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WINEPブログ内で「 大学 」を含む記事

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2019-01-17 11:59 | カテゴリ:未分類
 
 
 
 
 

卒業生への祝辞

 

卒業生の皆さん,本日はご卒業おめでとうございます。

また,本日お集まりのご父兄の皆様には,お子さま方のご卒業まことにおめでとうございます。
 

さて,学生諸君には,今日(きょう)の卒業の喜びと感謝の言葉を,まず最初に,母親や父親に報告することを私は強くお勧めいたしたいと思います。それは,いうまでもなく,諸君の今日(きょう)があるのは,諸君自身の生まれてこの方の、日ごろの努力のたまものであることはもちろんでありますが,一方では,20余年間にわたって諸君をとりまく豊かな人間環境と生活環境を支えてきてくれた,家族や親族の方々のご支援の結果であるからであります。この事を決して忘れてはなりません。本日は,まず第一に,その感謝の念をはっきりと「言葉」で,とりわけ諸君のご両親に表現することを実行していただきたいと希望いたします。

 

 さて,この,人間として当たり前のことを諸君にお伝えいたしましたので,私はもう引き下がってもいいのではないかと思いますが,それでは時間が持たないようですので,例年の専攻長が行っているように,少しは気の利いたことを更につけ加えて,訓辞としなければならないようであります。

 

そこで,本日は,私が日頃から,ゼミや,食事の時に,くだを巻いて主張していますことの,それこそほんの一端を簡単にご紹介させていただきます。

 

それは非常に単純なことで,実は熟達した研究者の世界では極めて陳腐なことでありますが,実行するとなると,なかなか難しいことであります。

そのひとつは,

 

「流行を作れ」ということであります。

 

もう一つは

 

「流行におぼれるな」

 

ということであります。この二つの言葉の意味を研究というものを中心に簡単にかみ砕いて,ご紹介させていただきます。

 

どこの世界でも同じですが,研究者の世界では,とりわけオリジナリティー(独創性)が要求されます。云うまでもなく,オリジナリティーというのは,「その人で無ければ生み出され得なかった発想」であります。言葉を換えて云えば,つまり,「余人をもって代え難い発想」ということであります。

まだ誰もが重要と思っていない自然現象に挑み,現象を発見し,その研究を萌芽の段階で重要研究課題であると確信して起ち挙げる,ということは実はなかなか至難の技であります。この初期の研究段階は,たとえて云えば,大腸菌の増殖過程でいえば,まだラグフェイズの段階であります。この段階での研究論文は学会誌に投稿してもまず,すぐには,受理されません。なぜなら学会の学説の定説に凝り固まっているのが学会誌の普通のレフェリーの頭でありますから,考えてもみなかったデーターを突き付けられると,大部分のレフェリーは,まず最初に,動揺し,疑い,否定して,研究をつぶしにかかろうとするからであります。したがって,このときに研究者がなすべきことは,この定説や学説に凝り固まった,レフェリーの頭を変えるために,自分の発明や発見が事実であることを,いろんな角度から証拠固めをして,レフェリーの無理難題に答えることであります。そのためには,非常な時間と忍耐力を要求されるわけです。場合によっては,研究がまだ仮説の段階であることも多いものですから,決定的証明が出来ずに,その間,研究費が全く得られない事態にたち至る可能性もなきにしもあらずであります。
  

つまり,ある分野の学問を起ち挙げる,すなわち「流行を作る」と云うことは,非常に強靭な意志を有する,なかなか容易ではない作業なのであります。

 

これに対して,すでに誰かが重要であることを指摘し,誰の目にも明らかな流行(はやり)の研究を行うことは,さほどの独創性を要求されない場合が多いのです。このような研究ではすでに,研究の方向性が確立しており,一見,きれいな定説に合った研究成果が生まれやすいので,研究論文も雑誌に投稿すれば受理されやすいのです。研究結果の効率的生産からみますと,大腸菌の増殖過程のアナロジーで云えば,ログフェイズ,すなわち対数増殖期の段階であります。このような研究は,次々と予想どおりのデーターが出るので楽しいし,誰よりも先に研究結果が出れば大変うれしいものですから,こういう研究に研究者はだれでものめりこみがちです。ときには,おぼれて,そこから抜け出れなくなったりいたします。こういう段階ではプライオリティー(先駆性)争いが活発におこなわれているわけです。つまり予想されるデーターを誰が最初に発表するかという点で,世界中の研究者が熾烈な争いを展開しているわけです。このようにしてその方面の研究水準が押し上げられていくのがいわゆる通常科学の進み方であります。
   

しかし私に云わせれば,いくら詳細にこのような研究を行っても,そのような研究の真の勝者は最後の一人か二人であります。また,その研究を最初に起ち挙げた人の名こそが永久に残ることになります。
   

すなわち流行に乗ることは比較的易しいのですが,研究者としては時としてこの道に入ることは安易な選択であります。極端に云えば,一種の堕落であります。

 

諸君,私の云っていることをご理解いただけたでしょうか?

卒論研究を真剣に行った諸君には,少しは理解していただけたかもしれません。しかし,多分本当に理解していただけるのは,諸君がこれから社会に出られたり,大学院に進まれて,第一線の研究や商品開発を世界との競争の中で行ううちに,おのずとひしひしと身にしみて感じることになるであろうと私は思っております。

 

その意味におきまして,いま私が,

 

流行におぼれるな,流行をつくれ

 

ということを諸君に呼びかけるのは,時期尚早かもしれません。しかし諸君の大部分の方がこれから研究者の道や商品開発の道に入っていく門出のいま,私としてはそのことを,あえて云っておきたいと思います。

 

なぜなら我々の先達である農芸化学の研究者たちは,すべからく生産現場の現象の発見から,世界に冠たる大きな学問の世界の流行を築いていったからであります。

 

簡単でありますが,これをもって私の祝辞とさせていただきます。

 

ご清聴ありがとうございました。
 
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(森敏)
付記:そろそろ大学の学生や大学院の卒業式が近づいてきました。以上は小生が21年前(1998年)に東大の農芸化学科の専攻長をしていた時に、学部の卒業生とその父兄を前に話した、卒業生への祝辞です。色褪せていないと思います。

2019-01-14 16:59 | カテゴリ:未分類

金沢医科大、9人追加合格

2019113日東京新聞
  

 卒業生の子弟を優遇するなどの不正入試を行っていた金沢医科大は十二日、二〇一八年度のAO入試で八人、編入試験で一人の計九人を追加合格としたと発表した。このうち入学の意思を示した四人の一九年度の入学を認める。一般入試でも不適切な処理をしており、追加合格の有無を後日、公表する。

 金沢医科大はAO入試で、卒業生の子弟のほか北陸三県の高校出身者や現役生と一浪生に加点していた。編入試験では地元出身者や二十五歳以下の受験生に加点、二十七歳以上は減点していた

 同大は、一九年度入試の募集定員は変えず、二〇年度以降に調整する。


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  金沢医大の不正入試に関するニュースは各紙が報じているが、この大学が、編入試験で「年齢に拠る減点」をしていると報じたのはこの 東京新聞 のみである。
  

  基礎医学分野は別として、患者に即した良い臨床医になるには、他分野で幅広く学問を学んできた人物の方が適している可能性が高いと、小生には思われるのだが。年齢差別をなぜしているのか、大学側に聞きたいものだ。
  
     

  以下のようにアメリカの大学医学部が社会に向けて良医を育てるために行っていると称している医学部入試制度は実に興味深い。これは外科の医師向けの雑誌みたいだがぜひ一読をお勧めする。
  
 
http://ken-kimura.com/wp-content/uploads/typepad/35_19990900.pdf

   
 

(森敏)



2019-01-11 13:08 | カテゴリ:未分類
COP24、日本政府の部屋からパソコン盗難か

昨年12月にポーランドで行われた国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で、日本政府代表団がノートパソコンとUSBメモリーを紛失していたことがわかった。環境省が9日、発表した。他国との会談記録などが入っていたという。
 発表によると、パソコンとUSBは、会場内の日本政府の部屋にあったが、会議終了後の12月16日に紛失が発覚した。状況から盗難の可能性が高く、環境省は今月4日、在ポーランド日本大使館を通じて現地警察に被害届を提出した。
 USBには、2017年11月〜18年5月に行われた国際会議の交渉記録や、他国の環境相との会談記録のほか、政府関係者ら約30人分のメールアドレスが入っていた。パソコンには環境相の日程などが記録されていた。環境省によると、外部への情報流出は確認されていないという。(読売新聞1月9日)



  

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この記事の意味するところは、会場内に国際的に暗躍するスパイがいたということである。

 

    国際会議場では多くの国々の人が入り込むので、格好のスパイ合戦が行われていると考えられる。日本政府代表団の警戒心の欠如は、かなり深刻である。国益に害を与えている。二度あることは三度あるはずだ。

 

    パソコンやUSBのなかからこの日本の代表団の草案作成にかかわった多くの人的情報が流出しているだろう。それらは巡り巡って当人たちに甚大な影響を及ぼしかねないものである。

 

 

以下外国でのパソコン盗難に関する記憶である。
     

    11年前にベルリンの有名ホテルで大学評価に関する日独学術交流が持たれた。お昼にホテルに着いたときに、団長である筑波大学の某先生は、いたってお元気であった。ところが夕飯時に、彼の顔が顔面蒼白になっていた。「どこか体調が悪いんですか?」と聞くと、「ホテルの部屋から!パソコン盗まれた!困った困った! 明日の講演の内容がすっかりパーになった」。

   

そこで皆でホテルのマネージャーとかけあったが、「あちこちに監視カメラを取り付けているので、不審者がわかったら連絡します」と言って直ちには捜索を全くやる気がなかった。あきらめて某先生は食事もせずに、同行の先生のパソコンを借りて、そそくさと部屋に引きこもった。翌日の朝食時にはげっそりと痩せて見えた。徹夜だったのだそうだ。もともと、原稿はよく練りこんでいたのだろう、講演は立派なものだった。
    

  パソコンは出てこなかったし、ホテルの側からは全く謝罪がなかった。一貫して俺たちの責任ではない、というような木で鼻を括る態度には無性に腹が立った。日本人だと思って馬鹿にしている、と思った。ベルリン壁崩壊前後に小生は4回ドイツを訪問していたのだが、その経験も含めて、思わず頑固なドイツ人が嫌いになりかけた。「それはお前の性格が悪いからだ」といわれればグーの音も出ないのだが。

 
          

(森敏)
2019-01-04 16:48 | カテゴリ:未分類

大学の大先輩から「森さんボヘミアンラプソディーという映画見た?」と聞かれたときは、「気になってはいるけど、最近の映画は “はずれ” が多くてどうしようかと逡巡してます。それに映画館で1時間以上も座っているのは苦痛なもんで。。。。」と答えておいた。

 

だが、新聞の映画広告の欄を見ると、東京の多くの映画館では、意外にこの映画は珍しくもロングランを続けているようなので、とうとう年末に見に行くことにした。観た後、この映画は “あたり” だと思った。

  

唐突な感想のようだが、この映画で小生は「ファシズム」を強く連想した。ファシズムといってもヒットラー時代のクラシックな意味での「大衆扇動」ではなく、非常にエレガントでエモーショナルな "深層心理操作" の恐怖を感じた。

   

映画ではロックバンド「クイーン」のリードボーカルのフレデイ・マーキュリーが主人公であるが、作曲、曲目の編成、曲に合わせた舞台動作の振り付けなど、ありとあらゆる1970年代当時のロック演奏の技法開発の舞台裏が紹介されている。今では数万人の聴衆が参加する野外や室内演奏会は日本でも普通のようだが、これは恐ろしいことだと、真に背筋が寒くなった。

 

というのも、この映画を見ながら小生自身が、演奏に引きずり込まれて、思わず筋肉が躍動し涙腺が緩んできたからである。映画でさえそうなんだから、演奏会現場にいる人間は、フレデイーの一挙手一頭足によって人間心理の深層を揺さぶられているのだろう。参加している聴衆全員が、フレデイーによって心理操作されて、何かを手にもって左右に振って、泣いたり、笑ったり、絶叫したりする光景は、現場ではもっともっと迫力があるのだろうと理解できた。

 

このボヘミアンラプソディ―の場数を稼いで洗練されていく演奏会のあと、この演奏曲目の部位やその時の反響(大衆の喜怒哀楽の表情など)を、あらゆる芸能分野のプロヂューサーが詳細に分析して、後世の舞台環境の創作に反映していったことは容易に想像できる。

 

40歳以上の知人がいい年をしてさるコンサートの追っかけをして、結婚もしないでいることが理解できなかったのだが、少し理解できたような気がする。

 

「共鳴」とか「共感」とか「絆」という言葉が無条件(アプリオリ)に “善” として語られることが多いが、これらの言葉も今や危険を内包している。

 

人間はよほど精神を鍛えても決して精神的に自立できないのだということを確信した。時代を潜り抜けてきた年寄りが正常な常識を抱いているというのもAIの発達した時代には、怪しい自我自賛になりつつある。我々はたやすく心理操作されうる対象であることを、肝に銘じなければならないと思ったことである。

 

心理学や精神分析学や脳科学の驚異的な発展途上の現代社会では、われわれの日々の感性を深く揺さぶるフェイクニュースに惑わされないでいることも、実に実に至難の業である。
  
      
(森敏)

2018-12-03 14:34 | カテゴリ:未分類

中国人留学生スパイの実態=元中国外交官

201843

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駐シドニー中国領事館元外交官・陳用林氏よれば、中国の在外公館(大使館・領事館)は、中国人留学生を操りスパイ活動を行わせ、海外の反体制派活動家を監視し、妨害活動を行っている。

2007
6月、大紀元の取材に応じた陳氏は、各国の大使館は、スパイ活動に従事する中国人留学生のすべての必要経費を援助していることを明らかにした。陳氏は20055月、家族と亡命を申請し、オーストラリア政府より保護ビザを得た。

中国の在外公館の留学生および留学生団体を操る手法について、陳氏は次のように詳しく説明した。

(1)
留学生が行う各活動にかかる経費を援助する
(2)
留学生が帰国し就職したい場合、本人が海外留学時、海外にいるときも祖国を愛し、共産党を愛する者であることを証明する在外公館の推薦書を与える
(3)
中国教育部は中国人留学生奨学金を開設し、在外公館の指示で動く中国人留学生の活動費用を与えている
(4)
国内の各種公演グループの海外公演を行うときに、招待券を配布し、またはその祝宴パーティーなどに招待する

情報筋によると、在外中国大使館には、各国にいる中国人留学生親睦会のリーダーをスパイ工作に就かせる専門の担当者がおり、学生によるスパイ工作を画策しているという。いっぽう、経費の援助項目についてはさまざまだが、表向きに公開した活動経費もあれば、学生個人の口座に直接入金することもあるという。また、卒業後、それぞれ滞在する国の主要な学術機関に就職する機会を与えることもある。

さらに、中国はここ10年間、米国の多くの大学に対して、膨大な「研究費」を提供しているが、これらの研究プロジェクトに「スパイ」を配置しているという。こうしたスパイは、上述した留学生親睦会の主席リストから選ばれた者であるという。

陳氏は、米国本部の中国語衛星テレビチャンネル「新唐人テレビ」主催の舞踊コンクール「世界中国舞踊大会」を、留学生が妨害した例をあげた。同大会はニューヨーク大学(NYU)を会場とする予定だが、同大学の中国人留学生や学者の親睦会「ニューヨーク大学中国人文化クラブ」がこのほど、同大会開催反対の声明を出した。

「声明を出した同クラブは、実質上、駐ニューヨーク中国総領事館教育部が支援して設立した団体。教育部の主な仕事は、海外の中国人留学生を監視し、中共政権にとって不利益である団体および人物をかく乱させ、中共側に協力させること。言い換えれば、中共機関の海外拠点である」と指摘した。

陳氏によると、同様の親睦会は、豪州および世界各地の大学に存在しており、海外の民主運動活動家や法輪功およびその他の中共政権に批判的な、反体制派の人物などの大学での活動を監視し、入手した情報をいち早く、駐海外中共領事館・大使館へ報告することだという。

同氏はまた、中国大使館は、反体制派の活動に留学生を出席させ、収集した資料および情報を報告書として提出させるという作業の流れを明らかにした。

(大紀元編集部)

  

       

以上は10年前の中国の外交官の話の記事である。小生の東大在籍時代の感想が、「やはりそうだったんだ」と、この文章を読んで、かなり納得がいった。爾来中国共産党政権が変わっているわけではないので、今でも中国政府の留学生に対する基本方針は大きくは変わっていないと思われる。

   

ネットで調べると、東京大学には、平成29年現在にはなんと2077(全留学生の52%)もの中国人留学生がいる。彼らは、楽しそうで日本での学園生活を謳歌しているように見える。

 

1960年代は日中国交回復がまだなかったので、東大には台湾やタイやインドネシアや韓国人の留学生が多かった。その中でも独裁政権下の台湾や韓国の留学生は、小生があえて挑発してみると、政治に関してはものすごくピリピリして寡黙であった。それは国費留学生仲間が相互に思想を監視しあっているので、反体制的な発言や行動をすると、密告されて、下手をすると強制送還されるからだということであった。当時の蒋介石総統の台湾では、台湾独立派と認定されて強制送還されると、到着した飛行場から連れ去られて即絞首刑されるといううわさが飛び交っていた。だから優秀な学生は日本を経由してアメリカに留学していった。その後政権が代わってから、米国からの留学生が帰還しはじめて台湾は急速に経済発展を遂げた。

 

1972年に日中国交が回復して、中国大陸から来日する中国人留学生も激増し東大でも例にもれず激増した。それでも初期のころの留学生は結構政治的な話には警戒心が強かった。江沢民による反日歴史教育教科書で学んだと思われる世代は特にそうだった。しかし、現在でも留学生たちは日中間の尖閣列島の話などは、極力避けたいようだ。
   
  中国からの留学生たちには、中国本土に比べるとはるかに言論の自由な日本で、いろいろの見聞を広めて、本国に帰っても批判的精神を忘れずに活躍してほしいものだと、本心から思う。

   

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