2017-09-22 06:39 | カテゴリ:未分類

  仙台(東北大学青葉山新キャンパス)での日本土壌肥料学会の合間をぬって、風光明媚な観光地「松島」を約10年ぶりに訪れた。遅まきながら、震災の後の復興状況を一目見ておきたかったからである。

 

  東日本大震災「復興地蔵堂」 というのが遠慮がちに、4メートル四方の仮の台座に建てられていた。その中には京都の佛師富田睦海師による地蔵菩薩(瑞巌寺起雲軒老大師により悲母地蔵と命名)が安置されていた。(図、1,2,3)
  

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(図1)復興地蔵堂への案内 
     
 
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(図2)復興地蔵堂
       
 
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(図3)復興地蔵堂の中の新創作「悲母地蔵」
     

  まずもって、てっきり「透かし橋」で海岸からすぐつながっている孤島の上の『五大堂』は津波をかぶっていただろうと思ったら、まったく健全だった(図4)。この島の高さは海水面から3.5メートルばかりと思われた。茨城県の海岸際の岡倉天心の建てた有名な六角堂は東日本震災の大津波で消失したと報じられたので、ここの岸辺の絶壁の「五大堂」もあわやと思っていたのだが。。。これは実に意外だった。
 
 

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(図4)津波が上昇せず健全だった「五大堂」 
         
   

  そこでつらつら思うに、そこから海を遠望すると松島海岸は沖合のあちこちに島が美しく点在しており、きっとこれらの島々が津波を複雑に ”干渉”して打ち消し合って、あたかも強い緩衝能の防波堤の役割を演じたのだろうと勝手に解釈して納得した(図5)。見えない海底にも小高い山が障壁としてきっと林立しているのだろう。(後に、以下に示すようにネットで調べると、宮城県では、女川漁港では14.8メートルという最高の津波に襲われたがここ松島町では2.9メートルで済んだということである。(図6)
   
松島沖 
(図5)五大堂から松島沖合を望むと数々の小さな島がある。観光船のフェリーボートがが絶え間なく行き来している。
            
 
津波の高さjpeg 

(図6) 図録 東日本大震災で確認された津波の高さ  より転載. 松島町は最下位であることがわかる。 
            
  

  沿岸では、まだあちこち堤防の修復などが行われていたが、その高さが、海水面から3メートルもないのにはいささか驚いた。上図に示すように、東日本大震災の経験から、将来もここ松島海岸では高さが3メートル以上の津波は来ないと考えているのかもしれない。
      
  高さ2メートルばかりの「震災記念碑」は、堤防工事の邪魔になるからなのか、道路わきの実に目立たない片隅に佇(たたず)んでいた(図7)。この謙虚すぎる展示の仕方のせいか、通行人の観光客のほとんどは気が付いても何気なくさっさと通り過ぎていくようであった。

            
   
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(図7)東日本大震災慰霊記念碑 から  海岸沖を遠望する。堤防は工事中
            
   

  昔、文科省のプロジェクトの研究会で参加した海際の「松島センチュリーホテル」は、ホテルマンによると、「津波で一階が全面浸水して、名画が全部台無しになった」、けれども、地震でホテルが倒壊することはなかったようで、亀裂などは、外壁が塗りなおされていて、どこまで津波で浸水したかの跡かたがなかった。二階ロビーの壁面の日本画家の「片岡球子(かたおかたまこ)」さんの名画は健在だった。飛び入りだったが、誰もいないここのロビーで450円の飲み放題のコーヒーなどをいただいて、広大な全面ガラス越しに、美しい海をしばらく堪能した。
                
  「津波が来たら高台へ避難せよ」という意味の絵のパネルが道路の電柱の高い位置に掲げられていた。これは、来るべき関東・中部・南海大震災に備えて、これらの沿岸域の低地の、あらゆるところに今すぐにでも掲げられるべきパネルだと思われた(図8)。
    
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(図8) 「津波が来たら高台へ避難せよ」 の表示パネル

       
   
  以上、急ぎ足の感想です。  
    
(森敏)
付記: 伊達正宗が再建(1609年とか)の瑞巌寺は裏山の登り口にあり、海抜10メートルぐらいか? さすがに過去の貞観11年5月26日(ユリウス暦869年)などの幾多の津波を経験した結果の位置決めと推察した。
        
追記: 昨日の報道では、きたるべき「巨大地震の3日前からの予知などできない」という最終的な結論が出たようだ。延々50年間以上にわたって予知連にむらがる地震学研究者たちは、「地震予知はできる」と「ホラ」を吹きつづけて巨額の研究費を消費してきたことになる。
            
これは「原子力の平和利用」で50年間以上にわたってを国民を欺いてきた結果、東電福島第一原発事故(メルトダウン)を起こした「原発マフィア」とあまり変わらない科学技術者の精神構造だ。(20170926 記)

   
2017-04-05 08:30 | カテゴリ:未分類
1.

以下のようにわれわれの放射線像がフランスのル・モンド紙に掲載されました。ル・モンドの電子版にはもっと詳しい画像が載っています。

 
rumonndo.jpg 



写真の説明文は:

日本人フォトグラファー加賀谷は2011年から福島第一原発から半径40キロ以内の飯舘村や浪江町を調査している。2011年3月11日に起きた大災害の後、このゾーンは政府の指示により完全に避難区域となっていた。東京大学の生物学者森敏とともに、オートラジオグラフィーと呼ばれる技術を発展させ、現地調査で集めた汚染された植物、動物、様々な日用品から環境中の”目に見えない”放射性物質を可視化している。オートラジオグラフィーは放射線を発する物質から、光学的なプロセスによってその放射線を白と黒で浮かび上がらせる映像技術である。



2.

また、加賀谷雅道カメラマンは現在イギリスでの ”FORMAT国際写真祭” に参加して「放射線像」の展示を行っています。

写真展は次のような日程になっております。
FORMAT international photo festival
www.formatfestival.com
24 March - 23 April 2017
Derby UK

igirisu.jpg 加賀谷氏の作品展示の様子
2017-01-21 22:11 | カテゴリ:未分類
以下安倍首相の施政方針演説の教育支援の部分の抜粋です。
相変わらず総花的だが、この部分は素人目には官僚の作文としてはよくかけていると思う。
予算的裏付けがあって実現すれば一歩前進であることは間違いない。


ーーーーーー以下抜粋ーーーーー

(希望出生率一・八)
 一億総活躍の最も根源的な課題は、人口減少問題に立ち向かうこと。五十年後も人口一億人を維持することであります。長年放置されてきた、この課題への挑戦をスタートします。
 「希望出生率一・八」の実現を目指します。
 一人でも多くの若者たちの、結婚や出産の希望を叶えてあげたい。
 所得の低い若者たちには、新婚生活への経済的支援を行います。不妊治療への支援を拡充します。産前産後期間の年金保険料を免除し、出産の負担を軽減します。妊娠から出産、子育てまで、様々な不安の相談に応じる「子育て世代包括支援センター」を、全国に展開してまいります。
 仕事をしながら子育てできる。そういう社会にしなければなりません。
 病児保育の充実など、子ども・子育て支援を強化します。目標を上積みし、平成二十九年度末までに合計で五十万人分の保育の受け皿を整備してまいります。返還免除型の奨学金の拡充、再就職準備金などの支援を行い、九万人の保育士を確保します。「待機児童ゼロ」を必ず実現してまいります。
 大家族による支え合いを応援します。二世帯住宅の建設を支援します。URの賃貸住宅では「近居割」を五%から二十%へと拡大します。新しい住生活基本計画を策定し、三世代の同居や近居に対する支援に本格的に取り組んでまいります。
 子どもたちの未来が、家庭の経済事情によって左右されるようなことがあってはなりません。
 ひとり親家庭への支援を拡充します。所得の低い世帯には児童扶養手当の加算を倍増し、第二子は月一万円、第三子以降は月六千円を支給します。
 幼児教育無償化の実現に一歩一歩進んでまいります。所得の低い世帯については、兄弟姉妹の年齢に関係なく、第二子は半額、第三子以降は無償にします。
 高校生への奨学給付金を拡充します。本年採用する大学進学予定者から、卒業後の所得に応じて返還額が変わる、新たな奨学金制度がスタートします。希望すれば、誰もが、高校にも、専修学校、大学にも進学できる環境を整えます。
 いじめや発達障害など様々な事情で不登校となっている子どもたちも、自信を持って学んでいける環境を整えます。フリースクールの子どもたちへの支援に初めて踏み込みます。子どもたち一人ひとりの個性を大切にする教育再生を進めてまいります。
 日本の未来。それは、子どもたちであります。子どもたちの誰もが、頑張れば、大きな夢を紡いでいくことができる。そうした社会を、皆さん、共に創り上げていこうではありませんか。
 
ーーーーー 
  
付け加えておくと、残念ながら子ども達や青少年に夢をどう与えるかが完全に欠落している。

未来への人材育成のための投資を叫ぶなら、安倍首相は素朴に謙虚にノーベル賞学者ともっと頻繁に交流した方が良いんではないか。これまでの彼の発言からは、「科学とはなんぞや、技術とはなんぞや」を学んだ形跡が全く感じられないからである。
 
話は少しそれるが
今回の施政方針演説では、エネルギー問題、原発再稼働問題から完全に逃げている。今国会の争点にしたくない姿勢がありありだ。 残念ながらマスコミも、彼の隠ぺい戦略に引っかかっている。 原発問題では、安倍首相は、よく勉強した小泉純一郎元首相からも謙虚に学んだ方がいい。小泉の呼びかけに対しては、無視し続けているようだが。



(喜憂)
追記:東京都の小池知事は本日(1月26日)の都の新年度予算案の記者会見で
上記の保育士問題や授業料無償化などで、国に先行して新基軸を打ち出している。7月の都議選に対しての対策でもあるのだが、なかなかはしっこいと思う。
2017-01-15 14:09 | カテゴリ:未分類

男の子がなりたい職業、「学者」2位に急上昇 連続ノーベル賞効果か 第一生命調査

 第一生命保険が6日発表した「大人になったらなりたいもの」のアンケート結果によると、男の子で「学者、博士」が2位となり、前回の8位から大幅に上昇した。第一生命は「日本人のノーベル賞連続受賞の影響があるのではないか」と分析している。

 男の子の1位は7年連続で「サッカー選手」、3位は「警察官、刑事」だった。前回18位の「水泳選手」が8位に浮上した。2016年夏に開かれたリオデジャネイロ五輪で日本人選手が活躍した影響とみられる。

 女の子は「食べ物屋さん」が20年連続の1位となり、人気を維持した。2位は「保育園・幼稚園の先生」、3位は「学校・習い事の先生」と続いた。また「ダンスの先生、ダンサー、バレリーナ」が10位と、09年以来のトップ10入りとなった。

 アンケートは第一生命が1989年から毎年実施しており、今回は16年7~9月に実施。全国の幼児や   小学生ら1100人の回答を集計、分析した。
 
 
 
      このニュースはすべての全国紙に掲載されているようだ。実にノーベル賞の効果は大きいと思う。子供は将来の生活のことなんか考える必要がないから、純粋に「理想の人物像」を具体的にノーベル賞受賞者 やサッカー選手に自らを同化して考えることができるのだろう。
 
  
    自分のことを顧みても、なんと言っても1949年の日本人初の湯川秀樹博士によるノーベル物理学賞受賞の影響は強烈だった。当時小生は満8才で、高知市旭第一小学校から芦屋市宮川小学校に転校したころであった。研究内容などはなんにもわからなかったのだが、世界で賞賛される栄誉みたいなものがまぶしくて仕方がなかった。5年生の時の国語の教科書には湯川スミ夫人によるノーベル賞受賞記念式典のときの印象記が載っていたと強く記憶している。
 

                

その後大学に至るまでや大学に入ってからも湯川の随筆や対談など多くの出版物では、彼の物理の専門書は歯が立たなくても、それ以外はほとんど全部読んだ。特に「創造性」や「独創性」や「直感」に関する彼の哲学的発言には、他の内外のどの科学技術論者よりも最も強く影響を受けたと思う。
    

おかげで、将来何になりたいかなど特に考えることもなく「研究者」以外になりたいと思ったことはない。もちろん「自分が研究者に向いているだろうか」とか「研究者になるためにはどういう生活をしなければならないか」などの点については、在学中や助手になりたての時は真剣に悩んだ。
      

先日から強烈な風邪を引いているのでぼんやりとテレビを見ていたら、昨日の 超絶 凄ワザ! というNHKの番組で、「油が水ですぐ取れるまな板がほしい」という命題を出した小学生が、番組の最後に司会者から「君は将来何になりたいですか?」と問われて「研究者になりたいです」と明言していたのにはいささか感動した。子ども達にも一昔前のロマンチックな科学者像が再現してきはじめたのかもしれない。これは第一生命の調査通りにノーベル賞効果だと思ったことである。
   

  科学への投資は、将来の人材育成への投資でもあることは明らかである。過去20年間にわたって1%シーリングで国立大学の研究予算を減らし続けてどん底に落とし込み、逆に防衛予算を飛躍的に増やし、フィリピン、インドネシァ、ベトナムなどに桁違いの海外援助資金で国家予算をじゃぶじゃぶ散財し続けている安倍政権のやり方は、人材育成の面から国を内部崩壊させつつある。

    
   
      
 
(森敏)
2016-12-28 10:03 | カテゴリ:未分類

 

(年末の朗報です)
 

http://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/jutenshien/geijutsusai/h28/pdf/h28_geijutsusai_kettei.pdf

 

平成28年度(第71回)文化庁芸術祭

テレビドキュメンタリー部門優秀賞受賞

 

日本放送協会 NHKスペシャル
 

「被曝 の森 ~原発事故5年目の記録」

  

授賞理由:
福島第一原発事故により大量の放射性物質が放出され,周辺地域は立入りが制限されている。無人の町で今,何が起きているのか,原発事故を忘れかけている5年目の貴重な現場からの報告。イノシシが町を占拠し,野生動物が住宅街で大繁殖している。目を覆うばかりの現実から目をそらさず,国内外の研究者たちの調査に密着し,最新の技術を駆使して丹念に描かれた労作。時間をかけて現実を直視し続ける貴重な記録だ。


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これには小生たちも含めて多くの現場研究者が協力しているので、良かったと思います。
NHKには来年からも引き続き原発事故の影響の追跡調査に気合を入れていただきたいと思います。

(森敏)

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