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「飯舘村のカエルの放射能汚染」
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2018-02-19 08:37 |
カテゴリ:未分類
確か3年前の2013年7月ごろから、飯館村の長泥地区には、ゲートが設けられて、関係者以外は入れなくなった。当時それを知らずに小生たちは比曽地区からゲートの直前まで行って、許可証がないからとつっけんどんに追い返されてU-ターンすることになった。
少し癪に障ったので、ゲートの手前200メートルぐらい道脇の植物をいろいろ採取してみた。このつる性の植物は、そこいらの植生に絡みついていたのをはぎ取ってきたものである。当時そこの空間線量は10マイクロシーベルトを超えていた。
図1がそれである。この植物のオートラジオグラフは早くから撮像していたのだが(図2)、植物名が長らく同定できていなかった。今回若林芳樹さん(株:アスコット)からお知らせ頂いて、ボタンズルということが分かった。
図1と図2を比較してよくみてもらうと、あちこちの太い黒点と微細な黒点による外部被ばくが認められる。ツルの分岐部(いつも述べるように、この部分には道管と師管が入り組んでいる)などは内部被ばくである(図2、表1)。つぼみが全部濃く写っているが、これは全部内部被ばくである(図2)。
つまり、2013年8月の時点では、まだこの植物が絡まる草や木からボタンズルへの二次汚染(外部被ばく)が続いていたということである(表1)。ただし、放射線像の撮像は2014年4月で、放射能の測定は2016年5月である。
図1 ボタンズル

図2.図1のオートラジオグラフ

表1。 ボタンズルの放射能。蕾や花は全体の量が少なすぎてNaI測定器での測定にかからないかもしれないと思ったので、葉の部分に入れている。図2からは、新しい蕾の部分では外部被ばくは認められないので。もっと細かく分けるべきだったかもしれない。

(森敏)
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