思われるので、不衛生極まりない。だが、コレラやペストや赤痢やO-157などへの耐性(これらの毒素の分解能)が彼らの腸内細菌には遺伝子の水平伝播で獲得されているので、この「死に水」の場面も許されるのかな・・・・・.などと、俗物的なことばかり気になった。こんなことでは、小生はまだまだ「解脱」には程遠いということかもしれない。

2018-11-12 06:26 | カテゴリ:未分類

  以下の2か月前の記事のように、時々北朝鮮政府は外国の重要人物にマッタケを贈ります。たしか、小泉純一郎首相訪朝の時もマッタケが何トンか送られましたよね。何故だと思いますか? 
 
  それは北朝鮮にはマッタケしか高価な贈答食品がないからです。

  韓国も北朝鮮も壮絶な朝鮮戦争で無数の爆弾が投下されて山がはげ山になりました。戦後北朝鮮では人民に暖房や飯炊きの熱源がないために、さらに焼け残った山林を伐採しました。そのために山に有機物がなくなり、照葉樹林などの豊かな腐葉土を形成する樹種がなかなか育たなく、貧栄養でも育つ「松」のみのモノカルチャーになりました。
 
  松の樹の根系には
菌根菌がまつわり寄生していて、朝鮮半島の屋台骨を形成している貧栄養の花崗岩の山には希少なリン酸をその菌根菌の菌糸が吸収濃縮して松が成長しているからです。ですから韓国の山でその松の木に寄生するマッタケ栽培が盛んなところは、実に一見風光明媚です。その山は厳格に国によって管理されていて、入山して木を切ろうものなら即「死刑!」だと聞かされました。
 
  経済力がないために治山治水が十分ではなく毎年のごとく山崩れや洪水が発生しています。もちろん餓死も。日本でも山崩れは最近の異常気象で頻繁になりましたが、北朝鮮では普段から起こっていることらしくあちこちに露出した山肌が散見されました。砂防ダム建設など治山治水の経済力がないからだと現地の技術者が嘆いておりました。
 

  我々日本人は太平洋上で発生した台風がその進路で日本をよけて、朝鮮半島や中国に向かったら、胸をなでおろします。が、朝鮮半島でどのような被害が発生しているかほとんどマスコミが伝えませんので、日本国民の興味の対象外です。ましてや北朝鮮の悲惨な映像は、世界に発信されません。
   

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北朝鮮キム委員長 韓国に2トンのまつたけ贈る

16:41

韓国大統領府は、ムン・ジェイン(文在寅)大統領の北朝鮮訪問に合わせて、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長から、およそ2トンのまつたけが贈られ、20日午前、韓国に到着したと発表しました。

このまつたけは、来週の「チュソク」と呼ばれる旧暦のお盆までに、朝鮮戦争などで南北で離れ離れとなった離散家族のうち、高齢の4000人に500グラムずつ配られることになっています。

まつたけには、「北の山河の香りが感じられるまつたけが、肉親を思う離散家族の皆さんにとって少しでも慰めとなってほしい」とのムン大統領のメッセージが添えられるということです。

北朝鮮は、2000年にキム・デジュン(金大中)大統領、2007年にノ・ムヒョン(盧武鉉)大統領が訪朝した際にも、韓国側にまつたけを贈っています。


 
(森敏)
追記:今月号の文芸春秋には、11ページにわたって1953年板門店での休戦協定時に通訳として参加した、ジョージ・フラー氏による南北朝鮮半島の、コダ・クローム(ASA10)フイルムに撮影された鮮明な写真が、山本晧一氏によって掲載されている。この写真をつぶさに見ると、南北朝鮮を問わず、終戦直後の朝鮮半島の花崗岩の山並みの木、がことごとく地肌を見せてぱらぱらであることがわかる。薪炭用の過酷な伐採や猛烈な空襲による山林火災の故であろう。
 私的記憶では、終戦後の芦屋市の裏山の六甲山(全山花崗岩!)も、こんな状態であった。

 


2018-11-08 10:02 | カテゴリ:未分類

 おつりjpeg     
いつも立ち寄っているスーパーに、今日はいつもと違う若い女性がレジ打ちしていた。マレーシア系の外国人だ。

   

      1000円札で消費税込みの322円の食べ物を買った。

    

      「ありがとうございました!」といって、お釣りに 500円硬貨1枚、50円硬貨1枚、10円硬貨2枚、5円硬貨1枚、1円硬貨3枚を渡された。これでは678円のはずのお釣りには100円硬貨一枚が足りない。

    

      ちょっと危ういなと思っていたら、案の定だ。「100円硬貨が一枚たりないよ」と伝えたら、小生の手の中のお金をきょとんとして数えなおして、50円硬貨を一枚追加してきた。「これではあと50円玉一枚が必要だよ」と伝えると。怪訝な顔をして、もう一度考え直して、「すみません!」と50円玉を1枚追加してくれた。

    

      50円玉と5円玉は穴が開いており、ほぼ直径が同じで色も似ており見分けにくい。100円玉と10円玉は直径が同じである。6種類の日本の硬貨を、在住期間の短い外国人には、なかなか瞬時には見分けがつきにくいんだろうと、同情した。

    

      「がんばってね!」と可愛い子ちゃんを激励しておいた。

    

   
(森敏)
2018-10-26 06:23 | カテゴリ:未分類
 

 前回のブログでは、過去の2011年から2017年までの、ジョロウグモの放射能を紹介した。
    
  その時は、直近の10月に2回福島の浪江町と双葉町で採取した27匹のジョロウグモと偶然見つけた1匹のコガネグモを、まだ測定中であったので、今回はその測定結果を紹介する。
     
  今回は福島調査の直前に襲った台風21号と24号のためか、クモの巣が破れて例年よりもクモは激減していた。
じょろうぐもjpeg 
1匹ずつU8カップに捕獲したジョロウグモ
       
  上図のようにGe半導体測定容器U8カップに1匹ずつ採取してきた(1匹ずつでないと必ずジョロウグモでは共食いの激しいあら争いが起こる!)ものを、大学で直ちにNaIでの測定用カップに1匹ずつ入れなおして、NaI法で測定した。一匹ずつGe半導体法で測定するには、とても時間がかかるからである。
     
  したがって今年のデータは乾物重当たりの放射能値ではなく、生体重当たりの放射能値になっている。例年と比較するにはおよそ、この2-3倍を掛けるとよいはずである。
     
  ほとんどのクモは雌クモで腹がパンパンで出産まじかであった。雄クモが4匹ばかり取れたのだが、これらは雌クモの20分の一ぐらいと非常に小さくて、個体あたりの総放射能が少ないのですべて検出限界値以下であったので下図からは省いている(あらためてGe法で測る予定である)。
      
  除染を全くしていない空間線量が現在も非常に高いところ(浪江町3-5μSv/h、双葉町13-15、16-19、14μSv/h) でのクモのサンプルであるので、ジョロウグモもコガネクモも内部被ばくはいまだに強烈に高いことがわかる。
 
    
      
高い空間線量を示す放射能汚染地区では、現在では主として土壌の有機物層が放射性セシウム汚染しており、これらの可溶性放射能はバクテリア、カビ、などの栄養源となって濃縮しており、クモはこれらのカビ、バクテリア、その他の地虫を食べている。そのため、いまだに内部放射能被ばくが下がらないと思われる。





 

 
 
スライド2 
 
(森敏)
2018-10-12 14:55 | カテゴリ:未分類
コウノトリはぐくむお米jpeg 
コウノトリ育むお米 有機米

Organic Healthy+Beauty +Ecology の表示

 

 


     

千葉の「幕張メッセ」で農業EXPOが本日までおこなわれている。(1010-12日)

「国際ガーデンEXPO,

「農業資材EXPO,

「次世代農業EXPO,

「6次産業化EXPO,

「道工具作業用品EXPO

に加えて、今年は大々的にブースを広げて

「日本の食品輸出EXPO」(ここだけで主催者によれば600社10000商品とのこと)が併設して開催されていた。

 

すぐには実用化を必ずしも期待されていない大学の研究紹介と異なり、すでに商品化されていたり、これからの商品としての可能性を探る試供品が、多数展示されていた。多くは中小企業の人たちの取り組みで、実に真剣な熱気が感じられた。小生はこのイベントに毎年参加して勉強させてもらっているので、今年も新しい企画や商品だけに興味を絞って、各所の展示ブースに立ち寄ったのだが、どのブースでも、うっかり立ち寄ると、熱心な説明員の売り込みに応答して多少の議論をしなければならないので、たえず気圧され気味であった。
 
  あまりにもブースの数が多すぎて、とても回り切れなくて、2日間だけでドット疲れた。ただし、「日本の食品輸出EXPO」の展示では、600もあるほほ半数のブースで、試食や試飲が出来たので、生来食い意地の張った小生にとってはとても楽しかったのだが。ここの商品は輸出狙いなので英語や中国語でのラベルが多く、会場はアジア系外国人バイヤーでごった返していた。

    

ところで、小生の一番の興味はどこかの業者が「米パン」を学校給食に採用する取り組みがないかであった。先日見たばかりのテレビでは、お茶碗に盛った “白いご飯”と並べて“小麦粉パン”を学校給食で児童に出してみると、およそ7割が、パンを選んだということであった。その理由として、ご飯は残すと先生に叱られる、食器を洗う手間がわずらわしい、などなど。それにくらべてパンなら完食できる、というような児童の感想が紹介されていた。

 

そこで子供たちにお米をどんどん食べてもらうためには、どうすればいいのだろうか? と考えた。「米パン」や「米あんパン」や「サンドイッチ米パン」を提供することが考えられる。そこで展示会場で大企業の小麦の製粉メーカーや、米粉メーカーや、米パンメーカーに、いろんな角度から質問を投げかけてみると、おおよそ以下のことが分かった。

 

 10年ほど前から学校給食にお米を取り入れることは文科省で薦められて普及しているが、使用量は頭打ちかむしろ低下傾向にある。「米パン」はもちもち感があることと、冷えると固くなるので、給食の時間のタイミングに合わせるのがむつかしい。日本ではパンのイメージが大略 “ふわふわ感” があるべきだと子供たちの頭に刷り込まれているようなので、冷えた「米パン」は、「これはパンではない」、という違和感があるのではないか。「米パン」にすると、現時点では国産のお米の原価が小麦の2倍である、。「米あんパン」などにすると子供達は食べるかもしれないが、さらに値段がかさむ。一食300円弱の学校給食で決められている値段ではほかの栄養成分のおかずなどに影響が出るので、とてもむつかしいだろう。

 

などと供給側は「米パン」で学校給食に食い込むのは実に消極的で、製品化する前にほぼ断念を強いられているようである。できない理由ばかり聞かされた。

    

それでも、米麺(べいめん)を細切りにしてサラダで提供したり、月に一食は地産地消農産物を採用すべきであるという自治体の規則で、辛くも週にいっぺんは米飯にしているところもある。というぐあいであった。

 

義務教育での「食育」は単に「栄養と健康」に関する知識ばかりでなく、当たり前のことだが、食べ物の生産と環境問題が切っても切れない関係にあることも教えるきっかけにすべきものである。お米の生産現場である水田の多面的機能(洪水時の貯水機能、景観保持機能、生物多様性の保持機能などなど)を環境問題として、しっかり教育すべきなのである。日本ではお米の生産は国土保全に必須である。だから子供のときからお米をおいしく、おなか一杯に食べてもらうことが必要である。

 

少子化の日本の次世代への教育投資は、今や喫緊の課題である。子供の健康な体を作り、環境問題に貢献する「お米食」はもっと強く推し進めるべきだと思う。それが限界にきているのなら、子供達が食べやすい「米パン食」 さらには「サンドイッチ米パン食」 などを学校給食用に開発すべきであろう。多少とも費用が掛かっても、次世代の育成と環境保全のためには実に安い投資だと思う。

   

正確な記憶でないのだが、今回文科省は学校の地震に危険なブロック塀除去対策に60億円、夏の高温の教室のクーラー対策に800億円を補正予算で計上したと、たしかテレビで報じられていた。

    

文部科学省の調査(2014年5月1日現在)で全国平均の学校給食費の個人負担の月額は、公立小学校高学年で4277円(1食あたり246円)、中学校4882円(同286円)ということである。これにあと毎食50円ぐらい国が負担すれば「サンドイッチ米パン」をつくることはさほど困難ではないだろうか? これだとおかずを米と共に摂取するので、一挙両得ではないだろうか? 
      
 
というようなことをつらつら帰りの東京駅まで40分ばかりかかる京葉線の鈍行のなかで夢見心地で考えていた。  


 (森敏)

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